迷走ソネット
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二次選考が始まった。予想通り甚八くんの嘘には反発があったけど甚八くんはそれを一気に黙らせていた。レスバ強くない? 甚八くん。
そしてここからが愛しのブルーロックマンの出番だ!
「……ドイツのトップクラブの瞬発力強化設備を改良して作った壁四面からランダムに発射されるボールと高画質パネルに囲まれたトレーニングルーム。そして何より世界トップクラブのGKのデータを集結させた人工知能ホログラムGK BLUE LOOK MANシステム
それを可能にするためにボールにマイクロセンサーチップを埋め込みホログラムとの接触による物理的反発を実現したホログラフィックスポーツ技術。──単刀直入に言います絵心さん。もう予算がありません」
「うっせぇ黙れアンリちゃん。名前のモチベーションが下がる」
「ね? ね? すごいでしょ! ブルーロックマン! 頑張ったんだから作るの! えへへへ」
「ああ素晴らしいよ。これぞ俺の思い描けた空間だ……」
「甚八くんが褒めてくれた!?」
「よくやった。褒めてやる」
「んふふふ、でしょでしょ」
「でも名前ちゃん……予算が……」
「アンリちゃん。名前はこれでいいんだよ」
「潔選手潔選手……あっいた!」
テンションが上がりながらいくつものモニターから潔選手探す。あっレベルマックスになってる。
レベル1は単純なGK対決。レベル2はそれプラスDFホログラムが増えるのだ。その分難易度も跳ね上がる。ちなみにレベルマックスになるとDFホログラムが動き出す仕組みになって発射されるボールも回転がかかる。ここまでするの? と甚八くんに聞いた鬼畜システムだ。
「実戦さながらのハイレベルなボール供給にランダムに動く障害物。コレはワールドクラスのゴール前を人工的に再現したシチュエーションだ。状況把握、反応。シュート精度とクオリティ。そしてそれを90分間持続させる体力。この心・技・体を兼ね備えなければここを突破する事はできない。偽物はここで己の非力を痛感する」
潔選手はなかなかゴールを決められなかったようだけどしばらくしたら、ゴールが入るようになってきた。なにか掴んだようだ。
「あの子……急激に上手くなってる!」
「人は見たいモノしか見えない生き物だからな。問題意識を明確に持つことで見える景色と思考回路が一変する……潔世一は今自分の進化に奮えてるハズだ」
「がんばれー!」
「……コイツはなかなか贔屓が止まらないみたいだけどな」
「やった! 100ゴール達成だ!」
潔選手2ndステージ進出だ。よかった。
ふぅと息を吐いて飲み物を飲む。熱狂しすぎた。まだ1ndステージなのに。この間お話したせいか潔選手のことが気になって仕方ない。もちろん他の選手のことも考えるのも大事にしなくちゃいけない。支えるって決めたんだから。……でもなんだか気になっちゃうんだもん。潔選手。
集合した蜂楽選手とハイタッチする姿をみてつくづくそう思った。