？？『それででやんす・・・』
サオリ『・・・』

私は眼鏡の男と喫茶店にいた。
喫茶店といっても、系列店ではない。

？？『・・・と、いう事でやんすよ』
サオリ『はあ・・・』

目の前にいる眼鏡の男は私の目ではなく、胸の辺りをじっと見ている。
別に今回に限った事ではないが、決して気分の良いものではない。
しかも、今日に限っては喫茶店へ行く途中でもやたら見られていたような気がする。

？？『そこでオイラはこう言ったでやんす・・・』
サオリ『あの・・・亀田さん』

眼鏡の男は亀田光夫(かめだみつお)と言うらしい。
キャットハンズに似た風貌の外野手がいたが、彼と関係があるのだろうか。
何か、とっておきの情報があるとの話だった。

亀田『もう少し待つでやんす。これからが良い所でやんすよ』
サオリ『・・・』

だったらせめて、胸ではなくちゃんと目を見て下さい。
喉まで出かかった言葉を何とか抑える。

亀田『それにしてもでやんす・・・』
サオリ『・・・何か？』
亀田『今日は大サービスでやんすね』
サオリ『・・・！』

ハッとした。
慌てて自分の胸元を見てみる。
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