雫『この前、テレビで見たよ』
サオリ『初海ちゃん？』
雫『うん。クイズの番組だったけど、断トツのトップ』
サオリ『そう・・・』

彼女を起用するにあたって実はちょっとした騒動があったのだが、あまり言い触らすような事ではないだろう。
下手をすれば商品そのもののイメージにまで傷が付く恐れもあったので、むしろ幸いだった。

サオリ『明日どうしようか？何か食べたい物とかある？』

る●ぶのページをめくりながら聞く。
一冊持っていれば現地での地図代わりにもなるので、とても便利だ。

サオリ『ここ、行きたいって言ってたよね？』
雫『うん、でもその前に・・・』
サオリ『その前に？』
雫『それ、明日返してくるから』
サオリ『う・・・』

バレてたか。

雫『忍法、痴女の術』
サオリ『忍法って・・・』
雫『説明しよう。忍法痴女の術とは、自らの胸の谷間を惜し気もなく露出し・・・』
サオリ『おやすみー』

長くなりそうなので、布団を被る。

雫『サオリ』
サオリ『・・・』
雫『成果、あった？』
サオリ『三球三振。バットに掠りもしない』
雫『そっか・・・』

部屋の明かりが落とされる。
私は目を閉じた。
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