姉妹(???)

ユリ『ちょっと一方的だったけど・・・』
サオリ『見所は多かったよね』

ユリの言う通り、試合は一方的な展開だった。
《青》の都城出水(みやこのじょういずみ)選手、城咲円(しろさきまどか)選手、新島早紀(にいじまさき)選手の連続ヒットで満塁に。
森川瞳(もりかわひとみ)選手のあと少しでホームランかという大飛球に球場が沸いた。
打者一掃のツーベースの後はさらに2点を追加し、初回に5点を先制。
不動の先頭打者だった天草美久(あまくさみく)選手の穴を感じさせない猛攻だった。

ユリ『みんな良い身体してたし』
サオリ『オヤジかっつーの・・・あ、私です』

注文した料理が運ばれてきた。
一方の《紫》は、新人の関屋真代(せきやまよ)選手が3安打1四球と活躍するも後が続かない。
先発の西条美月(さいじょうみつき)投手、7回8回を水瀬実夕(みなせみゆ)投手、そして最終回の山科翡翠(やましなひすい)投手の前に点を取る事ができなかった。

ユリ『あの新人の娘なんだけど』
サオリ『一人だけ活躍してたよね』
ユリ『うん。翡翠選手に負けず劣らずの逸材だね』

《紫》の主軸を打つ田崎羽入(たざきはいる)選手、湯野上舞佳(ゆのかみまいか)選手と白井雪(しらいゆき)選手はいずれも無安打に終わってしまう。
失点にこそ絡まなかったものの、田崎選手に至ってはエラー2つと燦々たる結果だった。

サオリ『・・・念のため聞くけど、どういう意味で?』
ユリ『☆3.5・・・いや、4はあるかも』
サオリ『・・・』

やはり胸の事らしい。
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