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お試し期間

ハッキリしない態度に新一が痺れを切らす。


平次の右手を取り、それをマジマジと見つめる。
取られた本人は真っ赤な顔で行く末を見守っている。

「………………。」

「……工藤…?」

やがて新一はその手の甲にそっとキスをした。

意図が分からずメダパニ状態の平次に


「俺、お前の“手”が好きだ。……今はそれしか言えねーし、分かんねー。」
と告げた。

言いながら新一の耳は赤く…相手の顔を見る余裕は感じられない。

そう言われて…どうしたもんかと態度を決めかねている平次は


「そんなら…、そんなら先ずはお試し下さい。」

それが精一杯の口説き文句だった。

その台詞に初めての唇の感触を思い出して

「!…………バーロォ。」

と新一ははにかんだ……




END
 
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