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第4時間目「焦るな」

 生徒たちは体育着に着替えてヒーロー科専用の施設に向かった。
走太(父さんに近づくための1つ目の試練だ。気を引き締めないとね。)
走太の父は、プロヒーローメテオ。走太にとって一番の憧れである。走太が雄英高校に入ったのも、彼の父が雄英高校ヒーロー科で高校生活を送ったからだ。
 さて、A組はヒーロー科専用の施設に到着した。学校にある施設としては極端に大きすぎる建物に、生徒たちは驚きを隠せなかった。
大地「随分と大きいなぁ!月宮さん、これは富士山の何個分だべか!?」
月宮「いや確かにこの施設はデカすぎるけど、富士山までの大きさなんてあるわけないじゃないか。」
早速ボケをかました田舎弁の男は古代大地。彼の個性はダーウィン。これは火の中、水の中、煙の中など、普通人間が入ったら死ぬようなところに入っても大丈夫という個性だ。
大地「さっすが月宮さんだぁ!オラ田舎もんだから、でっけーもんは富士山しか知らねぇだよ!」
月宮「入試問題で、日本アルプスの山の名前を答えろって出たの、覚えてないのかい?」
正論で返している男は月宮光。彼の個性はフラッシュだが、相当クソ個性である。なぜなら指先で眩い光を出すだけの個性であり、残念なことに使いすぎると指先を火傷してしまうのだ。
マリア「みんな、建物の紹介をするわ。この施設の名前はー」
走太「嘘の災害や事故ルーム、略してU S Jですか!?」
走太はマリアの言葉に被せるように答えた。USJについては父から何回も聞かされたことがあるのだ。しかしマリアは顔を横に振った。
マリア「実はその施設を5年前に改装したのがこの建物なのよ。せっかくだからということで、改名もしたのよ。新しい名前は突然の災害や事故もできるルーム。略してTDRよ!」
      (あーそっちねー)
好きなテーマパークと言えばで、USJとTDRで真っ二つに分かれるだろう。それはさておき、マリアが静かなトーンで言った。
マリア「今からヒーロー相応試験を始めるわ。みんな覚えていると思うけど、この試験に不合格になったら在学取り消しよ。」
緊迫した空気が包み込む。
マリア「試験内容は人助けよ!この建物に事故や災害にあって動けない人がいるから、その人たちを助けるのがあなたたちに与えられた試練。さあ、始め!」
マリアの声で試験が始まった。全員被災者や被害者を探しにいく。だが
髪木「おいおい!これじゃ先に進めねぇじゃねーかっ!」
いきなり生徒たちに出された最初の試練。それは災害で砕けてしまった岩の山を越えることだった。
翼「俺なら飛んで超えられるけれどな。」
剛「それだったらボクはすり抜ければ通れるよ!」
月宮「いやいや、君たちだけが良くてもだめだよ。」
翼、剛「「ですよねー。」」
竜騎「なんだよー!こんなの俺のドラゴンたちでバラバラに砕いてやるよ!そしたらみんな通れるだろ!」
ドラゴンたち「シャーッ!!」
そして、竜騎のドラゴンたちが岩を砕こうとしたその時。1人の男が危険に気づいたのだ。
花夫「待て。岩を砕くな。」
せっかちな竜騎は「砕かねーと進めねぇだろ!」と焦っていた。だが、竜騎を止めた男は何も焦らずに言う。
花夫「よく耳を済ませ。」
竜騎は在学取り消しを恐れて焦っていて男の言葉がどういうことか分からなかった。だが、妖子が何かに気づいた。
妖子「みんな!岩の中から人の声が聞こえるわ!」
全員静かにしてよく耳を澄ます。すると確かに聞こえた、女性の、助けを求める声が。砕けた岩の山の中に埋まっていたのだ。
花夫「あの!今あなたを助けます。待っていてください!」
女性は安心したようで「はい!」と返事した。そして男はゆっくり、みんなに聞かせるように言った。
花夫「もし龍ヶ崎くんがあのとき岩を砕いていたら、あの女性は死んでいたんだ。確かに龍ヶ崎くんが焦る気持ちも痛いほど分かる。だが、そんな時でも冷静に、主観的にならず客観的になるのも大事ってやつだな。」
竜騎は「すまねぇ…。」と言って、岩から離れた。男は砕けた岩の山のてっぺんを指さした。
花夫「上の岩から取っていくのはどうだろうか。そしたら安全に岩をどかすことができるだろう。」
すると彼は近くにたまたま生えていた短くてヒョロヒョロな草に「力を貸してくれ。」と言った。その時周りは、コイツはぬいぐるみの気持ちがわかるみたいな痛いヤツなのではないかと心配になった。だが彼に話しかけられた草は人間のように頷いたのだ。目を丸くする周り。それをみて男は面白そうに笑った。
花夫「私は個性の影響で、草花と話せるんだよ。」
その時周りは、草花にも心がある、まるでファンタジーのような世界の話が現実にもあったんだと初めて知った。男はみんなが驚くのも今までの経験で分かっていたらしい。
花夫「自己紹介がまだだったな。私は植木花夫だ。個性は生長。今から自分がどのような個性か分かる。」
花夫という男は草に命令した。
花夫「さあ行け!」
小さくてヒョロヒョロだった草は急に生長し始め、花夫の身長を越して、周りに生えている木々も抜かし、遂には砕けた岩の山のてっぺんまで生長した。草の太さも太くなり、さっきまで枯れてしまいそうだったのも嘘みたいに立派になった。そして草は器用に一個の岩に絡みつき、ゆっくり持ち上げて運び地面に下ろした。周りは感心して、一部は拍手も送っていた。
亜理子「私もやるわ!常にトップでいなければならないもの!」
亜理子は花夫の個性を使って草木を操り始めた。花夫にら劣らない見事な業である。
花夫「この個性使ったのは初めてかな?随分と上手に草花を操れるんだな。」
亜理子「だって私はすごいもの!どんな個性だって私にかかればお手の物よ!」
花夫は亜理子のポテンシャルに感心していた。
竜騎「あーっ!俺もやるやる!」
髪木「俺もだぞ!」
全員が岩を一個ずつ、ゆっくり、慎重に下ろしていき、あっという間に下ろし終わってしまった。そして助けを求めていた女性の姿が見えたのだ。その頃生徒たちを見ていたマリアは「なかなかやるじゃない。」と微笑みながら感心していた。
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