日向ごっこ
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落ち着く匂いがする。大好きな匂いが。
目を開けると見慣れない天井があった。 ぼんやりとソレを眺めてここどこだっけ? と考える。身体を身動ぎして感じた素肌に当たるシーツの感覚。服着てない。……………。
ガバリと起き上がるとかかっていた布団が下に捲れて胸が丸出しになった。そしてちょうど部屋に入ってきた上半身裸のはとりと目が合った。
「にぎゃあああっ」
すぐさま布団で胸を隠す。そのときにふわりと香ったはとりの匂いに顔が熱くなるのが分かる。はとりの布団だ。はとりのベッドで私達……
「もう全部見た」
「しってますけど! しってますけどっ!」
「喉がかすれている。水を持ってきた」
「ううう余裕の差が憎い……」
「受け取らないなら口移しで飲ませるが?」
秒でミネラルウォーターのペットボトルを受け取って飲んだ。
「身体は痛くないか?」
はとりはベッドにすぐ隣に腰かけた。肌色が多くて落ちつかない。
「……はとり優しかったから大丈夫、です」
「そこまで優しくない」
「? 優しかった、よ?」
「がっついていた自覚はある」
「恥ずかしいのでこの話題もうやめませんか」
「これで恥ずかしがってたらきりがないぞ」
「……なんかまだ序の口みたいな言い方」
「…………」
「はとりさん!?」
「シャワー浴びるなら浴びていけ」
はとりは「あれは初心者向けって話ですか!?」「まだ上があるの!?」という私の質問には答えず私を浴室に突っ込んだ。
****
「なんかはとりの匂い纏ってるって感じ……」
「……俺以外にそれを言うなよ」
「? 当たり前」
はとりの家のボディーソープとシャンプーを借りたからいつもとは匂いが違っていて落ちつかないような、落ちつくような変な雰囲気だ。服ははとりのワイシャツを借りた。全身はとりってかんじがする。
「紅茶を淹れたから飲め」
「珈琲でよかったのに」
「初夜くらい気を使う」
「ぐっ」
「吐くなよ」
なら吐かせかけるようなこと言わないでください。心の中で文句を言って紅茶を飲んだ。
「あっ! お母さんに連絡してない!」
「俺がしておいた」
「えっ……? 何て言ったの」
「映画を観て眠りこけたからこのまま泊まらせると」
「はとりへの信頼がすごすぎる」
「……そうでもない」
「え? なんか言った?」
「言っていない」
「そう?」
「ああ」
紅茶を飲んでひと息つく。おいしかった。と思った瞬間お腹が鳴る。そういえばお昼食べそこなっていた。
「はとり、冷蔵庫のなか勝手に使っても大丈夫?」
「ああ」
冷蔵庫を見ると豚肉と玉ねぎ、キャベツとトマトに卵があった。うーん。しょうがもあるし、しょうがやきと卵スープとサラダかな。そんなに凝ったものはまだ出来ない。失敗しないのが大事。
「しょうがやきでいい?」
「任せる」
「任されたー」
じゃあさっさとお米炊くかーとお米を研いでいるとはとりの家の電話が鳴る。はとりが電話をとる。最初の声のトーンから少しだけ、ほんの少しだけ下がっていくのが分かって本家からの電話だと分かってしまった。
「ナマエ」
「いってらっしゃい」
「…………」
「帰ってきたらあっためて食べてね。言っておくけどはとりの家にお泊まりってだけで楽しいんだからね!」
「……すぐ帰る」
「いつも通りでいいですよ?」
「抱いた女をほったらかしにしていつも通りになんて出来るわけないだろう」
「だ、抱いたって……! もー! いいの! あんまり普段と違ったら慊人にバレるでしょうが!」
早く行って! と白衣を着せて荷物を持たせて背中を押して玄関まで行く。はい! 靴べら! とシャッとはとりに渡す。渋々といった様子で革靴を履いた。なんかはとりの方が駄々こねてる感じなのは珍しいぞ?
「来客には出なくていい」
「? なんで?」
「その格好と顔を他に見せるな」
格好。はとりのワイシャツ姿。……これは見せられませんね。でも顔って? と頬に手を当てながら首を傾げる。
「まだ抱かれた女の顔をしている。俺以外にみせるな」
「!??」
そんな顔してるの!? と驚愕の顔をしていたらはとりは静かに頷いた。……なんでお泊まりなのかと思ったらそんな理由でしたか。なんて厄介な。頬をぺちぺち叩いてたら両手をはとりに塞がれる。
「お前の言うとおりいつも通りに早く帰ってくる」
「うん! お願いしま……いつも通り早く?」
「いってくる」
疑問符が出てる状態でちゅ、とおでこにキスしてはとりは家から出ていった。鍵もばっちりかけて。
「……」
初夜にほったらかし。そんな感じがしないのははとりがどれだけ私のことを好きでいてくれるか、さっきの時間で身にしみたからだと思う。
まだ思い出したら照れちゃう。照れちゃうけど、
「……倖せだったなぁ」
しみじみそう思った。
目を開けると見慣れない天井があった。 ぼんやりとソレを眺めてここどこだっけ? と考える。身体を身動ぎして感じた素肌に当たるシーツの感覚。服着てない。……………。
ガバリと起き上がるとかかっていた布団が下に捲れて胸が丸出しになった。そしてちょうど部屋に入ってきた上半身裸のはとりと目が合った。
「にぎゃあああっ」
すぐさま布団で胸を隠す。そのときにふわりと香ったはとりの匂いに顔が熱くなるのが分かる。はとりの布団だ。はとりのベッドで私達……
「もう全部見た」
「しってますけど! しってますけどっ!」
「喉がかすれている。水を持ってきた」
「ううう余裕の差が憎い……」
「受け取らないなら口移しで飲ませるが?」
秒でミネラルウォーターのペットボトルを受け取って飲んだ。
「身体は痛くないか?」
はとりはベッドにすぐ隣に腰かけた。肌色が多くて落ちつかない。
「……はとり優しかったから大丈夫、です」
「そこまで優しくない」
「? 優しかった、よ?」
「がっついていた自覚はある」
「恥ずかしいのでこの話題もうやめませんか」
「これで恥ずかしがってたらきりがないぞ」
「……なんかまだ序の口みたいな言い方」
「…………」
「はとりさん!?」
「シャワー浴びるなら浴びていけ」
はとりは「あれは初心者向けって話ですか!?」「まだ上があるの!?」という私の質問には答えず私を浴室に突っ込んだ。
****
「なんかはとりの匂い纏ってるって感じ……」
「……俺以外にそれを言うなよ」
「? 当たり前」
はとりの家のボディーソープとシャンプーを借りたからいつもとは匂いが違っていて落ちつかないような、落ちつくような変な雰囲気だ。服ははとりのワイシャツを借りた。全身はとりってかんじがする。
「紅茶を淹れたから飲め」
「珈琲でよかったのに」
「初夜くらい気を使う」
「ぐっ」
「吐くなよ」
なら吐かせかけるようなこと言わないでください。心の中で文句を言って紅茶を飲んだ。
「あっ! お母さんに連絡してない!」
「俺がしておいた」
「えっ……? 何て言ったの」
「映画を観て眠りこけたからこのまま泊まらせると」
「はとりへの信頼がすごすぎる」
「……そうでもない」
「え? なんか言った?」
「言っていない」
「そう?」
「ああ」
紅茶を飲んでひと息つく。おいしかった。と思った瞬間お腹が鳴る。そういえばお昼食べそこなっていた。
「はとり、冷蔵庫のなか勝手に使っても大丈夫?」
「ああ」
冷蔵庫を見ると豚肉と玉ねぎ、キャベツとトマトに卵があった。うーん。しょうがもあるし、しょうがやきと卵スープとサラダかな。そんなに凝ったものはまだ出来ない。失敗しないのが大事。
「しょうがやきでいい?」
「任せる」
「任されたー」
じゃあさっさとお米炊くかーとお米を研いでいるとはとりの家の電話が鳴る。はとりが電話をとる。最初の声のトーンから少しだけ、ほんの少しだけ下がっていくのが分かって本家からの電話だと分かってしまった。
「ナマエ」
「いってらっしゃい」
「…………」
「帰ってきたらあっためて食べてね。言っておくけどはとりの家にお泊まりってだけで楽しいんだからね!」
「……すぐ帰る」
「いつも通りでいいですよ?」
「抱いた女をほったらかしにしていつも通りになんて出来るわけないだろう」
「だ、抱いたって……! もー! いいの! あんまり普段と違ったら慊人にバレるでしょうが!」
早く行って! と白衣を着せて荷物を持たせて背中を押して玄関まで行く。はい! 靴べら! とシャッとはとりに渡す。渋々といった様子で革靴を履いた。なんかはとりの方が駄々こねてる感じなのは珍しいぞ?
「来客には出なくていい」
「? なんで?」
「その格好と顔を他に見せるな」
格好。はとりのワイシャツ姿。……これは見せられませんね。でも顔って? と頬に手を当てながら首を傾げる。
「まだ抱かれた女の顔をしている。俺以外にみせるな」
「!??」
そんな顔してるの!? と驚愕の顔をしていたらはとりは静かに頷いた。……なんでお泊まりなのかと思ったらそんな理由でしたか。なんて厄介な。頬をぺちぺち叩いてたら両手をはとりに塞がれる。
「お前の言うとおりいつも通りに早く帰ってくる」
「うん! お願いしま……いつも通り早く?」
「いってくる」
疑問符が出てる状態でちゅ、とおでこにキスしてはとりは家から出ていった。鍵もばっちりかけて。
「……」
初夜にほったらかし。そんな感じがしないのははとりがどれだけ私のことを好きでいてくれるか、さっきの時間で身にしみたからだと思う。
まだ思い出したら照れちゃう。照れちゃうけど、
「……倖せだったなぁ」
しみじみそう思った。