日向ごっこ
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杞紗と燈路と一緒に由希達の文化祭にやってきた。一年ぶり。前は紅葉とはとりとだったなぁと思いつつまるで犯行声明のような見た目の入り口をみる。燈路が微妙な顔してる。この学校自由だな。
「楽しみだね……お姉ちゃん達の劇……っ」
「あの入り口ぐらいふざけた内容なんじゃない? それよりも周りには十分気をつけてね杞紗」
「え……大丈夫だよ燈路ちゃん……っ。けっこう人多いけど……ぶつかったりなんかしないよ」
杞紗はにこにこ笑顔で言う。立派な決心だけど周りをみたら違うんだよなぁ。中学生を狙うんじゃない高校生よ。杞紗を狙ってる高校生達とパチリと目を合わせてニコリと笑う。顔が赤くなった。よし。燈路。ナマエ姉がこの顔面力で杞紗に向かう不埒な目線を撲滅してあげるからね。杞紗に直接向かって来られても困るし。
そんな事を考えてると春が現れてひょい、と杞紗を抱っこした。
「きゃ……っ」
「あ゛っ!」
「やっほーナマエ、キサ、ヒローっこっちこっちー」
「皆浮かれて積極的だから気をつけないと……ナマエに恋泥棒させてたら誰かさんが怒る……」
「えっ」
これはとり怒るの? 杞紗への緊急回避作戦ですよ? そう思って首を傾げると紅葉と春がうんうん頷く。怒るらしい。逆で考えてみた。はとりが女の子達に意味ありげに微笑む姿。はい、絶対に駄目です。この作戦中止。燈路ごめん。無理でした。
「ナマエなんか前より色っぽくなってるから大量にホイホイできそうだし……」
心当たりありすぎて石みたいに固まった。春くんさ、ちょっと君鋭すぎませんか? バレてないよね? 内心冷や汗をかきながら由希達の教室に案内してもらう。
「席とってあるけどちゃんと始めっから録んなくちゃっ」
「録ってどうする訳……ってそういえば何の劇やるんだったっけ?」
「“シンデレラっぽいもの”!!」
「……“ぽいもの”って何……」
「“シンデレラっぽいもの”ってコト……」
「だからっ“ぽいもの”って何!!」
燈路のツッコミは席についてから分かった。題名「シンデレラっぽいもの」これは色物の匂いがする。その予想通りシンデレラは王子を許すまじとか舞踏会場燃やしてとか言ってるし、焼き肉に対する執念強いし、王子はバトルでも挑むんか? って感じでダンス誘うし、それをシンデレラ鼻で笑うし、断られた王子は安心するし。最終的にシンデレラは継姉と焼き肉屋経営した。すごい終着点に降り立ったな。
「……で何の話だったわけ……?」
「だぁから~っ」
「シンデレラっぽいもの……」
「これは“っぽいもの”だわぁ」
本当に自由だなこの学校。
****
紅葉と春と杞紗と燈路で透ちゃんを学校内を探し回って発見した。杞紗がパタパタ走って透ちゃんにしがみつく。相変わらず仲良しだ。
「ナマエさん、杞紗さん、燈路さんもいらして下さって……嬉しいですっ」
「お姉ちゃん……可愛かった」
「ビデオにちゃーんと録ったからぁあとでまたみんなと見ようねーっ」
そう言って紅葉と透ちゃんは何かひそひそ話を始めた。なんだろ? まあいいけど。どっちかと言うとモゲタ? だっけ。モゲタの着ぐるみをジッとみてついて行きそうな杞紗と燈路を見とかないといけない。杞紗が握手してもらってるのは可愛いけど。
「ジッチャンはいつも一人!!」
本当に何の話してるんだろう。気になってくる台詞いうのやめて。まざってるよ紅葉。
そんなこんなで紅葉と春もクラス当番の交代の時間になったらしい。私達の案内は透ちゃんがしてくれると。ありがとうね、と頭を撫でると「お任せくださいっ」と胸をはって返ってきて微笑ましくて笑みがこぼれた。まあこっそり杞紗と燈路は私が見てるから友達と遊びに行ってもいいんだよ? と伝えたけど。
「いえっ……いえっ大丈夫なのですよっ」
「そう?」
「はいっ」
すると春が杞紗の頭に手を乗せて透ちゃんに話しかける。
「杞紗……気をつけてあげて……ナマエもいるけど……」
「はいっかしこまりましたっ」
「……燈路も」
「え!?」
「可愛いから気をつけて」
「なっなんだよソレ!! ……っ春兄って……っ優しいよねホント……誰にでもムダに……っ! でもそういう優しさ がリンを悲しませたのかもしれないよね……っ」
ポカンとする杞紗と透ちゃん。ついでに私。なんでリンの話に繋がるの?
「なんでそこでリンの名前が出てくんの……? 燈路……。燈路おまえ、まさか……リンにホレてんの?」
「!!? んなっな、な何言って……本気でそんなコト言ってる訳!? ぶぁっかじゃないの!? ほっといて行こう!! 杞紗!!」
「あ……っ」
「こらヒロー言い出しっぺでしょー」
「燈路も人混み気をつけなきゃいけないの忘れてるなあれ。からかいすぎよ春」
「言ってみただけ……」
「美味しいもの食べたら機嫌なおるかな?」
「ではっ焼きそばでも買ってきましょうっ!」
「ごめんけど杞紗と燈路と透ちゃんの分買ってきてくれる? 私の分はあとで自分で何か買うから」
「はい! もちろんですっ」
「あと私の財布持っていっていいよ透ちゃん。今日の案内代で私がみんなの分奢るから」
そう言って透ちゃんに財布を押し付ける。「ええっそんな!」と慌ててるけどごめんけど無視だ。強引にいかないとこの子絶対遠慮する。
「よし杞紗、燈路追いかけるぞ! 入り口近くにいるからー! 財布ちゃんと減ってるかチェックするからねー!」
「う、うん……っ」
「ナマエさーん……っ」
透ちゃんの言葉を背に杞紗を人混みから守りながら燈路のあとを追いかけた。
***
「燈路ー!」
「………」
「こら! 燈路! 杞紗のボディーガード役、私が奪ってもいいのか!」
「!!」
その言葉でこっちを振り返る燈路。やっと我に返ったらしい。気まずそうな顔でこっちにやってくる。
「ごめん……杞紗」
「ううん……っ大丈夫だよ……っ」
「ナマエ姉もごめん……」
「ん。分かったのならいいよ」
頭を撫でるとふにゃりと眉を下げる燈路。自分のやらかしに自分で少し参ってるみたいだ。でも自省できるようになってるからな燈路は。それだけで成長だ。
「座ってみんなで透ちゃん待ってよ」
「お姉さん、お暇ですか!?」
「うん?」
背後からの声に振り返ると顔を真っ赤にした男子生徒がいた。
「お暇じゃないよ」
「あの、だったら連絡先を!! 運命感じちゃったんです!」
運命か。熱烈だなこの子。ちょっとやそっとじゃ引かなそう。……仕方ない。
杞紗を左手で抱きしめ、右手で燈路の頭に手を置いてにっこりする。
「こんな大きな二人の子持ちに運命なんて言葉使っちゃいけないわ」
「子、持ち……?」
「なんなら高校生の娘もいるの。今からやってくるけど見る?」
「イエ……ダイジョウブデス」
灰になりつつ男子生徒は去っていった。よし穏便にすましたぞ。ふーっと息を吐いてると右側の燈路から「ナマエ姉、嘘の付き方が大胆すぎる……」とほめ言葉をもらった。
「楽しみだね……お姉ちゃん達の劇……っ」
「あの入り口ぐらいふざけた内容なんじゃない? それよりも周りには十分気をつけてね杞紗」
「え……大丈夫だよ燈路ちゃん……っ。けっこう人多いけど……ぶつかったりなんかしないよ」
杞紗はにこにこ笑顔で言う。立派な決心だけど周りをみたら違うんだよなぁ。中学生を狙うんじゃない高校生よ。杞紗を狙ってる高校生達とパチリと目を合わせてニコリと笑う。顔が赤くなった。よし。燈路。ナマエ姉がこの顔面力で杞紗に向かう不埒な目線を撲滅してあげるからね。杞紗に直接向かって来られても困るし。
そんな事を考えてると春が現れてひょい、と杞紗を抱っこした。
「きゃ……っ」
「あ゛っ!」
「やっほーナマエ、キサ、ヒローっこっちこっちー」
「皆浮かれて積極的だから気をつけないと……ナマエに恋泥棒させてたら誰かさんが怒る……」
「えっ」
これはとり怒るの? 杞紗への緊急回避作戦ですよ? そう思って首を傾げると紅葉と春がうんうん頷く。怒るらしい。逆で考えてみた。はとりが女の子達に意味ありげに微笑む姿。はい、絶対に駄目です。この作戦中止。燈路ごめん。無理でした。
「ナマエなんか前より色っぽくなってるから大量にホイホイできそうだし……」
心当たりありすぎて石みたいに固まった。春くんさ、ちょっと君鋭すぎませんか? バレてないよね? 内心冷や汗をかきながら由希達の教室に案内してもらう。
「席とってあるけどちゃんと始めっから録んなくちゃっ」
「録ってどうする訳……ってそういえば何の劇やるんだったっけ?」
「“シンデレラっぽいもの”!!」
「……“ぽいもの”って何……」
「“シンデレラっぽいもの”ってコト……」
「だからっ“ぽいもの”って何!!」
燈路のツッコミは席についてから分かった。題名「シンデレラっぽいもの」これは色物の匂いがする。その予想通りシンデレラは王子を許すまじとか舞踏会場燃やしてとか言ってるし、焼き肉に対する執念強いし、王子はバトルでも挑むんか? って感じでダンス誘うし、それをシンデレラ鼻で笑うし、断られた王子は安心するし。最終的にシンデレラは継姉と焼き肉屋経営した。すごい終着点に降り立ったな。
「……で何の話だったわけ……?」
「だぁから~っ」
「シンデレラっぽいもの……」
「これは“っぽいもの”だわぁ」
本当に自由だなこの学校。
****
紅葉と春と杞紗と燈路で透ちゃんを学校内を探し回って発見した。杞紗がパタパタ走って透ちゃんにしがみつく。相変わらず仲良しだ。
「ナマエさん、杞紗さん、燈路さんもいらして下さって……嬉しいですっ」
「お姉ちゃん……可愛かった」
「ビデオにちゃーんと録ったからぁあとでまたみんなと見ようねーっ」
そう言って紅葉と透ちゃんは何かひそひそ話を始めた。なんだろ? まあいいけど。どっちかと言うとモゲタ? だっけ。モゲタの着ぐるみをジッとみてついて行きそうな杞紗と燈路を見とかないといけない。杞紗が握手してもらってるのは可愛いけど。
「ジッチャンはいつも一人!!」
本当に何の話してるんだろう。気になってくる台詞いうのやめて。まざってるよ紅葉。
そんなこんなで紅葉と春もクラス当番の交代の時間になったらしい。私達の案内は透ちゃんがしてくれると。ありがとうね、と頭を撫でると「お任せくださいっ」と胸をはって返ってきて微笑ましくて笑みがこぼれた。まあこっそり杞紗と燈路は私が見てるから友達と遊びに行ってもいいんだよ? と伝えたけど。
「いえっ……いえっ大丈夫なのですよっ」
「そう?」
「はいっ」
すると春が杞紗の頭に手を乗せて透ちゃんに話しかける。
「杞紗……気をつけてあげて……ナマエもいるけど……」
「はいっかしこまりましたっ」
「……燈路も」
「え!?」
「可愛いから気をつけて」
「なっなんだよソレ!! ……っ春兄って……っ優しいよねホント……誰にでもムダに……っ! でもそういう
ポカンとする杞紗と透ちゃん。ついでに私。なんでリンの話に繋がるの?
「なんでそこでリンの名前が出てくんの……? 燈路……。燈路おまえ、まさか……リンにホレてんの?」
「!!? んなっな、な何言って……本気でそんなコト言ってる訳!? ぶぁっかじゃないの!? ほっといて行こう!! 杞紗!!」
「あ……っ」
「こらヒロー言い出しっぺでしょー」
「燈路も人混み気をつけなきゃいけないの忘れてるなあれ。からかいすぎよ春」
「言ってみただけ……」
「美味しいもの食べたら機嫌なおるかな?」
「ではっ焼きそばでも買ってきましょうっ!」
「ごめんけど杞紗と燈路と透ちゃんの分買ってきてくれる? 私の分はあとで自分で何か買うから」
「はい! もちろんですっ」
「あと私の財布持っていっていいよ透ちゃん。今日の案内代で私がみんなの分奢るから」
そう言って透ちゃんに財布を押し付ける。「ええっそんな!」と慌ててるけどごめんけど無視だ。強引にいかないとこの子絶対遠慮する。
「よし杞紗、燈路追いかけるぞ! 入り口近くにいるからー! 財布ちゃんと減ってるかチェックするからねー!」
「う、うん……っ」
「ナマエさーん……っ」
透ちゃんの言葉を背に杞紗を人混みから守りながら燈路のあとを追いかけた。
***
「燈路ー!」
「………」
「こら! 燈路! 杞紗のボディーガード役、私が奪ってもいいのか!」
「!!」
その言葉でこっちを振り返る燈路。やっと我に返ったらしい。気まずそうな顔でこっちにやってくる。
「ごめん……杞紗」
「ううん……っ大丈夫だよ……っ」
「ナマエ姉もごめん……」
「ん。分かったのならいいよ」
頭を撫でるとふにゃりと眉を下げる燈路。自分のやらかしに自分で少し参ってるみたいだ。でも自省できるようになってるからな燈路は。それだけで成長だ。
「座ってみんなで透ちゃん待ってよ」
「お姉さん、お暇ですか!?」
「うん?」
背後からの声に振り返ると顔を真っ赤にした男子生徒がいた。
「お暇じゃないよ」
「あの、だったら連絡先を!! 運命感じちゃったんです!」
運命か。熱烈だなこの子。ちょっとやそっとじゃ引かなそう。……仕方ない。
杞紗を左手で抱きしめ、右手で燈路の頭に手を置いてにっこりする。
「こんな大きな二人の子持ちに運命なんて言葉使っちゃいけないわ」
「子、持ち……?」
「なんなら高校生の娘もいるの。今からやってくるけど見る?」
「イエ……ダイジョウブデス」
灰になりつつ男子生徒は去っていった。よし穏便にすましたぞ。ふーっと息を吐いてると右側の燈路から「ナマエ姉、嘘の付き方が大胆すぎる……」とほめ言葉をもらった。