キャンプイン(栗橋)

【萱島楠葉】
去年、ドラフト指名され入団した新人女性投手。
NPBの女子選手としては5人目で、女子リーグからは初の指名。
去年行われた入団会見は、散々な出来だった。
その一件はチームの中でタブー視されており、質問しようものなら即座に取材NGになる。

【女子リーグ】
ここ最近、萱島はリーグの選手とはほとんど連絡をとっていない。
メールすれば一応返信が来るものの、電話には全く出ない。

【南条】
ホーミング娘。というアイドルグループに所属していた小悪魔系美少女。
グループを卒業し、今はソロで活動中。
ソロになってからは、男性ファンを意識したような衣装が多い。

【写真集】
去年発売された、彼女の最新写真集。
きわどい水着ショットが多く、男性ファン大喜び。
矢部は保存用(直筆サイン入)、鑑賞用、布教用と3冊所有。
余談だが、写真集の発売イベントに怪しい人物が並んでいたのを矢部は目撃している。
その人物は金髪でサングラス、それにマスクを付けていた。
本人は変装のつもりだったのだが、かえって目立っていた。

【オススメスポット】
矢部君のオススメスポット。
入るのが躊躇われるような店、もしくはメイドカフェ等が基本だが、最近ではゲームやアニメの舞台になった場所がレパートリーに加わった。
その為、シーズンオフにはカメラと資料を手に遠出する事もある。

【眼鏡】
分厚いビン底眼鏡。
矢部君の感情によって形が変わる、世にも不思議な眼鏡。

【姉】
名前は矢部徳子。
保険の外交員をしているらしい。
栗橋も、高校時代に何回か会った事がある。

【あの時のファン】
キャットハンズの練習場からの帰り、栗橋は何やら恐ろしい気配を感じる。
振り向いてみると、そこにはフリフリの服を着た縦にも横にも大きい女性が色紙を差し出してきた。
その後、右手を差し出され握り返した途端、彼女の目が妖しく光る。
その時になって始めて栗橋は恐怖を感じるも、時既に遅く彼女は栗橋の手を握ったまま『ムッハー!』と鼻息も荒く、顔を近付けてきた。
覚悟を決めたその時、彼女は突然『用事を思い出しましたわ!』とドタバタと去ってしまった。
彼女の代わりに後ろにいたのは、栗橋の良く知る人物だった。
何やら釈然としない物を抱えながらも、栗橋はその人物と夕飯を食べた。
春季キャンプに出発する、少し前の事である。
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