雨に打たれて(マミ)

そこでふと、自分の中に疑問が沸いて来た。
今、『消える』って言った?

そうだ、他の仲間達はほとんど消えてしまったんだ。
そして、私も?

??『イヤ・・・』

初めて『私』から言葉が漏れる。
そう、嫌だ。
消えてしまうのは。

??『消えるの・・・イヤ』

もう一度、声を搾り出す。
自分が何者か分からないまま、消えたくない。

でも、もう限界だった。
雨は強くなる一方で、確実に身体から熱を奪っていく。
意識が段々遠くなっていく。

誰かが呼び掛ける声が聞こえる。
消えてしまった仲間達だろうか。
でも、それに答える気力も残っていなかった。
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