日向ごっこ
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「杞紗さん……っ」
「……っ」
ぎゅうと抱きしめてハートマーク飛ばしている透ちゃんと杞紗。それをみて苛々してる燈路。煽る春とそれに乗る紅葉。賑やかである。
「さっさと部屋に案内してよ!!」
「お部屋は私とナマエさんがこちらの棟。皆さんはあちらの棟を使われています」
「じゃあ杞紗と私の部屋トレードね。杞紗、透ちゃんと一緒がいいでしょ」
「で、でも……」
「私、ゼミのレポート書いて夜遅くなるから一人部屋のがちょうどいいんだよ。だから、ね? 杞紗」
「う、うんっナマエお姉ちゃんありがとう」
嬉しそうに笑う杞紗の頭を撫でる。いっぱい思い出作っておいで。
「じゃあキサはトールと同じ部屋ねっ。ヒロはボクらの誰かと同じ部屋っ」
「は!? 何ソレ。そういう事勝手に決めるのやめてくれる? オレは誰かと共用なんて絶対ゴメンなんだけど!」
「杞紗と同じ部屋じゃなきゃ嫌だなんて……おマセさん……」
「えっそういう意味なの? だめだよそれは燈路」
「言ってないだろそんなコト……っ! そもそもなんでオレな訳? 揃いも揃ってオレより年上のくせにそんな事も気が回らない訳!?」
「そ、それでは……」
「ボケ女は黙ってろ!!」
「燈路ちゃ……」
「あれ……いらっしゃい。早かったね二人とも」
玄関に由希がやってきた。ボケ女呼ばわりした燈路を怒ろうとしたからちょっとタイミングが悪いです由希さん。するとひらめいたみたいな顔した春が立ち上がる。
「それでは俺と由希が同室になると言うことで」
「は?」
「一件落着……」
「ラクチャクーっ」
「まあこれが一番おさまりがいいよね」
「待ってよ何の話?」
「平和な部屋割り方法」
透ちゃんが杞紗を部屋に案内して階段を上がって行く。燈路を紅葉が案内しようとしていたときだった。春が「燈路」と呼び止めた。
「おまえの態度減点。おまえがイラつく度杞紗が不安がる。改めたら?」
「春兄には関係ないことだと思うけど……!?」
「じゃあナマエ姉が言うけど燈路」
「なに!」
「大事な子の大切なものを蔑ろにする人間は同じくらい大切にしてもらえないよ」
「………っ!」
燈路は顔を歪めて階段を登っていった。……まだ小学生だからなぁ。口が達者だから忘れがちだけど。
「言いすぎたかなぁ」
「若いよね……ナマエも燈路も……」
「おまえも若いはずなんだけどね……」
「何目線よ」
あとで燈路に言いすぎたと謝っとこう。そして透ちゃんのボケ女呼ばわりをやめさせよう。あれは杞紗も気にする。
そしてクワガタ取りの準備をするというので砂糖水を作って紅葉、透ちゃん、杞紗、燈路で林に出かけた。本番当日の朝は力になれないので今日お手伝いをしておく。虫はちょっと……。クワガタとゴキブリの違いが分からんと言ったらさすがに怒られるので言わないけど。
「明日は早起きしなくちゃですね……っ」
「うんっがんばって起きなきゃっ。待ってて! ボク クヌギがまだないか捜してくるっ」
「でもお一人では危……あああ、お速い……っ」
「うさぎだからねぇ。私が行くよ透ちゃん」
「お、お願いします……っ」
透ちゃんのエールを背中に軽く走る。すぐに追いついて捕獲した。
「林の中で上ばっかりみながら走ったら危ないよ紅葉」
「ハーイ! ナマエも探してねっ」
「木の違いなんて分からないから雰囲気でいくね」
「まかせたっ!」
任されてしまった。さっき杞紗が塗ってた木ちゃんと見ておけばよかった。……あ、そうだ。
「紅葉」
「なぁに?」
「はとりとお付き合いすることになりました」
その場を静寂が包み込んだ。えっ? 無反応? 嘘でしょ? あの紅葉だよ?
「えええええーっ!!!」
そう思ってたら思いっきり反応してくれた。
「ホントっ!? ホントに!?」
「本当、本当に」
「よかったねっ! ナマエっ!」
「うん、ありがと……ってこら抱きつくな! 変身するでしょうが!」
飛びついてきた紅葉を避ける。ぶーっといった顔をされた。そんな顔されましても。外で全裸は駄目でしょうが。
「知ってるの紅葉と春だけだから。内密でお願いします」
「リョーカイ! ……よかった」
涙目になった紅葉。紅葉は私が外に行けなくなった理由を知ってる唯一の人間だ。はとりが消えてしまったらどうしようと怖くなった。たったそれだけの理由。それだけの理由なのに優しい紅葉は否定しなかった。だから余計に心配させていた。
この怖さがなくなるのははとりがまた倖せになったときだと思っていた。だからはとりが倖せになれるならそれでいいと思っていたから私の気持ちは奥底に沈めていたのだ。それを怒ったのは紅葉だった。「ナマエの気持ちはナマエだけのモノでしょっ! なくしちゃダメだよっ」と。
「よかったぁ」
「ありがとね、紅葉」
紅葉の頭を撫でる。涙で濡れた目と目が合う。そして同時に笑った。
「ナマエも涙目ーっ」
「紅葉につられたの」
「紅葉さんっナマエさーんっ」
「あ、透ちゃんきた。泣きやまないと」
「うんっビックリさせちゃうねっ」
お互いの顔をチェックして透ちゃんを迎え入れた。
「……っ」
ぎゅうと抱きしめてハートマーク飛ばしている透ちゃんと杞紗。それをみて苛々してる燈路。煽る春とそれに乗る紅葉。賑やかである。
「さっさと部屋に案内してよ!!」
「お部屋は私とナマエさんがこちらの棟。皆さんはあちらの棟を使われています」
「じゃあ杞紗と私の部屋トレードね。杞紗、透ちゃんと一緒がいいでしょ」
「で、でも……」
「私、ゼミのレポート書いて夜遅くなるから一人部屋のがちょうどいいんだよ。だから、ね? 杞紗」
「う、うんっナマエお姉ちゃんありがとう」
嬉しそうに笑う杞紗の頭を撫でる。いっぱい思い出作っておいで。
「じゃあキサはトールと同じ部屋ねっ。ヒロはボクらの誰かと同じ部屋っ」
「は!? 何ソレ。そういう事勝手に決めるのやめてくれる? オレは誰かと共用なんて絶対ゴメンなんだけど!」
「杞紗と同じ部屋じゃなきゃ嫌だなんて……おマセさん……」
「えっそういう意味なの? だめだよそれは燈路」
「言ってないだろそんなコト……っ! そもそもなんでオレな訳? 揃いも揃ってオレより年上のくせにそんな事も気が回らない訳!?」
「そ、それでは……」
「ボケ女は黙ってろ!!」
「燈路ちゃ……」
「あれ……いらっしゃい。早かったね二人とも」
玄関に由希がやってきた。ボケ女呼ばわりした燈路を怒ろうとしたからちょっとタイミングが悪いです由希さん。するとひらめいたみたいな顔した春が立ち上がる。
「それでは俺と由希が同室になると言うことで」
「は?」
「一件落着……」
「ラクチャクーっ」
「まあこれが一番おさまりがいいよね」
「待ってよ何の話?」
「平和な部屋割り方法」
透ちゃんが杞紗を部屋に案内して階段を上がって行く。燈路を紅葉が案内しようとしていたときだった。春が「燈路」と呼び止めた。
「おまえの態度減点。おまえがイラつく度杞紗が不安がる。改めたら?」
「春兄には関係ないことだと思うけど……!?」
「じゃあナマエ姉が言うけど燈路」
「なに!」
「大事な子の大切なものを蔑ろにする人間は同じくらい大切にしてもらえないよ」
「………っ!」
燈路は顔を歪めて階段を登っていった。……まだ小学生だからなぁ。口が達者だから忘れがちだけど。
「言いすぎたかなぁ」
「若いよね……ナマエも燈路も……」
「おまえも若いはずなんだけどね……」
「何目線よ」
あとで燈路に言いすぎたと謝っとこう。そして透ちゃんのボケ女呼ばわりをやめさせよう。あれは杞紗も気にする。
そしてクワガタ取りの準備をするというので砂糖水を作って紅葉、透ちゃん、杞紗、燈路で林に出かけた。本番当日の朝は力になれないので今日お手伝いをしておく。虫はちょっと……。クワガタとゴキブリの違いが分からんと言ったらさすがに怒られるので言わないけど。
「明日は早起きしなくちゃですね……っ」
「うんっがんばって起きなきゃっ。待ってて! ボク クヌギがまだないか捜してくるっ」
「でもお一人では危……あああ、お速い……っ」
「うさぎだからねぇ。私が行くよ透ちゃん」
「お、お願いします……っ」
透ちゃんのエールを背中に軽く走る。すぐに追いついて捕獲した。
「林の中で上ばっかりみながら走ったら危ないよ紅葉」
「ハーイ! ナマエも探してねっ」
「木の違いなんて分からないから雰囲気でいくね」
「まかせたっ!」
任されてしまった。さっき杞紗が塗ってた木ちゃんと見ておけばよかった。……あ、そうだ。
「紅葉」
「なぁに?」
「はとりとお付き合いすることになりました」
その場を静寂が包み込んだ。えっ? 無反応? 嘘でしょ? あの紅葉だよ?
「えええええーっ!!!」
そう思ってたら思いっきり反応してくれた。
「ホントっ!? ホントに!?」
「本当、本当に」
「よかったねっ! ナマエっ!」
「うん、ありがと……ってこら抱きつくな! 変身するでしょうが!」
飛びついてきた紅葉を避ける。ぶーっといった顔をされた。そんな顔されましても。外で全裸は駄目でしょうが。
「知ってるの紅葉と春だけだから。内密でお願いします」
「リョーカイ! ……よかった」
涙目になった紅葉。紅葉は私が外に行けなくなった理由を知ってる唯一の人間だ。はとりが消えてしまったらどうしようと怖くなった。たったそれだけの理由。それだけの理由なのに優しい紅葉は否定しなかった。だから余計に心配させていた。
この怖さがなくなるのははとりがまた倖せになったときだと思っていた。だからはとりが倖せになれるならそれでいいと思っていたから私の気持ちは奥底に沈めていたのだ。それを怒ったのは紅葉だった。「ナマエの気持ちはナマエだけのモノでしょっ! なくしちゃダメだよっ」と。
「よかったぁ」
「ありがとね、紅葉」
紅葉の頭を撫でる。涙で濡れた目と目が合う。そして同時に笑った。
「ナマエも涙目ーっ」
「紅葉につられたの」
「紅葉さんっナマエさーんっ」
「あ、透ちゃんきた。泣きやまないと」
「うんっビックリさせちゃうねっ」
お互いの顔をチェックして透ちゃんを迎え入れた。