雨に打たれて(マミ)
夏野『風呂上がりの一杯は堪らんなー・・・ぷはぁ』
腰に手を当ててコーヒー牛乳を飲んでいる。
女同士という事もあり、上半身は生まれたままの姿だ。
マミ『ナッチ、相変わらずオヤジ臭い・・・』
夏野『この一杯の為に生きてるって感じだねぇ・・・。マミもお風呂入りなよ』
マミ『う、うん・・・』
服を脱ぎ始める。
目の前にいる、異性には決して見せてはいけない格好をしているこの女性は夏野向日葵(なつのひまわり)。
通称ナッチ。
ミクニコーヒーというチェーン展開している喫茶店で、店長候補として働いている。
夏野『うーん、見れば見るほど戦隊物の衣装にしか見えないわね・・・』
マミ『・・・』
ハンガーにかかってる水色の服をじっと眺めている。
私は麻霧真実(あさぎりまみ)。
ナッチが働いている店で、アルバイトをしている。
夏野『マミと会ってから、もう半年だね』
マミ『うん・・・』
夏野『あの時はビックリしたなー・・・。雨の中、コレ着て倒れてんだもん』
マミ『・・・』
半年前、私は雨の中倒れていた。
その時に私を介抱してくれたのが、偶然通りがかった彼女だ。
なぜ倒れていたのか、どうしてこんな衣装を着てたのか、しまいには自分の名前でさえも全く思い出せない。
夏野『やっぱ《アサギ》って、これの色の事だよね?』
マミ『うーん・・・』
ナッチ『昔の新撰組が着てた服の色なんだって』
唯一の手掛かりと言えば、私が着ていたこの衣装と近くに落ちていた黄色いスカーフ。
そして私が唯一覚えていた《アサギ》という単語。
夏野『もう名前にも慣れたっしょ』
マミ『うん。ナッチに付けてもらった名前だもん』
《アサギ》の他に覚えている単語を言おうとして『マ・・・』と口にしたが、その後がなかなか出て来なかった。
しばらくして、出てきた言葉が『・・・ミ』。
誰かにそう呼ばれていたような気がするが、最後までしっくりこなかった。
夏野『もう、マミったら可愛いな~』
マミ『髪の毛わしゃわしゃしないでよ~・・・』
結局、《麻霧真実》と名乗る事になった。
《アサギ》だと、あまりにもそのまんまなので《アサギリ》。
後から聞いた事だが、ナッチが何年か前に乗った列車の名前でもあるらしい。
下の《真実》というのは、いつか真実の名前が解るようにという事だ。
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腰に手を当ててコーヒー牛乳を飲んでいる。
女同士という事もあり、上半身は生まれたままの姿だ。
マミ『ナッチ、相変わらずオヤジ臭い・・・』
夏野『この一杯の為に生きてるって感じだねぇ・・・。マミもお風呂入りなよ』
マミ『う、うん・・・』
服を脱ぎ始める。
目の前にいる、異性には決して見せてはいけない格好をしているこの女性は夏野向日葵(なつのひまわり)。
通称ナッチ。
ミクニコーヒーというチェーン展開している喫茶店で、店長候補として働いている。
夏野『うーん、見れば見るほど戦隊物の衣装にしか見えないわね・・・』
マミ『・・・』
ハンガーにかかってる水色の服をじっと眺めている。
私は麻霧真実(あさぎりまみ)。
ナッチが働いている店で、アルバイトをしている。
夏野『マミと会ってから、もう半年だね』
マミ『うん・・・』
夏野『あの時はビックリしたなー・・・。雨の中、コレ着て倒れてんだもん』
マミ『・・・』
半年前、私は雨の中倒れていた。
その時に私を介抱してくれたのが、偶然通りがかった彼女だ。
なぜ倒れていたのか、どうしてこんな衣装を着てたのか、しまいには自分の名前でさえも全く思い出せない。
夏野『やっぱ《アサギ》って、これの色の事だよね?』
マミ『うーん・・・』
ナッチ『昔の新撰組が着てた服の色なんだって』
唯一の手掛かりと言えば、私が着ていたこの衣装と近くに落ちていた黄色いスカーフ。
そして私が唯一覚えていた《アサギ》という単語。
夏野『もう名前にも慣れたっしょ』
マミ『うん。ナッチに付けてもらった名前だもん』
《アサギ》の他に覚えている単語を言おうとして『マ・・・』と口にしたが、その後がなかなか出て来なかった。
しばらくして、出てきた言葉が『・・・ミ』。
誰かにそう呼ばれていたような気がするが、最後までしっくりこなかった。
夏野『もう、マミったら可愛いな~』
マミ『髪の毛わしゃわしゃしないでよ~・・・』
結局、《麻霧真実》と名乗る事になった。
《アサギ》だと、あまりにもそのまんまなので《アサギリ》。
後から聞いた事だが、ナッチが何年か前に乗った列車の名前でもあるらしい。
下の《真実》というのは、いつか真実の名前が解るようにという事だ。
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