恋恋高校の日々(なつき)

??『それと、器材の状況なんですけど・・・あれ、先生』

ユニフォームを着た女子部員の手が私の顔に触れる。その瞬間、全身に悪寒が走った。
私は声にならない叫びをあげ、飛びのいた。

??『え、何で避けるんですか?何もしませんよ、今は』

最後の方は聞かなかった事にしておきたい。

??『先生・・・涙出てましたよ』
なつき『えっ・・・?』

思わず自分の目の下に手を当てる。
確かに、さっき彼女が触れていなかった方の頬に涙が流れていた。

辞めた時の夢を見るといつもこうだ。あの時は涙も出なかったのに。

女子部員が、先程まで私の頬に触れていた手を口元に持っていった。
そして、舐めた。
再び、私の全身に悪寒が走った。
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