物置というか供養所というか
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「…細すぎねぇか?」
仕事中にふらりとやってきて、名前の背後に回ったかと思ったら、あまりにも自然にするりと腰に手を回してきたこの男。
何を言いだすのかと思ったら、また唐突に訳のわからんことを…と、名前は目を細めて腹部に絡みついた二本の腕に目をやった。
「…ここのクルーたちに比べたら、そりゃあ細いでしょうね…」
突拍子もない発言はいつものことといえ、突然何を言い出すのか。比較対象がいないと出てこないであろう発言に、最近抱いた他の女に比べてとか?と考えた。しかしそれはそれで失礼な話である。
とはいえ名前は特に華奢なタイプでもなんでもない。なんならもっとスタイルの良い女の人をたくさん抱いてきているだろうに。一周回って嫌味ともとれる発言である。
「…それにしてもなぁ、」
「?!」
腰に回されていた手が、あろうことか名前の脇腹をさすりはじめた。反射的に拳に力が入る。これはグーでいっても怒られないだろう。
「…こんなに細いと、、、折れそうで怖いな」
「…折るような行為は謹んでください」
「………」
腰に回された腕はほどかれる気配もなく、再度名前の腹部をギュッと締め付けた。
本当に一体全体何がしたいんだこの人は、と、軽く溜息をつく。離してくれなさそうな雰囲気なので、後ろで黙って何か考え込んでる様子のシャンクスは無視することにして、この邪魔な腕を解く作業にかかることにした。まずは軽く組まれた手の指を一本ずつ外すことからだ。
最初に親指。思いの外簡単にほどけたのは、何か別のことにシャンクスの意識が持っていかれているからだろうか。この隙にサクッと逃げてしまおうそうしよう。
そして人差し指、中指、、、ゴツくて節くれだった指は、自分のそれとは全然違っていて。剣使い特有の節々の皮膚の厚み、長い指、名前の手などすっぽりと覆い隠せるほどの大きな手。
ふと、その人差し指を、自分の指に乗せて親指で撫でてみた。されるがままのその手の、形の良い爪は短く整えられていて、なんだか意外だなぁなんて思いながら、思わずジッと見入ってしまった。
(…男の人の、手だなぁ)
今まであまり意識していなかった、というかむしろ考えないようにしていたことに意識が向いた。
名前のことなど力ずくでいくらでもどうとでもできるこの手は、壊れものに触るように、ひどく優しく自分に触れる。
「…名前、」
お前、触り方がやらしいな」
その声にふと正気に戻り、反射的にその手をバッと離した。
危ない、いや私今何してた…?
「ひゃあ!」
後ろからうなじに口付けられ、思わず声が上がる。
チュ、というリップ音とともに唇が離れたかと思うと、イタズラそうな笑みを浮かべた顔と目があった。
この手に抱かれたら、なんて。
(…………一瞬でもエロいこと考えた自分が恥ずかしい…)
そうこうしているうちに、先ほど解いたはずのシャンクスの両手は、またしっかりと名前の腰を捕まえていた。
「…やらしいのはシャンクスさんの頭の中です」
「それはまぁ間違いねぇな」
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