答え合わせ
your name?
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沈みかけた夕日が幸次郎の部屋の窓に射し込む。
幼なじみの部屋にくつろぎにきたのだった。
ベッドでサッカー雑誌を読んでいると私の隣に腰掛ける幸次郎。
雑誌に夢中でその距離が妙に近いことを気にしなかった。
「…なあ」
「んー?」
「…………キスしても、いいか」
「…………えっ」
唐突すぎて頭が追いつかなかった。
雑誌から顔をあげて目だけ幸次郎の方を向くと頬にキスをくらう。
いろんな意味でドキッとした。
「いいとか何も言ってないんだけどっ」
「唇じゃないから別にいいだろう」
「良くないっ」
私たちは恋人でもなんでもなく、ただの幼馴染だ。
キスをするなんてありえない。
好奇心なのだろうか。
なんだか今日の幸次郎は変だ。
大きいライオンに詰め寄られてる感じに……
幸次郎の左手が私の後ろで沈む。
さらに距離が近くなる。
「ねぇ…待って、ちょっと今日なに」
多分私の頬は赤くなっているだろう。
意識しているみたいで恥ずかしい。
ジリジリと距離を縮めようとする彼の胸に手をつく。
声音は落ち着いていると思っていたが、ついた手から大きく少し速い鼓動が伝わってきた。
幸次郎の顔色は部屋が薄暗いせいでよく見えないが、目つきが変だ。
「好きだ」
「えっ」
突然のストレートな告白に目を見開いた。
が、不思議と驚かなかった。
心の中でお互いがお互いを好いていると感じていたからだった。
友達として、いや、それ以上の好意を。
「嫌なら逃げろ、抵抗してくれ」
「…っ」
暑い季節でもないのに、緊張と期待でじわりと額に汗をかくのが分かった。
彼の胸についた手の力が自然と徐々に抜けてく。
逃げない私に幸次郎は静かにキスを落とした。
「んっ…………」
肩を抱かれてそっとキスをされる。
初めてだったけど、まさか幸次郎とするなんて思わなかった。
離れたかと思うと唇を舐められる。
そのまま幸次郎の熱い舌が私の口を割って入ってくる。
口内がゆっくりとかき乱されて、頭がぼうっとしてきた。
呼吸も少しずつ荒くなり、頭はもう幸次郎の事しか考えなくなっていた。
「んっ……はぁ、こ、じろ…っ」
「…今なら後戻り出来るぞ」
うまく答えられなくてふるふると頭を横に振る。
幸次郎を想う気持ちが止まらない。
熱い顔をあげて、幸次郎の青藍の瞳を見つめた。
「すき……わたしも……」
「!」
幸次郎は少し驚いたような表情を浮かべると、口元をきゅっと結び、私の肩をそっと押し倒した。
私の頭の横で幸次郎の左手が伸び、そのまま彼は肘をつき私に覆いかぶさる。
お互いの息がかかるほどの顔の距離、絡む視線。
あぁ、もう逃げられない。
そう悟ると、せり上がる背徳感と期待に余計に興奮してしまう自分がいた。
「本当にいいんだな、○○」
幸次郎の低くて落ち着いた声に胸が高鳴った。
彼の声だけでなく、私に触れる手、唇、幸次郎の存在全てが心地良い。
「…いいよ、幸次郎」
私の言葉を合図に、触れ合っていく二人の身体。
お互いの意識が快楽に溺れていく頃、外の夕日はとっくに沈み、深い夜が訪れようとしていた。
-END-
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