日向ごっこ
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「りっちゃん久しぶり~」
「ひぃいいいお久しぶりですナマエさん!」
「なんかお化け見たみたいな反応」
「そんなつもりは! そんなつもりは一切なくっわ、私はナマエさんをお化けに仕立てあげるなどという非道な行いを! なんてことをしてしまったのでしょうかっ私は、私は!」
「りっちゃん相変わらず元気だねぇ」
よいしょとりっちゃんの脇をプッシュして沈静化をはかる。りっちゃんは「はあああ」とその場に倒れ込んだ。これは紫呉にいさんが唯一といっていいほど教えてくれてありがとうと思ったりっちゃん落ち着かせ方法だ。
「りっちゃん足にケガしてるんだから立っちゃだめよ」
「す、すみません」
「謝るのもなーし。ね?」
顔を合わせてにっこりするとりっちゃんは頬を染めて下を向いてしまった。うむむ、目が合わなくなってしまった。そのまま顔を覗きこもうとすると後ろから肩にポンと手を置かれた。
「手当てが先だ」
「あ、確かに。よろしくはとり」
「…………」
「えっなにはとり」
「……俺は本田君が怪我をしたとしかきいてなかったんだがな」
「ごめんなさいごめんなさいはとり兄さん」
「なんだかねぇ色々あってねぇ」
「で? 君の怪我は?」
はとりが透ちゃんにそう聞く。透ちゃんの手の包帯はいってはなんだがよれよれだ。でも透ちゃんは大切そうに逆の手で押さえた。
「……これで大丈夫です。わざわざいらしてくださったのに申し訳ありません。ありがとうございます」
そう言って由希の顔をみて晴れやかに笑う透ちゃん。そして優しい顔で笑う由希。なんだかいいかんじ。平和。
はとりが手当てしてる間に勝手にお茶を淹れて人数分出した。いつもは淹れてくれる透ちゃんが怪我してるので。途中で気づいた透ちゃんにあわあわされた。別にいいのよ。私がのみたかっただけだし。怪我したときくらいのんびりしてください。
「うん? 今日りっちゃん泊まるの?」
「は、はい。紫呉兄さんに許可をいただきました」
「はとりは?」
「俺は……」
「はーさんも泊まっちゃいなよ。二人の怪我心配でしょ」
「…………」
「これは図星の顔だ。……いてっ」
はとりに小突かれた。やっぱり図星だ。……やっぱりはとりは優しい。顔が勝手にほころんで笑ってしまう。
「……おまえは、」
「ナマエも泊まるでしょ? 透君とお泊まり好きだし」
「んー明日授業午後からだし泊まろうかな」
「わっ! ナマエさんもお泊まりですかっ?」
「うんーよろしくお願いします」
「はいっ! よろしくお願いします!」
そういうわけでまた透ちゃんの隣で安眠した。爆睡だった。透ちゃんなんかセラピー的なの出てるかもしれない。
***
「お塩加減はいかがでしょう。辛くありませんか?」
「……イヤ丁度いい」
透ちゃんとはとりが新婚みたいなことしてる。ほんのちょっぴり。ほんのちょっぴりだけむむむとなってしまった。紫呉にいさんがはとりに羨ましいでしょうと自慢している。羨ましいです。心のなかで返していると現れた夾が紫呉にいさんに激おこり。首へし折るぞ! と脅してる。
「おめぇも笑ってないで嫌がれよ!! そんなんだからあのバカ犬が調子に乗ってあることないこと……」
「焼きモチの八つ当たりはみっともないぞ」
「なっ! そんなんじゃねぇよ!!」
はとりの言葉にはっとする。焼きモチはみっともない。確かにそうだ。私は透ちゃんをぎゅっとした。
「ナマエさん?」
「ごめんよ透ちゃん」
「???」
疑問符を浮かべる透ちゃんを再びぎゅっとして離れた。自己満足です。
朝再びりっちゃん事変が起きてりっちゃんははとりに手当てしてもらっている。透ちゃん達は学校へ行った。
「だからさぁもう少し落ち着いてさ透君に訊きたいことがあるから残ったんでしょう?」
「はい……すみません」
「だからそれねぇ。別に周りはりっちゃんのことなんて気にしちゃいないんだから謝られても逆にコッチが困るわけさ」
「はっはい……」
「紫呉にいさん言いすぎ」
「えーでもりっちゃんだってもっとシッカリした男になりたいとか思ってるんでしょう?」
紫呉にいさんに言われてりっちゃんはキラキラした顔をして両手を合わせる。
「もちろんです……っいつかは綾兄さんのように自信に満ち溢れた男になれたらな……って」
「あーそりゃ無理だー」
「うん。ごめんだけど無理。というかあーやみたいなりっちゃんイヤ」
「ええっ! 何故ですか!? 叶わぬ夢ですか!?」
「あーやの自信は人類の規格からかなり外れた所にあるからねぇ」
「……綾女はともかく、おまえが考えているほど周りはおまえを責めていない。もう少し余裕を持つことだな」
「は……はい……」
「そうそう僕もそれを言いたかったのよー」
「ウソをつけ」
「……………」
「りっちゃん?」
りっちゃんは何かを思い出すかのように目を遠くにやっていた。……りっちゃんの謝り癖は根強いからなぁ。「中」でりっちゃんのこと悪くいう大人達のせいで。
「りっちゃん。大好きだよ」
「っ、ナマエさん……」
「りっちゃんが自分のこと嫌って思ってもそうじゃないって思ってる私がいること忘れないで? まずはそれだけでいいから」
「………はい、」
「ん。よし、暗い話おわり! お昼作ったら私大学いくから!」
すくっと立ち上がってキッチンへ向かう。男三人なら素麺でも食べさせておけばいいのだ。戸棚を漁っていると後ろから「ナマエ」と声がかかった。
「なに? はとり」
「……おまえ、利津のこと」
「りっちゃんのこと?」
「…………」
「はとり?」
「いや、なんでもない」
「え、気になるんですけど」
中途半端に言葉切らないで。そう言ったけどはとりは続きを話してくれなかった。
「ひぃいいいお久しぶりですナマエさん!」
「なんかお化け見たみたいな反応」
「そんなつもりは! そんなつもりは一切なくっわ、私はナマエさんをお化けに仕立てあげるなどという非道な行いを! なんてことをしてしまったのでしょうかっ私は、私は!」
「りっちゃん相変わらず元気だねぇ」
よいしょとりっちゃんの脇をプッシュして沈静化をはかる。りっちゃんは「はあああ」とその場に倒れ込んだ。これは紫呉にいさんが唯一といっていいほど教えてくれてありがとうと思ったりっちゃん落ち着かせ方法だ。
「りっちゃん足にケガしてるんだから立っちゃだめよ」
「す、すみません」
「謝るのもなーし。ね?」
顔を合わせてにっこりするとりっちゃんは頬を染めて下を向いてしまった。うむむ、目が合わなくなってしまった。そのまま顔を覗きこもうとすると後ろから肩にポンと手を置かれた。
「手当てが先だ」
「あ、確かに。よろしくはとり」
「…………」
「えっなにはとり」
「……俺は本田君が怪我をしたとしかきいてなかったんだがな」
「ごめんなさいごめんなさいはとり兄さん」
「なんだかねぇ色々あってねぇ」
「で? 君の怪我は?」
はとりが透ちゃんにそう聞く。透ちゃんの手の包帯はいってはなんだがよれよれだ。でも透ちゃんは大切そうに逆の手で押さえた。
「……これで大丈夫です。わざわざいらしてくださったのに申し訳ありません。ありがとうございます」
そう言って由希の顔をみて晴れやかに笑う透ちゃん。そして優しい顔で笑う由希。なんだかいいかんじ。平和。
はとりが手当てしてる間に勝手にお茶を淹れて人数分出した。いつもは淹れてくれる透ちゃんが怪我してるので。途中で気づいた透ちゃんにあわあわされた。別にいいのよ。私がのみたかっただけだし。怪我したときくらいのんびりしてください。
「うん? 今日りっちゃん泊まるの?」
「は、はい。紫呉兄さんに許可をいただきました」
「はとりは?」
「俺は……」
「はーさんも泊まっちゃいなよ。二人の怪我心配でしょ」
「…………」
「これは図星の顔だ。……いてっ」
はとりに小突かれた。やっぱり図星だ。……やっぱりはとりは優しい。顔が勝手にほころんで笑ってしまう。
「……おまえは、」
「ナマエも泊まるでしょ? 透君とお泊まり好きだし」
「んー明日授業午後からだし泊まろうかな」
「わっ! ナマエさんもお泊まりですかっ?」
「うんーよろしくお願いします」
「はいっ! よろしくお願いします!」
そういうわけでまた透ちゃんの隣で安眠した。爆睡だった。透ちゃんなんかセラピー的なの出てるかもしれない。
***
「お塩加減はいかがでしょう。辛くありませんか?」
「……イヤ丁度いい」
透ちゃんとはとりが新婚みたいなことしてる。ほんのちょっぴり。ほんのちょっぴりだけむむむとなってしまった。紫呉にいさんがはとりに羨ましいでしょうと自慢している。羨ましいです。心のなかで返していると現れた夾が紫呉にいさんに激おこり。首へし折るぞ! と脅してる。
「おめぇも笑ってないで嫌がれよ!! そんなんだからあのバカ犬が調子に乗ってあることないこと……」
「焼きモチの八つ当たりはみっともないぞ」
「なっ! そんなんじゃねぇよ!!」
はとりの言葉にはっとする。焼きモチはみっともない。確かにそうだ。私は透ちゃんをぎゅっとした。
「ナマエさん?」
「ごめんよ透ちゃん」
「???」
疑問符を浮かべる透ちゃんを再びぎゅっとして離れた。自己満足です。
朝再びりっちゃん事変が起きてりっちゃんははとりに手当てしてもらっている。透ちゃん達は学校へ行った。
「だからさぁもう少し落ち着いてさ透君に訊きたいことがあるから残ったんでしょう?」
「はい……すみません」
「だからそれねぇ。別に周りはりっちゃんのことなんて気にしちゃいないんだから謝られても逆にコッチが困るわけさ」
「はっはい……」
「紫呉にいさん言いすぎ」
「えーでもりっちゃんだってもっとシッカリした男になりたいとか思ってるんでしょう?」
紫呉にいさんに言われてりっちゃんはキラキラした顔をして両手を合わせる。
「もちろんです……っいつかは綾兄さんのように自信に満ち溢れた男になれたらな……って」
「あーそりゃ無理だー」
「うん。ごめんだけど無理。というかあーやみたいなりっちゃんイヤ」
「ええっ! 何故ですか!? 叶わぬ夢ですか!?」
「あーやの自信は人類の規格からかなり外れた所にあるからねぇ」
「……綾女はともかく、おまえが考えているほど周りはおまえを責めていない。もう少し余裕を持つことだな」
「は……はい……」
「そうそう僕もそれを言いたかったのよー」
「ウソをつけ」
「……………」
「りっちゃん?」
りっちゃんは何かを思い出すかのように目を遠くにやっていた。……りっちゃんの謝り癖は根強いからなぁ。「中」でりっちゃんのこと悪くいう大人達のせいで。
「りっちゃん。大好きだよ」
「っ、ナマエさん……」
「りっちゃんが自分のこと嫌って思ってもそうじゃないって思ってる私がいること忘れないで? まずはそれだけでいいから」
「………はい、」
「ん。よし、暗い話おわり! お昼作ったら私大学いくから!」
すくっと立ち上がってキッチンへ向かう。男三人なら素麺でも食べさせておけばいいのだ。戸棚を漁っていると後ろから「ナマエ」と声がかかった。
「なに? はとり」
「……おまえ、利津のこと」
「りっちゃんのこと?」
「…………」
「はとり?」
「いや、なんでもない」
「え、気になるんですけど」
中途半端に言葉切らないで。そう言ったけどはとりは続きを話してくれなかった。