日向ごっこ
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「はぁ!? ちょっとそれ……ホントに? 得意の勘違いとかじゃないんだよね?」
「……?」
「わかった……わかったよ! うん……あっ転ばないように!!」
燈路はそう言って電話を切った。海で透ちゃん、杞紗、燈路の四人で遊んでる最中の電話だった。
「燈路ちゃんどうか……したの?」
「うん。かあさん妊娠したんだって」
「ええええ!?」
「風邪かと思って診てもらったら妊娠してるってわかったんだって。相変わらず抜けてるというか……」
「おめでとう燈路ちゃん……よかったね。名前考えないとね……っ」
「きっと燈路さんに似た可愛らしい赤ちゃんがお生まれになりますよ……っ」
「燈路に似た赤ちゃんかぁ男の子かな? 女の子かな?」
「ちょっと待って! さもオレの子どもが生まれてくるような言い方はよしてくれない……!?」
「おめでとー。五月さん……若いなぁ……」
「その言い方もなんか不快だからやめてくれる!?」
うちわで扇いでいる紫呉にいさんに怒りながらツッコむ燈路。そう、紫呉にいさんがいる。……いる。避暑が少し憂鬱になった瞬間である。
「紫呉のおじちゃん。ずっとそこに居て……泳がないの……?」
「んー? おじちゃん泳ぐの苦手なんだよ」
「あっ日光浴ですね?」
「というかむしろ……水着モエ?」
燈路は杞紗の腕を引っ張って待避させ、私は透ちゃんを後ろに隠した。
「冗談だってば……僕だって中学生はちょっと……」
「普段の言動のせいです。ていうか高校生はありってことじゃん」
「ナマエは大学生だからもっとありかもよ?」
上目遣いで言ってくる紫呉にいさん。何を言ってるんだろ。今までどんだけ私に圧をかけてきたと思っているんだ。紫呉にいさんは私のことそういう風に見えないでしょ。
「来年の春頃にはお生まれになっているのですね!」
「そだね~時に透君、ナマエ。みんなは?」
「買い物に出かけていますよっ」
「ふーん? じゃあ両手に花ってことなんだ。……折角だからこのスキにデートでもしちゃいます?」
「え!?」「ええ……?」
「なーんて言ってみたりしちゃってね……いいじゃんねぇたまにはねぇ……」
「だめだよ先生。大人なんだから我慢しなくちゃ」
「アイスたべるー?」
紫呉にいさんの背後には無表情の由希と夾が立っていた。夾が持ってるスイカで紫呉にいさんの頭殴りそう。透ちゃんナンパするからだよ。
「えー!? ヒロのママ赤ちゃん生まれるのー!?」
「兄になるのか……ピンとこないかも」
「大丈夫……綾兄がアニキなのもピンとこないんだし……」
「たしかに。あーやそう言えば兄だったね」
「そうだね……そうだけど大きなお世話」
弟 からの重々しい言葉にうんうん頷く。あーやが兄って大変だよね。友達でも大変そうだけど。はとりの苦労を思い出す。高校も一緒だったからなぁ。……高校生のはとりもかっこよかったなぁ……。そんなことを思っていると男の子か女の子かの話になる。どっちでも可愛いよね。
「でももう絶対物の怪憑きの子どもは生まれないからママを悲しませたりなんかしないね……!」
「十二支は全員生まれてきてるから俺達が生きてる間は大丈夫……」
「……本当に子どもがほしくて生むんだね」
「……でも今回は燈路のママだよ?」
空気を変えようとそう言うと紅葉が「ヒロが生まれた時もへっちゃらだったね!!」と言葉を続けてくれる。
「ああそういえば……」
「羊の燈路に「羊大好き~」と言い放った驚異の母……」
「ねーっステキよねーっ」
「性格ふわふわしてるのに剛の者なんだよなぁ燈路のママ」
十二支のみんなの親。色んな親がいる。燈路のママが特殊なだけだ。私はみんなと会えてよかったと思ってるけど親だとまた違うんだろうな。難しい。
雑なスイカ割り大会を見守りながらそんなことを思った。
***
「は? 慊人が来た?」
「うんついさっきね。着いたみたい」
紫呉にいさんの言葉に由希を探す。いない。もう会ってるんじゃないだろうな。
「由希君はどこだい?」
「散歩……」
「あらまそう。じゃあ由希君は後からでも」
「おい。……まさか透も挨拶に行かせるつもりなのか?」
「いいや。今日は身内だけに済ませておくよ。透君はしばし保留。ごめんね、気を悪くしないでくれると……」
「え!? いえ、そんな私は大丈夫ですので……はい……っ」
紫呉にいさんの言葉にホッとしたように息をつく杞紗が視界に入る。……杞紗も殴られて怖い思いしたのに人の心配して……。
「私も行くからね、紫呉にいさん」
どうせ嫌がらせだ。だったらこっちもそれ相応の態度とるからな慊人。そう決意してると「ナマエが喋らないなら来てもいいよ」と紫呉にいさんににっこり釘を刺される。
「じゃあ単語10個だけ」
「喋ったらだーめ」
「単語5個」
「だーめ」
「み、三つ……」
「だーめ」
「一個……」
「だーめ」
空気でいろってことじゃん。それ。
「……?」
「わかった……わかったよ! うん……あっ転ばないように!!」
燈路はそう言って電話を切った。海で透ちゃん、杞紗、燈路の四人で遊んでる最中の電話だった。
「燈路ちゃんどうか……したの?」
「うん。かあさん妊娠したんだって」
「ええええ!?」
「風邪かと思って診てもらったら妊娠してるってわかったんだって。相変わらず抜けてるというか……」
「おめでとう燈路ちゃん……よかったね。名前考えないとね……っ」
「きっと燈路さんに似た可愛らしい赤ちゃんがお生まれになりますよ……っ」
「燈路に似た赤ちゃんかぁ男の子かな? 女の子かな?」
「ちょっと待って! さもオレの子どもが生まれてくるような言い方はよしてくれない……!?」
「おめでとー。五月さん……若いなぁ……」
「その言い方もなんか不快だからやめてくれる!?」
うちわで扇いでいる紫呉にいさんに怒りながらツッコむ燈路。そう、紫呉にいさんがいる。……いる。避暑が少し憂鬱になった瞬間である。
「紫呉のおじちゃん。ずっとそこに居て……泳がないの……?」
「んー? おじちゃん泳ぐの苦手なんだよ」
「あっ日光浴ですね?」
「というかむしろ……水着モエ?」
燈路は杞紗の腕を引っ張って待避させ、私は透ちゃんを後ろに隠した。
「冗談だってば……僕だって中学生はちょっと……」
「普段の言動のせいです。ていうか高校生はありってことじゃん」
「ナマエは大学生だからもっとありかもよ?」
上目遣いで言ってくる紫呉にいさん。何を言ってるんだろ。今までどんだけ私に圧をかけてきたと思っているんだ。紫呉にいさんは私のことそういう風に見えないでしょ。
「来年の春頃にはお生まれになっているのですね!」
「そだね~時に透君、ナマエ。みんなは?」
「買い物に出かけていますよっ」
「ふーん? じゃあ両手に花ってことなんだ。……折角だからこのスキにデートでもしちゃいます?」
「え!?」「ええ……?」
「なーんて言ってみたりしちゃってね……いいじゃんねぇたまにはねぇ……」
「だめだよ先生。大人なんだから我慢しなくちゃ」
「アイスたべるー?」
紫呉にいさんの背後には無表情の由希と夾が立っていた。夾が持ってるスイカで紫呉にいさんの頭殴りそう。透ちゃんナンパするからだよ。
「えー!? ヒロのママ赤ちゃん生まれるのー!?」
「兄になるのか……ピンとこないかも」
「大丈夫……綾兄がアニキなのもピンとこないんだし……」
「たしかに。あーやそう言えば兄だったね」
「そうだね……そうだけど大きなお世話」
「でももう絶対物の怪憑きの子どもは生まれないからママを悲しませたりなんかしないね……!」
「十二支は全員生まれてきてるから俺達が生きてる間は大丈夫……」
「……本当に子どもがほしくて生むんだね」
「……でも今回は燈路のママだよ?」
空気を変えようとそう言うと紅葉が「ヒロが生まれた時もへっちゃらだったね!!」と言葉を続けてくれる。
「ああそういえば……」
「羊の燈路に「羊大好き~」と言い放った驚異の母……」
「ねーっステキよねーっ」
「性格ふわふわしてるのに剛の者なんだよなぁ燈路のママ」
十二支のみんなの親。色んな親がいる。燈路のママが特殊なだけだ。私はみんなと会えてよかったと思ってるけど親だとまた違うんだろうな。難しい。
雑なスイカ割り大会を見守りながらそんなことを思った。
***
「は? 慊人が来た?」
「うんついさっきね。着いたみたい」
紫呉にいさんの言葉に由希を探す。いない。もう会ってるんじゃないだろうな。
「由希君はどこだい?」
「散歩……」
「あらまそう。じゃあ由希君は後からでも」
「おい。……まさか透も挨拶に行かせるつもりなのか?」
「いいや。今日は身内だけに済ませておくよ。透君はしばし保留。ごめんね、気を悪くしないでくれると……」
「え!? いえ、そんな私は大丈夫ですので……はい……っ」
紫呉にいさんの言葉にホッとしたように息をつく杞紗が視界に入る。……杞紗も殴られて怖い思いしたのに人の心配して……。
「私も行くからね、紫呉にいさん」
どうせ嫌がらせだ。だったらこっちもそれ相応の態度とるからな慊人。そう決意してると「ナマエが喋らないなら来てもいいよ」と紫呉にいさんににっこり釘を刺される。
「じゃあ単語10個だけ」
「喋ったらだーめ」
「単語5個」
「だーめ」
「み、三つ……」
「だーめ」
「一個……」
「だーめ」
空気でいろってことじゃん。それ。