キャンプイン(栗橋)

栗橋『矢部君、頭痛い・・・』
矢部『奇遇でやんす。オイラもでやんす・・・』

キャンプ2日目の朝を迎えた。
初日と違い、体調は良くない。
むしろ最悪に近かった。

あの後オレ達は、みずき先輩のヤケ酒に付き合わされた。
ホテルに戻った時点でとっくに門限を過ぎていたが、みずき先輩が一睨みしただけでマネージャーも引き下がってしまう辺りに、このチームの力関係が垣間見えたような気がした。

矢部『とりあえず予定通りに作戦を実行するでやんす・・・』
栗橋『ラ、ラジャー・・・』

身体にダメージは残ったものの、みずき先輩が全額出してくれたので財布はノーダメージで済んだ。
ちなみに、引きずり回した当の本人はホテルで寝ている。
体調が悪いと連絡があったらしい。
あれだけ飲めば、翌日にも響くだろう。

矢部『ズキズキするでやんす・・・。ガンダーロボが宇宙(そら)を回っているでやんす・・・』
栗橋『それはいつものことじゃあ・・・』
矢部『・・・やんす。とりあえずスポーツドリンクを飲みに戻るでやんす・・・』
栗橋『うん・・・』

ベンチに戻り、クーラーボックスに入っていたスポーツドリンクを飲み干す。
少し、楽になってきた。

矢部『では、作戦再開でやんす』
栗橋『うん、行こう』

みずき先輩が上手く言ってくれたのか、オレ達2人が何か言われる事は無かった。
ちなみに、矢部君の携帯にもみずき先輩からメールが届いた。

『作戦は予定通り決行すべし』

・・・との事だった。
おそらくオレの携帯にも届いてたと思うが、昨日どこかで落としてしまった。
喫茶店か、その後に行った店だろう。

栗橋『まずは萱島さんを探さないとね』
矢部『やんす。今の時間はあっちにいるはずでやんす』

作戦という程の大袈裟な物では無い。
オレ達が話しかける事によって、何でも相談できるようにする。
ただそれだけだった。
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