入口近くの席が空いていたので腰を落ち着ける。
駅へ向かうバスの車内で、先程会った《彼》について考えてみた。

『お待たせしました。次は・・・』

あまり良い状態とは言えないだろう。
何やら独り言を呟きながら、一心不乱にデッキブラシを動かしていた。
そして、先程の反応。
いっそ《計画》を中止した方が良いんじゃないか、といった考えまで頭をよぎる。

？？『・・・』

首を振り、その考えを追い払う。
《例の写真》を見る為にスマホを取り出した。
画面を見ると留守電が入っている。
周りに人がいないのを確認して、《再生》をタッチした。



『ユリです。お話したい事が・・・』
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