幾星霜
おなまえ
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「わっ!レンごめん…!」
「はい止めるよ。どうした?」
Wonder☆Rondo。
彼らST☆RISHがアプリゲームになって早2年、それを祝って制作された楽曲だ。次のライブで披露することになっているこの曲は既に振りは落とし終え、最終の調整に入る時期。
「ごめん…回るの失敗してレンに当たっちゃった。」
「大丈夫、オレも少しイッキの方に寄ってたかも。ごめんね。」
「…いけそう?じゃあもう一回、最初から。」
ST☆RISHらしい、明るく華やかなデジタルサウンド。春歌から送られてきた音源を聴いてすぐ、センターは音也に決めた。久しぶりにマイクフリーで良いと聞いていたから、身体を存分に使ったダイナミックなパフォーマンスを多く入れている。
「…ッ!」
「わあ!」
「! 止めるよ。どうした?」
「ゴメン…俺動線間違えたかな?セシルとぶつかりかけて…」
「スミマセン。もう一度やらせてもらえますか?」
「了解。次やったら休憩いれるから、集中して。」
どうにも、音也の調子が芳しくない。
ST☆RISHの中でも飛び抜けて運動神経の良い音也と翔は、毎回大きく動線を引いてステージの上を駆け回ってもらっているのは確かだが、誰かとぶつかるなんて事はこれまで一度もなかった。
「え〜っと…レン、Bメロのところ少しずれてたかな、映像撮ってるから確認して。真斗、全体的にもうちょっと振り大きくできない?それからトキヤ、リズムは完璧なんだけど完璧すぎて逆に浮いてる。もう少し肩の力抜いて。」
「なあ三日月、俺のBメロんとこ…」
「はいはい、翔のあそこは…」
3度目にして、ようやく1度通せた。
休憩を言い渡したものの、この時間はダメ出しに溶けてしまうだろう。こちらから出す以外にも、彼らの方から詰めてくる。
「音也。」
「…ん、」
いつもは1番に寄ってくる音也が鏡の前でずっと振りを返しているのを見つけ、こちらに呼び出す。
「休憩。」
「でも俺…」
「 休 憩 」
「ヴッ…ハイ…」
きっと自分でもわかっているのだろう。
今の音也に、ダメ出しなんてない事。
もっと正確に言えば、ダメ出しを出すレベルにすらない、ということ。
「……さて、どうしよっかな。」
ライブまで残り2週間、全員でスタジオで振りを確認できるのはあと2.3回だろう。メンバーたちも明らかに音也のフォローに回っているが、それでも追いついていない。音也もそれを承知している動きだ。
「ふむ…トキヤ、ちょっと。」
「なんです?」
「最近、音也なんかあった?」
「…それが分かれば苦労はないですよ。アレは自分の悩みを人に打ち明けることをしませんからね。私や翔がそれとなく探りを入れても躱されるばかりです。」
「そう。じゃあ回りくどいことしてないで直接叩こうかな。」
「……お手柔らかに。」
「それは音也次第ね。」
「はい止めるよ。どうした?」
Wonder☆Rondo。
彼らST☆RISHがアプリゲームになって早2年、それを祝って制作された楽曲だ。次のライブで披露することになっているこの曲は既に振りは落とし終え、最終の調整に入る時期。
「ごめん…回るの失敗してレンに当たっちゃった。」
「大丈夫、オレも少しイッキの方に寄ってたかも。ごめんね。」
「…いけそう?じゃあもう一回、最初から。」
ST☆RISHらしい、明るく華やかなデジタルサウンド。春歌から送られてきた音源を聴いてすぐ、センターは音也に決めた。久しぶりにマイクフリーで良いと聞いていたから、身体を存分に使ったダイナミックなパフォーマンスを多く入れている。
「…ッ!」
「わあ!」
「! 止めるよ。どうした?」
「ゴメン…俺動線間違えたかな?セシルとぶつかりかけて…」
「スミマセン。もう一度やらせてもらえますか?」
「了解。次やったら休憩いれるから、集中して。」
どうにも、音也の調子が芳しくない。
ST☆RISHの中でも飛び抜けて運動神経の良い音也と翔は、毎回大きく動線を引いてステージの上を駆け回ってもらっているのは確かだが、誰かとぶつかるなんて事はこれまで一度もなかった。
「え〜っと…レン、Bメロのところ少しずれてたかな、映像撮ってるから確認して。真斗、全体的にもうちょっと振り大きくできない?それからトキヤ、リズムは完璧なんだけど完璧すぎて逆に浮いてる。もう少し肩の力抜いて。」
「なあ三日月、俺のBメロんとこ…」
「はいはい、翔のあそこは…」
3度目にして、ようやく1度通せた。
休憩を言い渡したものの、この時間はダメ出しに溶けてしまうだろう。こちらから出す以外にも、彼らの方から詰めてくる。
「音也。」
「…ん、」
いつもは1番に寄ってくる音也が鏡の前でずっと振りを返しているのを見つけ、こちらに呼び出す。
「休憩。」
「でも俺…」
「 休 憩 」
「ヴッ…ハイ…」
きっと自分でもわかっているのだろう。
今の音也に、ダメ出しなんてない事。
もっと正確に言えば、ダメ出しを出すレベルにすらない、ということ。
「……さて、どうしよっかな。」
ライブまで残り2週間、全員でスタジオで振りを確認できるのはあと2.3回だろう。メンバーたちも明らかに音也のフォローに回っているが、それでも追いついていない。音也もそれを承知している動きだ。
「ふむ…トキヤ、ちょっと。」
「なんです?」
「最近、音也なんかあった?」
「…それが分かれば苦労はないですよ。アレは自分の悩みを人に打ち明けることをしませんからね。私や翔がそれとなく探りを入れても躱されるばかりです。」
「そう。じゃあ回りくどいことしてないで直接叩こうかな。」
「……お手柔らかに。」
「それは音也次第ね。」
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