キャンプイン(栗橋)

オレ達3人は、ホテルから少し離れた喫茶店にいた。
目の前にはホットオレとプリン。

みずき『うん、美味しい』
矢部『イケるでやんす』
栗橋『ふぅ・・・』

ホットオレを飲む。
一段落した所で話が始まった。

みずき『話っていうのは・・・あの娘の事』
栗橋『あの娘って・・・萱島さんですか?』
みずき『うん・・・』
矢部『分かったでやんす。オイラがあの娘とラブラブな関係になるでやんすね!』

口にプリンを付けたままの矢部君が言う。

みずき『ちょっと!話の腰を折るんじゃないわよ、メガネッ!!』

みずき先輩が、精神注入棒をおもいっきり振りかぶった所で後ろから羽交い締めにした。
それでも、じたばたと抵抗している。

みずき『離して!つーか、栗橋君までどこ触ってるのよ!!』
栗橋『す、すみません』
矢部『うらやましいでやんすぅ』
みずき『うるさいっ!』
栗橋『とりあえず話を・・・』
矢部『そうでやんす』
みずき『アンタが言うなっ!!』

店内で大騒ぎを始める。

去年のドラフトで入団した選手の中に、一人の女子選手がいた。
彼女の名前は萱島樟葉(かやしまくすは)。
ポジションはピッチャーで右投右打。
女子リーグでは外野も守っていたらしい。
年齢はオレ達より若いが、お酒が飲める年齢には達している。

フォームはオーソドックスなスリークォーター。
球種はカーブ、シュート、縦のスライダー、スプリットの他にツーシームを操る。
趣味は映画鑑賞とアウトレット巡り。

矢部君から聞いた話をまとめると、そんな感じだ。
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