文よりも確信的なもの
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『三成くんちょっといいかしら』
『………?』
騒動が終わってようやく皆が寝静まった頃。
ぴったりと横並びにした布団で就寝した三成と晴雅。
しかし彼はまだ目が冴えていて隣で寝息を立てる恋人を見つめながら髪を撫でていると障子の向こう側から己を呼ぶ声がした。
話し方や声で相手が誰だか察した三成は疑問に思いつつ晴雅を起こさぬ様、音も立てずに布団から抜け出しそのまま障子を開いた。
『疲れて寝てる所なのにごめんなさいね、大丈夫かしら?』
『問題ない』
やはり予想通り廊下に立って居たのは朔夜で彼女は申し訳なさそうに二人を交互に見るとそう尋ねてきた。
何も支障をきたしていない三成は返事と共に頷いて誘導されるがまま後を着いて行った。
案内された先は彼女の仕事部屋とも言える場所で畳上に置かれた和机とそれを挟む様に置かれた二つの座布団が配置されていた。
手振りも交えて『遠慮せずに楽な姿勢で座ってね』と告げてくる朔夜だが対する三成は姿勢の良い正座で腰を下ろした。
少し困った様に笑みながら『秀吉から聞いてた通りの真面目な子ねぇ』と口にし敬愛する存在の名を耳にして彼の表情が僅かに変わる。
『改めて…さっきは本当にありがとうね。あんな奴から晴雅を守って、私達も庇ってくれて』
『成すべき事を成したまでだ』
『ふふっ、やっぱりあの子の旦那様としてぴったりだわ』
『…っ!』
わざわざ頭を下げて礼を言う朔夜に首も振って返す娘の婚約者に微笑ましい笑いが止まらない。
『貴方の事はね、晴雅からも秀吉からも半兵衛からもよく聞かせて貰ってたの。特に娘と秀吉なんてほぼ毎日よ』
『秀吉様がっ…!!?』
『そう。だから三成くんと婚約したって教えて貰った時は叫んでしまいそうだったわぁ』
あんなにはしゃぎ気味の秀吉はなかなか見た事も聞いた事もなかったと語る朔夜へ三成は目を爛々とさせていた。
『それから報告に来てくれた時も相俟って確信したの。嗚呼この人なら、三成くんなら晴雅も幸せになれるって』
『………』
『私と夫は一番居てあげたい時に限って、娘と一緒に居られなかった』
迷わず語り続ける彼女に三成は黙って聞き入る。
『だからあの子が寂しい時も辛い時も悲しい時も…最期まで傍に居てくれて本当に感謝しかなかった』
『………私も晴雅が居たから晴雅が最期まで私を裏切らず味方で在ったから、晴雅は私を一人にせずにいてくれたから、孤独に終わらずに済んだ』
声量を落として少し涙目で話し続ける朔夜の言葉を聞き彼も答え始めた。
『もうあの時の様な罪は嘆きは繰り返させない』
脳裏で浮かぶ己の全てを形成していると言っても過言でもない存在達がよぎり誓う様に三成は紡ぐ。
『晴雅と生きてゆく為に』
短くだが揺るぎない意志を悟って朔夜は泣き笑いしながら『晴雅をこれからもよろしくお願いします、三成くん』と頭を深く下げた。
「体に気を付けてねー!お母さんお父さん!!」
実家から遠ざかる車体の窓から顔と腕を出して両親へ叫ぶ恋人の姿を隣で見守っていた三成は手を振り返すいつか己の義母となる存在を見つめながら思い返していたのだった
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『………?』
騒動が終わってようやく皆が寝静まった頃。
ぴったりと横並びにした布団で就寝した三成と晴雅。
しかし彼はまだ目が冴えていて隣で寝息を立てる恋人を見つめながら髪を撫でていると障子の向こう側から己を呼ぶ声がした。
話し方や声で相手が誰だか察した三成は疑問に思いつつ晴雅を起こさぬ様、音も立てずに布団から抜け出しそのまま障子を開いた。
『疲れて寝てる所なのにごめんなさいね、大丈夫かしら?』
『問題ない』
やはり予想通り廊下に立って居たのは朔夜で彼女は申し訳なさそうに二人を交互に見るとそう尋ねてきた。
何も支障をきたしていない三成は返事と共に頷いて誘導されるがまま後を着いて行った。
案内された先は彼女の仕事部屋とも言える場所で畳上に置かれた和机とそれを挟む様に置かれた二つの座布団が配置されていた。
手振りも交えて『遠慮せずに楽な姿勢で座ってね』と告げてくる朔夜だが対する三成は姿勢の良い正座で腰を下ろした。
少し困った様に笑みながら『秀吉から聞いてた通りの真面目な子ねぇ』と口にし敬愛する存在の名を耳にして彼の表情が僅かに変わる。
『改めて…さっきは本当にありがとうね。あんな奴から晴雅を守って、私達も庇ってくれて』
『成すべき事を成したまでだ』
『ふふっ、やっぱりあの子の旦那様としてぴったりだわ』
『…っ!』
わざわざ頭を下げて礼を言う朔夜に首も振って返す娘の婚約者に微笑ましい笑いが止まらない。
『貴方の事はね、晴雅からも秀吉からも半兵衛からもよく聞かせて貰ってたの。特に娘と秀吉なんてほぼ毎日よ』
『秀吉様がっ…!!?』
『そう。だから三成くんと婚約したって教えて貰った時は叫んでしまいそうだったわぁ』
あんなにはしゃぎ気味の秀吉はなかなか見た事も聞いた事もなかったと語る朔夜へ三成は目を爛々とさせていた。
『それから報告に来てくれた時も相俟って確信したの。嗚呼この人なら、三成くんなら晴雅も幸せになれるって』
『………』
『私と夫は一番居てあげたい時に限って、娘と一緒に居られなかった』
迷わず語り続ける彼女に三成は黙って聞き入る。
『だからあの子が寂しい時も辛い時も悲しい時も…最期まで傍に居てくれて本当に感謝しかなかった』
『………私も晴雅が居たから晴雅が最期まで私を裏切らず味方で在ったから、晴雅は私を一人にせずにいてくれたから、孤独に終わらずに済んだ』
声量を落として少し涙目で話し続ける朔夜の言葉を聞き彼も答え始めた。
『もうあの時の様な罪は嘆きは繰り返させない』
脳裏で浮かぶ己の全てを形成していると言っても過言でもない存在達がよぎり誓う様に三成は紡ぐ。
『晴雅と生きてゆく為に』
短くだが揺るぎない意志を悟って朔夜は泣き笑いしながら『晴雅をこれからもよろしくお願いします、三成くん』と頭を深く下げた。
「体に気を付けてねー!お母さんお父さん!!」
実家から遠ざかる車体の窓から顔と腕を出して両親へ叫ぶ恋人の姿を隣で見守っていた三成は手を振り返すいつか己の義母となる存在を見つめながら思い返していたのだった
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