花言葉は、

  *

「神崎。房藤空木の花言葉を知らないか」
「房藤空木の花言葉……ですか?」

 最終決戦後――蝶屋敷で療養中だった義勇が、ようやく自力で起きあがれるようになった頃。
 病室まで食事を運んできてくれた神崎アオイに尋ねてみると、彼女は驚いたように目をしばたたかせた。
「水柱様……花言葉に関心がおありなんですね」
 意外だとでも言いたそうなアオイの口ぶりに内心苦笑しつつ、義勇はわけを告げる。
「いや、以前、胡蝶に調べてみろと言われたことがあってな……そのままにしていたのを思い出したんだ」
「しのぶ様が……そうでしたか……」
 今は亡き屋敷の主の名に、アオイの顔が寂しそうにくもる。しかしそれを打ち消すようにかぶりを振ると、彼女はいつものきりりとした表情に戻って答えを口にした。

「房藤空木の花言葉は――」

 アオイが退室したあとの病室で、義勇はひとり声を殺して泣いたのだった……。
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