冬のとある日

「あ……」
 空から舞い降りる、儚い結晶。
「雪だ……」
 それと同じ名を持つ愛しい少女に、青年は思いを馳せる。
「……帰ったら、電話でもするか」
 そうつぶやく青年の口元には、優しい笑みが浮かんでいた。

 同じ頃――

「あら、雪……月で降るのは珍しいわ」
 空から舞い降りる結晶に手をのばす少女がひとり。
「きっと、日本でも降っているのでしょうね……」
 少女はふと思う。
 自分と同じ名を持つこの結晶に、愛しい青年は自分を重ねてくれたりするのだろうか。
「……帰ったら、電話でもしてみようかしら」
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