ユリ『突撃、隣の・・・』
サオリ『させるかっ』
ユリ『アイタッ！』

タンスを開けようとしていた手をはたき落とす。
時間は夜の10時。
既に帰ってきて、風呂から上がった所だ。

ユリ『酷い・・・』
サオリ『どっちがよ』

テレビでは、報道何とかというニュース番組が始まっていた。
女子リーグのロゴが印刷された袋から中身を出してみる。
フェイスタオル、キャップ、ボールペン。
ユリのと違ってサインが全く入っていないイヤーブックに、着るかどうか分からないレプリカユニ。
とりあえず、イヤーブックのページをめくってみる。
《ルーキーインタビュー》と銘打たれたページが出てきた。

サオリ『この人でしょ？新人の・・・』
ユリ『関屋真代ちゃんね。あ～、来年一緒のチームでプレーしたいな～・・・』
サオリ『でも今日の試合、確かショートでしょ。ユリとポジション被るんじゃない？』
ユリ『私は内野一通りは大丈夫だから。という事で・・・ジュルリ』
サオリ『・・・』

違う意味で大丈夫じゃなさそうだ。
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