麗ら
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前日の天候とうって変わって、雲が恋しくなるくらい快晴な今日。
昼食を終えて神子は食器の洗い物をし、大谷は何やら分厚い本を読んでいた。
いつも点いているテレビは沈黙しており、屋敷には水が流れる音と食器が合わさる音だけが響く。
(これが終わったら三時にでもお菓子を出そうかな…)
大きめの皿を洗い終わるのを切目に、神子は三時の軽食の菓子を出す為、近くの手拭いで手を拭いた。
『チリーン…』
「神子」
「分かってますよ」
鈴と思しき小さな音がし、本から顔を上げて大谷が神子を呼ぶ。
言われるまでもない様に、神子は返事をして玄関へと向かう。
玄関の扉には上部に鈴が付けられており、扉を開く事によって来客が現れたのを告げる。
その音は小さいが、神子にもしっかりと聞こえていた。
腕をまくったまま来客を迎えに出た神子を、大谷は一人で笑っていたが
「あれ、三成くんまた来てくれたの?」
「私が来て悪いのか」
玄関の扉を開き、鈴を鳴らした来客…石田三成は神子の言葉に、少し機嫌悪そうに反応する。
「ううん、いつもいつも大谷さんの為に悪いな…って意味ならそう思うけど」
「刑部の為だ。これぐらい苦でもない」
三成の不機嫌な顔は、正直言うと少しばかり恐ろしい。
しかし神子は怖がる所かニコニコと笑って返す。
大谷が言うには、この表情で睨まれただけで腰が抜けてしまった者が居たらしいが…
「大谷さんなら直ぐそこの居間で読書してるので。私はお茶とお菓子を持ってくるから」
玄関から廊下を歩き、台所まで三成を案内した神子は立ち止まる。
それから三成に大谷の居場所を教えた。
神子の言葉に三成は軽く頷くだけでさっさと大谷の元へ、行ってしまった。
再び三成の反応の怒る様子を見せず、神子は棚にある菓子と茶葉を探し始めた
「刑部!体は大丈夫か!?」
「三成か。良好よ、リョウコウ」
台所から畳部屋へ三成は早足で歩んだ。
台所と畳部屋の距離は、そんな大した長さではないのだが(むしろ大股数歩で着いてしまうくらい)三成は早足で来た。
そんな三成に大谷はいつも通りに返した。
「相変わらず本の虫だな貴様は」
「書ほど可笑しいものは、この目で見た事もないのでなァ」
来客の訪問で閉じられた分厚い本を、手に取りながら三成は大谷に言う。
そのやり取りはまるで兄弟の様だった。
現にこの二人は幼馴染み且つ、親友同士だが。
「きちんと何か口にしているか」
「やけに細いぬしに言われたくはないが」
「なっ…これでも秀吉様や半兵衛様の為に食事はしているつもりだ。あの頃よりは…」
「あの頃っていつですか?」
「!?」
「お茶とお菓子をお持ちしました」
不意に第三者の声により、三成が殺気を放ちながら振り向けば、そこにいたのはもちろん神子である。
「やれ神子。もうちと存在が分かる様にせい」
「すみません、三成くんとのお話が気になったもので」
神子の出現に三成程、驚いていない大谷を見るとこの屋敷ではいつもの事なのだろう。
「貴様…!私の背後に音もなく現れるな!」
「だって大きな音を出して邪魔したら、三成くんの事が聞けないし」
「私の事を嗅ぎ回るな!!」
「別に嗅ぎ回っていないんだけど。あ、大谷さんお茶どうぞ。それと今日は三色団子です」
「ふむ…我は先ほど昼餉 は済ました筈だが…」
「たまには早い軽食も良いじゃないですか」
台所から持ってきた茶と三色団子を差し出す神子。
まだ三時でもないのでごもっともな事を言う大谷だが嫌がっている様ではない。
「そう言えば三成くん、晴雅ちゃんは元気?」
「!!?」
「ヒヒッまるで鬼灯よ」
団子を頬張りながら神子が三成に問うと、聞かれた本人は大谷の言う通りに真っ赤であった。
さらにちょうど団子を口にしていた為、どうやら詰まった様だ。
「鬼灯にするだけでなく、喉もつまらせるとは…ヒヒヒッ」
「わ…わざとじゃありません!み、三成くん!お茶飲める!?」
可笑しそうに笑う大谷に慌てて反論しながら、神子はお茶を三成に渡す。
「貴様ぁ…よくもこの私を…」
「わ、わざとじゃないったら!助けて大谷さん!!」
茶で何とか喉の団子を流して、全快した三成は神子に幽鬼の如く駆けようとした。
だが神子はいち速く大谷の背に隠れた。
「三成よ、ちと落ち着け」
「どけ刑部!そいつを斬滅しなければ気がすまん!!」
「ならば、しばし我と神子の屋敷に訪問するのは御預けよ」
「!なに…!?」
今にでも大谷を押し退け、神子を斬滅せんとする勢いだったが、ある言葉で固まった。
それから三十分、三成は完全に停止状態であった。
「大谷さん…三成くんは大丈夫なんですか?」
「案じは無用よ。アレはちと停止しておるだけよ」
「そ…そうですか」
その後、三成は大谷に丸められて帰っていた。
訪問時より体がふらついていた三成を神子は心配していたのだった
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昼食を終えて神子は食器の洗い物をし、大谷は何やら分厚い本を読んでいた。
いつも点いているテレビは沈黙しており、屋敷には水が流れる音と食器が合わさる音だけが響く。
(これが終わったら三時にでもお菓子を出そうかな…)
大きめの皿を洗い終わるのを切目に、神子は三時の軽食の菓子を出す為、近くの手拭いで手を拭いた。
『チリーン…』
「神子」
「分かってますよ」
鈴と思しき小さな音がし、本から顔を上げて大谷が神子を呼ぶ。
言われるまでもない様に、神子は返事をして玄関へと向かう。
玄関の扉には上部に鈴が付けられており、扉を開く事によって来客が現れたのを告げる。
その音は小さいが、神子にもしっかりと聞こえていた。
腕をまくったまま来客を迎えに出た神子を、大谷は一人で笑っていたが
「あれ、三成くんまた来てくれたの?」
「私が来て悪いのか」
玄関の扉を開き、鈴を鳴らした来客…石田三成は神子の言葉に、少し機嫌悪そうに反応する。
「ううん、いつもいつも大谷さんの為に悪いな…って意味ならそう思うけど」
「刑部の為だ。これぐらい苦でもない」
三成の不機嫌な顔は、正直言うと少しばかり恐ろしい。
しかし神子は怖がる所かニコニコと笑って返す。
大谷が言うには、この表情で睨まれただけで腰が抜けてしまった者が居たらしいが…
「大谷さんなら直ぐそこの居間で読書してるので。私はお茶とお菓子を持ってくるから」
玄関から廊下を歩き、台所まで三成を案内した神子は立ち止まる。
それから三成に大谷の居場所を教えた。
神子の言葉に三成は軽く頷くだけでさっさと大谷の元へ、行ってしまった。
再び三成の反応の怒る様子を見せず、神子は棚にある菓子と茶葉を探し始めた
「刑部!体は大丈夫か!?」
「三成か。良好よ、リョウコウ」
台所から畳部屋へ三成は早足で歩んだ。
台所と畳部屋の距離は、そんな大した長さではないのだが(むしろ大股数歩で着いてしまうくらい)三成は早足で来た。
そんな三成に大谷はいつも通りに返した。
「相変わらず本の虫だな貴様は」
「書ほど可笑しいものは、この目で見た事もないのでなァ」
来客の訪問で閉じられた分厚い本を、手に取りながら三成は大谷に言う。
そのやり取りはまるで兄弟の様だった。
現にこの二人は幼馴染み且つ、親友同士だが。
「きちんと何か口にしているか」
「やけに細いぬしに言われたくはないが」
「なっ…これでも秀吉様や半兵衛様の為に食事はしているつもりだ。あの頃よりは…」
「あの頃っていつですか?」
「!?」
「お茶とお菓子をお持ちしました」
不意に第三者の声により、三成が殺気を放ちながら振り向けば、そこにいたのはもちろん神子である。
「やれ神子。もうちと存在が分かる様にせい」
「すみません、三成くんとのお話が気になったもので」
神子の出現に三成程、驚いていない大谷を見るとこの屋敷ではいつもの事なのだろう。
「貴様…!私の背後に音もなく現れるな!」
「だって大きな音を出して邪魔したら、三成くんの事が聞けないし」
「私の事を嗅ぎ回るな!!」
「別に嗅ぎ回っていないんだけど。あ、大谷さんお茶どうぞ。それと今日は三色団子です」
「ふむ…我は先ほど
「たまには早い軽食も良いじゃないですか」
台所から持ってきた茶と三色団子を差し出す神子。
まだ三時でもないのでごもっともな事を言う大谷だが嫌がっている様ではない。
「そう言えば三成くん、晴雅ちゃんは元気?」
「!!?」
「ヒヒッまるで鬼灯よ」
団子を頬張りながら神子が三成に問うと、聞かれた本人は大谷の言う通りに真っ赤であった。
さらにちょうど団子を口にしていた為、どうやら詰まった様だ。
「鬼灯にするだけでなく、喉もつまらせるとは…ヒヒヒッ」
「わ…わざとじゃありません!み、三成くん!お茶飲める!?」
可笑しそうに笑う大谷に慌てて反論しながら、神子はお茶を三成に渡す。
「貴様ぁ…よくもこの私を…」
「わ、わざとじゃないったら!助けて大谷さん!!」
茶で何とか喉の団子を流して、全快した三成は神子に幽鬼の如く駆けようとした。
だが神子はいち速く大谷の背に隠れた。
「三成よ、ちと落ち着け」
「どけ刑部!そいつを斬滅しなければ気がすまん!!」
「ならば、しばし我と神子の屋敷に訪問するのは御預けよ」
「!なに…!?」
今にでも大谷を押し退け、神子を斬滅せんとする勢いだったが、ある言葉で固まった。
それから三十分、三成は完全に停止状態であった。
「大谷さん…三成くんは大丈夫なんですか?」
「案じは無用よ。アレはちと停止しておるだけよ」
「そ…そうですか」
その後、三成は大谷に丸められて帰っていた。
訪問時より体がふらついていた三成を神子は心配していたのだった
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