朧月夜
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それは朧月が出ている日の事…
「あ、醤油が切れてる…しかも油まで…」
大谷との夕餉を終えて、神子は食器の洗い物も済ませ、台所を整理していた。
調味料などか保管してある箇所の整理中、醤油と油が切れている事に気づいた。
(お店まだ開いてるかなあ…でも大谷さん一人にする訳にもいかないし)
空の醤油の容器を手にしながら、神子は大谷が居る畳部屋へ。
「大谷さん大谷さん」
「二度も呼ばれる程、難聴ではないぞ」
「なんとなくです。それよりお醤油と油が切れたので、買いに行くんですが」
「行けば良かろう。何故、我の許可を求める」
ぬしまで三成に成れば困る、と笑う大谷に神子は溜め息をつく。
「許可ではなくて…大谷さん一人で大丈夫か聞きに来たのですよ」
「我?我に留守番でも任せられぬのか」
「いえ留守番でもないんですが…」
このままだとスーパー閉店時間まで間に合わない気がした神子は、仕方なく大谷一人で待って貰う事にした。
「何かあったら私か三成くんに電話して下さいよ」
「あいわかった」
「なるべく直ぐに戻りますから」
「怪我をして戻って来い」
「怪我!?」
「冗談よジョウダン、ヒヒッ…」
大谷の冗談とは言い切れない言葉を受けた神子は、早足でスーパーに向かうのだった。
大谷宅の屋敷から近所のスーパーまで、歩いて十五分かかり早足で十分かかる。
それぐらい近いのは、やはり大谷の為である。
大焦りと言う程ではないが、軽く焦り気味で神子は醤油と油を買った。
(そう言えば最近は緑茶ばかりだったっけ…他のものを買おうか)
ついでにほうじ茶も買ったが。
「さて早く帰らないと。それにしても大谷さん、ほうじ茶飲んでくれるかな」
少し上がった息を整えて、神子は屋敷に向かう。
行きの時よりも早い足取りで。
「何故じゃ~~~!!!?」
「え!?」
屋敷まで残り数メートルまで差し掛かった瞬間、その屋敷から絶叫めいた声が響いた。
かなり驚きながらも、神子は早足から走りに切り替えて屋敷に急いだ。
「大谷さん!!?」
「おお、いつもより速いなァ」
「いやそれよりも…何か絶叫が…」
「絶叫?ああコレの事か」
「コレ…?」
玄関で乱雑に脱いだ靴が、左右どちらもひっくり返ったのを気づかずに、神子は大谷の元へ辿り着いた。
結局、息を切らした神子の心配を他所に、大谷は愉快そうに反応していた。
コレと呼ばれながら指を指された本人は、たまったもんではない。
「刑部!お前さんは食い物を粗末にする気か!?」
屋敷全体に響くのは充分な程大きな声で、男は怒鳴った。
「大谷さん。黒田さんに何を…」
「我は暗に餌をやってやっただけよ」
(餌って…)「饅頭を庭に投げたんですか?」
悪びれた様子もなく語る大谷に、神子は呆れた表情であった。
大谷の話や男…黒田官兵衛の説明から、神子は次の様に推測した。
神子が屋敷を出た直後に、居間で寛ぐ大谷の所へ黒田が来たらしい。
黒田は神子が居ない事にあからさま不機嫌になると、大谷に菓子を所望した。
対して大谷は神子が用意してくれていた饅頭を、黒田に存分に見せつけた後、霞んだ満月が見える縁側…即ち庭へ投げた。
それを必死にキャッチしようと、庭へ落っこちるのも考えずに黒田はダイブして先の状態になったのだった。
「大丈夫ですか黒田さん」
「ああ…庭の石っころに肘をぶつけなきゃな」
恐る恐る聞く神子に、黒田は唸る様に腕を見せながら言った。
黒田の言う通り、肘あたりには擦った傷が。
「肘に怪我が…黒田さん、良かったら手当てしますよ」
「いいのか!?ではお言葉に甘えるとしよう」
神子に怪我を見て貰う為、腕に手を添えられているのを、見せつける様に黒田は大谷を見た。
『ゴンッ』
「むごぉ!?」
黒田の笑みに大谷は近くの携帯(ちなみにの黒田の)を投げつけた。
顔面に
「な…何故じゃ~…」
軽く当たったと思ったが、どうやら黒田の携帯は一般の携帯と違って、頑丈に出来ているらしい。
土木工事を勤める黒田は、もしもの出来事で携帯が簡単に壊れない様、頑丈な携帯を選んだといつか神子は聞いていた。
「また怪我が増えてしまいましたよ大谷さん!」
「なに、ちと暗がナマイキだったのでな」
「黒田さん?黒田さーん?気絶してますよ」
「安静にさせておけ。石頭には大した事もなかろう」
「石頭は顔も含まれるんですか?」
「知らぬ」
その後、黒田は神子がいる機会を見計らって屋敷にやって来る様になった
,
「あ、醤油が切れてる…しかも油まで…」
大谷との夕餉を終えて、神子は食器の洗い物も済ませ、台所を整理していた。
調味料などか保管してある箇所の整理中、醤油と油が切れている事に気づいた。
(お店まだ開いてるかなあ…でも大谷さん一人にする訳にもいかないし)
空の醤油の容器を手にしながら、神子は大谷が居る畳部屋へ。
「大谷さん大谷さん」
「二度も呼ばれる程、難聴ではないぞ」
「なんとなくです。それよりお醤油と油が切れたので、買いに行くんですが」
「行けば良かろう。何故、我の許可を求める」
ぬしまで三成に成れば困る、と笑う大谷に神子は溜め息をつく。
「許可ではなくて…大谷さん一人で大丈夫か聞きに来たのですよ」
「我?我に留守番でも任せられぬのか」
「いえ留守番でもないんですが…」
このままだとスーパー閉店時間まで間に合わない気がした神子は、仕方なく大谷一人で待って貰う事にした。
「何かあったら私か三成くんに電話して下さいよ」
「あいわかった」
「なるべく直ぐに戻りますから」
「怪我をして戻って来い」
「怪我!?」
「冗談よジョウダン、ヒヒッ…」
大谷の冗談とは言い切れない言葉を受けた神子は、早足でスーパーに向かうのだった。
大谷宅の屋敷から近所のスーパーまで、歩いて十五分かかり早足で十分かかる。
それぐらい近いのは、やはり大谷の為である。
大焦りと言う程ではないが、軽く焦り気味で神子は醤油と油を買った。
(そう言えば最近は緑茶ばかりだったっけ…他のものを買おうか)
ついでにほうじ茶も買ったが。
「さて早く帰らないと。それにしても大谷さん、ほうじ茶飲んでくれるかな」
少し上がった息を整えて、神子は屋敷に向かう。
行きの時よりも早い足取りで。
「何故じゃ~~~!!!?」
「え!?」
屋敷まで残り数メートルまで差し掛かった瞬間、その屋敷から絶叫めいた声が響いた。
かなり驚きながらも、神子は早足から走りに切り替えて屋敷に急いだ。
「大谷さん!!?」
「おお、いつもより速いなァ」
「いやそれよりも…何か絶叫が…」
「絶叫?ああコレの事か」
「コレ…?」
玄関で乱雑に脱いだ靴が、左右どちらもひっくり返ったのを気づかずに、神子は大谷の元へ辿り着いた。
結局、息を切らした神子の心配を他所に、大谷は愉快そうに反応していた。
コレと呼ばれながら指を指された本人は、たまったもんではない。
「刑部!お前さんは食い物を粗末にする気か!?」
屋敷全体に響くのは充分な程大きな声で、男は怒鳴った。
「大谷さん。黒田さんに何を…」
「我は暗に餌をやってやっただけよ」
(餌って…)「饅頭を庭に投げたんですか?」
悪びれた様子もなく語る大谷に、神子は呆れた表情であった。
大谷の話や男…黒田官兵衛の説明から、神子は次の様に推測した。
神子が屋敷を出た直後に、居間で寛ぐ大谷の所へ黒田が来たらしい。
黒田は神子が居ない事にあからさま不機嫌になると、大谷に菓子を所望した。
対して大谷は神子が用意してくれていた饅頭を、黒田に存分に見せつけた後、霞んだ満月が見える縁側…即ち庭へ投げた。
それを必死にキャッチしようと、庭へ落っこちるのも考えずに黒田はダイブして先の状態になったのだった。
「大丈夫ですか黒田さん」
「ああ…庭の石っころに肘をぶつけなきゃな」
恐る恐る聞く神子に、黒田は唸る様に腕を見せながら言った。
黒田の言う通り、肘あたりには擦った傷が。
「肘に怪我が…黒田さん、良かったら手当てしますよ」
「いいのか!?ではお言葉に甘えるとしよう」
神子に怪我を見て貰う為、腕に手を添えられているのを、見せつける様に黒田は大谷を見た。
『ゴンッ』
「むごぉ!?」
黒田の笑みに大谷は近くの携帯(ちなみにの黒田の)を投げつけた。
顔面に
「な…何故じゃ~…」
軽く当たったと思ったが、どうやら黒田の携帯は一般の携帯と違って、頑丈に出来ているらしい。
土木工事を勤める黒田は、もしもの出来事で携帯が簡単に壊れない様、頑丈な携帯を選んだといつか神子は聞いていた。
「また怪我が増えてしまいましたよ大谷さん!」
「なに、ちと暗がナマイキだったのでな」
「黒田さん?黒田さーん?気絶してますよ」
「安静にさせておけ。石頭には大した事もなかろう」
「石頭は顔も含まれるんですか?」
「知らぬ」
その後、黒田は神子がいる機会を見計らって屋敷にやって来る様になった
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