日向ごっこ
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慊人が紅葉と春の入学式に行くと言い出した。とてつもなく違和感を覚えたので「入学おめでとうって言ってみて?ちゃんと言える?」と言うとめちゃくちゃ怒られて私はお留守番になった。
「大丈夫かな」
「まあ、帰って来るまでにはおまえへの怒りも収まってるだろう」
「そうじゃなくて、由希の方」
「紫呉がついている。………が、あてにはならんな」
「紫呉にいさん…」
なに考えてるんだろうあの人。いや、そこまで興味ないけどとりあえず私への態度を緩和してほしい。話が逸れた。
「大っぴらに庇ったら逆効果だしなぁ。本当に慊人めんどくさい」
「本人に言うなよ」
「もう何回もいってる」
「…………」
おまえは…とはとりの顔が言っていた。ちなみに当の慊人の反応は「うるさい」「おまえには言われたくない」「どうせ僕は面倒くさいよ」の大まかに分けて三種類だ。自覚してるなら治して慊人。最後の言葉に対してこれを言ったらしばらく口きいてくれないから禁句扱いになっている。慊人めんどくさい。
由希に接触する前に私が慊人を怒らせてさっさと本家に帰ろう作戦が。まさか本家から出る前に破綻すると思ってなかった。素で慊人怒らせちゃった。
「そういえば去年の由希の入学式ってあーやは行ったの?」
「行けるわけないだろう」
「ええ…まだひよってるのあーや…」
普段のあーやは自信満々を通り越して自信過剰の域まで突き抜けているのに、昔の自分のやらかしのせいで未だに由希と接するのが怖いらしい。
「あのあーやをそこまでにするなんて由希ってすごいね」
「感心するところじゃない」
ため息混じりにはとりが言う。はとりは否定するけどなんだかんだ言ってはとりは紫呉にいさんとあーやを大事な友達と思ってる。まあ扱いは雑だけどそこは二人の日頃の行いのせいだから仕方ない。
優しいはとりは由希とあーやの事も気にかけてるはずだ。多分。
「うーん、一応あーやに連絡しとくね」
携帯を出してあーやにメールを打つ。電話か迷ったけどいつものテンションならともかく、由希関連のあーやはちょっと反応に困るからメールで。
「…携帯持っていたのか?」
少し驚いた顔をしていたのでメールを打つ手が思わず止まってしまった。
「だ、駄目なの?」
「駄目じゃないが…」
「その含みなに…」
びっくりした顔のはとりなんてレア中のレアだ。その上少し考え事をするかのように、はとりはすっかり黙りこんでしまった。何言われるか分からなくて心臓が嫌な音を立て始める。ええ…なに…こわ…。おまえにはまだ早いって感じかな。ドキドキしながら適当に予想を立てていると「ああ、」と納得したような声を出した。
「おまえと電話やメールのやり取りをした覚えがないと思ったが、そもそも必要なかったな」
「えっひどっ!」
「毎日顔を合わせているのにわざわざ機械を通す必要ないだろう」
「……たし、かに?」
交流ツールを全否定する言葉だった。多分そのわざわざが大事で、友達とか恋人とかなんてないやり取りするのが楽しいんじゃないかな。たとえ毎日会っていたとしても。そう思ったけど私とはとりは友達でも恋人でもなかった。
「確かにいらないねぇ」
腑に落ちて、そう一言返した。携帯画面に意識を戻して再びメール作成をする。
いつもならあまり時間をかけないで送れるのに、その時だけは送信するまで時間がかかってしまった。
「大丈夫かな」
「まあ、帰って来るまでにはおまえへの怒りも収まってるだろう」
「そうじゃなくて、由希の方」
「紫呉がついている。………が、あてにはならんな」
「紫呉にいさん…」
なに考えてるんだろうあの人。いや、そこまで興味ないけどとりあえず私への態度を緩和してほしい。話が逸れた。
「大っぴらに庇ったら逆効果だしなぁ。本当に慊人めんどくさい」
「本人に言うなよ」
「もう何回もいってる」
「…………」
おまえは…とはとりの顔が言っていた。ちなみに当の慊人の反応は「うるさい」「おまえには言われたくない」「どうせ僕は面倒くさいよ」の大まかに分けて三種類だ。自覚してるなら治して慊人。最後の言葉に対してこれを言ったらしばらく口きいてくれないから禁句扱いになっている。慊人めんどくさい。
由希に接触する前に私が慊人を怒らせてさっさと本家に帰ろう作戦が。まさか本家から出る前に破綻すると思ってなかった。素で慊人怒らせちゃった。
「そういえば去年の由希の入学式ってあーやは行ったの?」
「行けるわけないだろう」
「ええ…まだひよってるのあーや…」
普段のあーやは自信満々を通り越して自信過剰の域まで突き抜けているのに、昔の自分のやらかしのせいで未だに由希と接するのが怖いらしい。
「あのあーやをそこまでにするなんて由希ってすごいね」
「感心するところじゃない」
ため息混じりにはとりが言う。はとりは否定するけどなんだかんだ言ってはとりは紫呉にいさんとあーやを大事な友達と思ってる。まあ扱いは雑だけどそこは二人の日頃の行いのせいだから仕方ない。
優しいはとりは由希とあーやの事も気にかけてるはずだ。多分。
「うーん、一応あーやに連絡しとくね」
携帯を出してあーやにメールを打つ。電話か迷ったけどいつものテンションならともかく、由希関連のあーやはちょっと反応に困るからメールで。
「…携帯持っていたのか?」
少し驚いた顔をしていたのでメールを打つ手が思わず止まってしまった。
「だ、駄目なの?」
「駄目じゃないが…」
「その含みなに…」
びっくりした顔のはとりなんてレア中のレアだ。その上少し考え事をするかのように、はとりはすっかり黙りこんでしまった。何言われるか分からなくて心臓が嫌な音を立て始める。ええ…なに…こわ…。おまえにはまだ早いって感じかな。ドキドキしながら適当に予想を立てていると「ああ、」と納得したような声を出した。
「おまえと電話やメールのやり取りをした覚えがないと思ったが、そもそも必要なかったな」
「えっひどっ!」
「毎日顔を合わせているのにわざわざ機械を通す必要ないだろう」
「……たし、かに?」
交流ツールを全否定する言葉だった。多分そのわざわざが大事で、友達とか恋人とかなんてないやり取りするのが楽しいんじゃないかな。たとえ毎日会っていたとしても。そう思ったけど私とはとりは友達でも恋人でもなかった。
「確かにいらないねぇ」
腑に落ちて、そう一言返した。携帯画面に意識を戻して再びメール作成をする。
いつもならあまり時間をかけないで送れるのに、その時だけは送信するまで時間がかかってしまった。