サオリ『・・・いた』

店から出て数分、ようやく雫を発見した。
必死に左右を見渡している。

雫『うう・・・』
サオリ『誰か探しているの？』
雫『・・・！サ、サオリ・・・』

後ろから声を掛けてみる。
予想通り、ビクッと飛び上がった。

サオリ『もしかして、私？』
雫『う、うん・・・キャットハンズの栗橋さんと偶然会って、見たって聞いたから・・・』
サオリ『そ、そう・・・』

まさかあの人も私で・・・いや、考えるのはよそう。
ある意味、自業自得だ。

雫『ところでサオリ、何か用事？』
サオリ『・・・ううん、ちょっとブラブラしていただけ』

もちろん、実際には違う。
《とっておきの話》とやらは次回聞く事にしよう。
・・・あまり気は進まないが。
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