姉妹(???)

ユリ『痛い・・・』
サオリ『だったらやるなっ!』

ズレてしまったので直す。
さすがに、マネージャーには手を出していないらしい。
《マネージャー》を妙に強調するのが気になったが、深く追及しない方が良いだろう。

ユリ『エイッ★』
サオリ『甘いっ!』
ユリ『と、見せかけて・・・それっ♪・・・アダッ!』
サオリ『・・・もう!怒るわよ!!』

とは言っても、本気で怒った事は一度も無い。
私やユリがこうなったのも、そしてあの娘があんな事になったのも・・・全て《あの日》のせいだから。

ユリ『・・・酷い』
サオリ『どっちがよ!』

食い込んでしまったので直す。
ユリも、渋々といった感じで服を着始めた。

ユリ『あれ?』
サオリ『札、出したよね?』
ユリ『うん・・・』

しばらくして、脱衣所の引き戸が開く音が聞こえた。
大浴場はお手伝いの人も入って構わない事になっているが、私達家族の人間が入っている時にはしばらく待ってもらう事になっている。

??『お邪魔するわね・・・』
ユリ『あ、お母さん』
??『あら・・・ちょうど出る所だったかしら』

入ってきたのは女の人は、三国英里耶(みくにえりか)。
私達姉妹の母親だ。

サオリ『札、そのままで良い?』
英里耶『うん、後で戻しておくわね。二人は明日出かけるんでしょ?夕飯はどうするの?』
ユリ『うーん・・・終わった後、買い物もしたいから外で食べるよ』
英里耶『そう。あまり遅くならないようにね』
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