夏での杞憂
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『ミーン…ミーン…』
差す様な太陽の光から逃れて縁側で寛ぐ晴雅。
寛ぐと言っても、ぐた~と寝転び暑さに完璧負けていた。
「あっづ~い…」
「こら晴雅!そんな格好で何しているんだ!?」
「あっ半兵衛様」
「あっ…じゃない!そんな薄着でこんな体勢になって、恥ずかしいとも思わないのかい!!」
なんとかして毎日続く茹だる様な(むしろ既に茹だっているのだが)暑さに、晴雅は半場やけくそになっていた。
団扇(うちわ)を使って自分を扇いだり、冷やした飲み物に氷をぶちこんでキンッキンッにしたのを飲んだり、風通しの良い日陰で休憩したりと対策はしていた。
だが晴雅は満足出来るまでの対処法がなかなか決められずにいた。
どうにかならないか…そう考え込んでもそろそろアイデアが尽きかけている。
今の手っ取り早い対処法は薄着一枚、短めなスカートでゴロゴロするしかなかった。
しかし先程の通り晴雅の生活習慣についてかなり煩い半兵衛に見つかったせいで、実行出来なくなる可能性が見えてきた。
半兵衛の事だ、直ぐ様に秀吉へ愚痴るだろう。
「まぁ次に見つかる前で着替えれば良いや」
「誰に見つかるだって?」
「誰だか分かるよ。当ててみようか?」
突然耳に届いた半兵衛とは別の声主へ、目を閉じながらゴロンと寝返りを打ち晴雅は続ける。
「黒田でしょ?」
「当りだ!流石は小生の晴雅だっ!!」
「私は黒田の物じゃ有りません。三成の物です」
言葉を否定されつつも、真上から晴雅の顔を見下ろしニタリと笑う黒田の顔。
やれやれと頭を振って晴雅は起き上がる。
「それに刑部さんから聞いてるんだけど…神子さんにも手を出そうとしたんじゃないの?」
「いっ、いやあれはだな!お前さんと最近なかなか会わせて貰えないから、つい…だ!」
「へぇ~つい、で人様しかも刑部さんのお嫁さんに手を出す馬鹿が居るかぁっ!!!」
いつだか電話にて旧友の大谷から黒田が妻で有る、神子に何かやらかそうとした。
等の話を小耳に挟み晴雅は黒田に会い次第しばくつもりでいた。
力では黒田に勝てない事を嫌と言う程に知っている晴雅は一瞬の拳を顔面に打ち込む。
反応出来なかった黒田は悶絶する他なかった。
「ぬぉぉ~…な、何故じゃー…」
「自分で考えなさいな!お馬鹿っ」
黒田を見るのも疲れた晴雅は背中を向けて再び寝転がる。
(おっ、ちょうど良いアングル。やはり小生はまだまだ幸運だ)
晴雅が自分を見ないのを良い事に黒田は有る所に視線を集中させる。
チラチラと姿を見せそうで見せない、短いスカートの中身に
「ぉおっ!!見え『貴様ァァア!!!』ぶっ」
いよいよスカートの中身が見えそうになった刹那、怒号を上げて三成が駿足で現れる。
勢いをそのままに黒田へ蹴りを突っ込んで。
素晴らしい三成の蹴りを食らった黒田は縁側から落ち、色鮮やかな鯉達が泳ぐ池に落ちていった。
「んー…?あっ!三成だぁ!!」
「貴様は私の女だと言う事を忘れたのかっ!!?」
池へ落下した黒田を見ずに晴雅は現れた三成へ嬉しそうに笑う。
対して三成は険しい顔つきで晴雅を睨んでいた。
「なっ何を突然言ってるの三…あ、そっかこの格好かー」
「幼稚な戯言を口にしている暇があったらこれを着ていろ!!」
普段は恥ずかしがって恋人だと宣言もしない、三成に晴雅は軽く赤くなっていた。
そんな晴雅に引き続き語尾を強めながら己の上着を脱いで無理矢理掛けてきた。
炎天下の夏にも関わらず三成はいつも通りの服装をしていて、見ているだけで暑苦しい。
三成の他で誰よりも(色んな意味でも)暑苦しい者が居るが、別の話とする。
「半兵衛様に頼まれたの?」
「加えて秀吉様にもな!」
「あーう!半兵衛様、秀吉様にチクったね!」
予想通りの展開に晴雅は呆れるしかなかった。
「でも気遣いは嬉しいけど暑いのよ、今」
「安心しろ。そうだろうと半兵衛様がこれを持たせて下さった」
「何それ?…ペロッ、これはかき氷!しかもブルーハワイ味!」
「皿ごと口に突っ込んでやろうか」
指で氷をなぞってから自分の口へ運ぶと晴雅は何故か一人芝居を始めた。
冗談では済ましそうにない三成に、直ぐ様やめたが。
「その手が有ったか!」
「半兵衛様がわざわざ貴様の為に、お作りになられた。ありがたく食せ」
「うん!三成はどっち食べる?」
「どちらでも良い」
「そっかじゃっ…私は好きなブルーハワイを貰うよ」
ポンッと手を打つ晴雅はブルーハワイとイチゴ味、どちらが食べたいか聞けば特に三成は拘りが無いらしい。
故に晴雅は好きなブルーハワイを選んだ。
「冷たくて美味し~い!三成は?どう?イチゴ味」
「………悪くはない」
匙でかき氷を掬い、口に入れて咀嚼する。
氷を染めるシロップの味が冷たさと共に口に広がった
「イチゴだから甘いよね。そっちも美味しそうで良かった。ごめんね…好きに選んじゃって」
「別に謝罪など必要ない。晴雅が満足すれば、それで良い」
「ありがとう三成。じゃあお礼にこっちの味も食べさせてあげるよ。あっ良い事思いついた」
「?」
最初は単純に匙で掬った青に染まる氷を三成に食べさせようとしたが何か思いついたか、一時それを止める晴雅。
疑問に首を傾げる三成だが晴雅にほら!三成も掬って!と告げられ言われた通りに、ピンクに染まった氷を掬う。
「はいっあ~ん…」
「………」
一方的な食べさせ方ではなく、御互いに口へ匙を向けているこの形。
平然と笑顔で結構する晴雅に沈黙した三成だが、口に入ってきたブルーハワイの味に悪くはないと思った
.
差す様な太陽の光から逃れて縁側で寛ぐ晴雅。
寛ぐと言っても、ぐた~と寝転び暑さに完璧負けていた。
「あっづ~い…」
「こら晴雅!そんな格好で何しているんだ!?」
「あっ半兵衛様」
「あっ…じゃない!そんな薄着でこんな体勢になって、恥ずかしいとも思わないのかい!!」
なんとかして毎日続く茹だる様な(むしろ既に茹だっているのだが)暑さに、晴雅は半場やけくそになっていた。
団扇(うちわ)を使って自分を扇いだり、冷やした飲み物に氷をぶちこんでキンッキンッにしたのを飲んだり、風通しの良い日陰で休憩したりと対策はしていた。
だが晴雅は満足出来るまでの対処法がなかなか決められずにいた。
どうにかならないか…そう考え込んでもそろそろアイデアが尽きかけている。
今の手っ取り早い対処法は薄着一枚、短めなスカートでゴロゴロするしかなかった。
しかし先程の通り晴雅の生活習慣についてかなり煩い半兵衛に見つかったせいで、実行出来なくなる可能性が見えてきた。
半兵衛の事だ、直ぐ様に秀吉へ愚痴るだろう。
「まぁ次に見つかる前で着替えれば良いや」
「誰に見つかるだって?」
「誰だか分かるよ。当ててみようか?」
突然耳に届いた半兵衛とは別の声主へ、目を閉じながらゴロンと寝返りを打ち晴雅は続ける。
「黒田でしょ?」
「当りだ!流石は小生の晴雅だっ!!」
「私は黒田の物じゃ有りません。三成の物です」
言葉を否定されつつも、真上から晴雅の顔を見下ろしニタリと笑う黒田の顔。
やれやれと頭を振って晴雅は起き上がる。
「それに刑部さんから聞いてるんだけど…神子さんにも手を出そうとしたんじゃないの?」
「いっ、いやあれはだな!お前さんと最近なかなか会わせて貰えないから、つい…だ!」
「へぇ~つい、で人様しかも刑部さんのお嫁さんに手を出す馬鹿が居るかぁっ!!!」
いつだか電話にて旧友の大谷から黒田が妻で有る、神子に何かやらかそうとした。
等の話を小耳に挟み晴雅は黒田に会い次第しばくつもりでいた。
力では黒田に勝てない事を嫌と言う程に知っている晴雅は一瞬の拳を顔面に打ち込む。
反応出来なかった黒田は悶絶する他なかった。
「ぬぉぉ~…な、何故じゃー…」
「自分で考えなさいな!お馬鹿っ」
黒田を見るのも疲れた晴雅は背中を向けて再び寝転がる。
(おっ、ちょうど良いアングル。やはり小生はまだまだ幸運だ)
晴雅が自分を見ないのを良い事に黒田は有る所に視線を集中させる。
チラチラと姿を見せそうで見せない、短いスカートの中身に
「ぉおっ!!見え『貴様ァァア!!!』ぶっ」
いよいよスカートの中身が見えそうになった刹那、怒号を上げて三成が駿足で現れる。
勢いをそのままに黒田へ蹴りを突っ込んで。
素晴らしい三成の蹴りを食らった黒田は縁側から落ち、色鮮やかな鯉達が泳ぐ池に落ちていった。
「んー…?あっ!三成だぁ!!」
「貴様は私の女だと言う事を忘れたのかっ!!?」
池へ落下した黒田を見ずに晴雅は現れた三成へ嬉しそうに笑う。
対して三成は険しい顔つきで晴雅を睨んでいた。
「なっ何を突然言ってるの三…あ、そっかこの格好かー」
「幼稚な戯言を口にしている暇があったらこれを着ていろ!!」
普段は恥ずかしがって恋人だと宣言もしない、三成に晴雅は軽く赤くなっていた。
そんな晴雅に引き続き語尾を強めながら己の上着を脱いで無理矢理掛けてきた。
炎天下の夏にも関わらず三成はいつも通りの服装をしていて、見ているだけで暑苦しい。
三成の他で誰よりも(色んな意味でも)暑苦しい者が居るが、別の話とする。
「半兵衛様に頼まれたの?」
「加えて秀吉様にもな!」
「あーう!半兵衛様、秀吉様にチクったね!」
予想通りの展開に晴雅は呆れるしかなかった。
「でも気遣いは嬉しいけど暑いのよ、今」
「安心しろ。そうだろうと半兵衛様がこれを持たせて下さった」
「何それ?…ペロッ、これはかき氷!しかもブルーハワイ味!」
「皿ごと口に突っ込んでやろうか」
指で氷をなぞってから自分の口へ運ぶと晴雅は何故か一人芝居を始めた。
冗談では済ましそうにない三成に、直ぐ様やめたが。
「その手が有ったか!」
「半兵衛様がわざわざ貴様の為に、お作りになられた。ありがたく食せ」
「うん!三成はどっち食べる?」
「どちらでも良い」
「そっかじゃっ…私は好きなブルーハワイを貰うよ」
ポンッと手を打つ晴雅はブルーハワイとイチゴ味、どちらが食べたいか聞けば特に三成は拘りが無いらしい。
故に晴雅は好きなブルーハワイを選んだ。
「冷たくて美味し~い!三成は?どう?イチゴ味」
「………悪くはない」
匙でかき氷を掬い、口に入れて咀嚼する。
氷を染めるシロップの味が冷たさと共に口に広がった
「イチゴだから甘いよね。そっちも美味しそうで良かった。ごめんね…好きに選んじゃって」
「別に謝罪など必要ない。晴雅が満足すれば、それで良い」
「ありがとう三成。じゃあお礼にこっちの味も食べさせてあげるよ。あっ良い事思いついた」
「?」
最初は単純に匙で掬った青に染まる氷を三成に食べさせようとしたが何か思いついたか、一時それを止める晴雅。
疑問に首を傾げる三成だが晴雅にほら!三成も掬って!と告げられ言われた通りに、ピンクに染まった氷を掬う。
「はいっあ~ん…」
「………」
一方的な食べさせ方ではなく、御互いに口へ匙を向けているこの形。
平然と笑顔で結構する晴雅に沈黙した三成だが、口に入ってきたブルーハワイの味に悪くはないと思った
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