花言葉は、

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「鬼舞辻無惨を倒してから、もう三ヶ月が経った。報告が遅くなってしまい、すまない。
 多くの犠牲を払ったが、生き残った者もまた多くいる。炭治郎、禰豆子、我妻に嘴平……それから、栗花落も。
 禰豆子は、無事に薬が効いて人間に戻ることができた。
 現役の柱で生き残ったのは、俺と不死川だけだった。悲鳴嶼さんも、伊黒も、甘露寺も、時透も……皆、最期まで全力を尽くしてくれた。
 ――胡蝶。もちろんおまえも」

「鬼舞辻を討ったあと、一度炭治郎が鬼になったんだ。
 人を殺してしまう前に炭治郎を討たねばと思ったが、日光もあかい日輪刀も効かなくてな……おまけに、隊員を襲おうとしたところに止めに入った禰豆子を噛んでしまった。
 あの時はもうだめだと思ったよ。
 だが、炭治郎は鬼舞辻の血に抗って、俺たちのところに戻ってきてくれた。
 おまえが栗花落に、藤の花から作った薬を渡していたんだろう? それがあったのもよかったらしい」

「花の呼吸の終ノ型を使ったことで、栗花落はほとんど視力を失くしてしまった。
 だが、伊黒の蛇が一緒にいて栗花落の目の代わりをしている。だから心配することはない。
 たしか……鏑丸と言ったか。とても賢い蛇だ。
 蝶屋敷の他の者たちも、元気でやっている」

「おまえの髪飾りは今、栗花落が大切に使っている。よく似合っていた。
 以前使っていたのは、胡蝶の……おまえの姉のものだったそうだな。あれは、上弦の弐との戦いで壊れてしまったらしい。
 今は宝物として大事に仕舞っていると言っていた」

「俺は右腕を失ってしまったが、このとおりちゃんと生きている。
 二月に誕生日を迎えて、二十二になった。俺は痣の者となったから、長くてあと三年ほどの命だろう。
 皆が繋いでくれた命……必ず最期までまっとうする」

「ようやく、片腕での生活にも少し慣れてきたところだ。
 箸はもう左手で使えるようになった。今は字が書けるよう練習をしている。だが、着替えはまだ少々難儀だ……。
 髪は短くした。もう、自分で結ぶのは無理だからな。
 片腕だと、動く時に体の均衡を取るのも以前のようにはいかなくなった。まだ傷が完治していないこともあって、慣れるまでは慎重に動くようにと言われている。
 実は、今日ここまで来る間にも、何度か転びそうになってしまったんだ……神崎に知られたら叱責されるかもしれないな」

「先日、最後の柱合会議があった。
 鬼殺隊は解散した。
 もう、人を害する鬼はいない。もう、鬼殺の剣士は必要ない。
 ……ようやくすべて終わったんだ、胡蝶」

「輝利哉様は、最後まで立派にお館様としての務めを果たされたよ。
 くいな様も、かなた様も……すぐには難しいだろうが、あの方たちにはこれから年相応の子どもとして穏やかに暮らしてほしいものだ」
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