完結済み
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帰る!今すぐ帰る!と無言で回れ右をした私を捕まえたのはなぜかいた鏡夜くんだった。鏡夜くんには夏は似合わないよ。なんでバカンスしてるの?
「どこへ行く」
「分からないけど地の果てあたり」
「後が面倒だからやめろ」
そう言ってズルズル私を引っ張ってハルちゃんの隣に置かれた。座らせたんじゃなくて置かれた。
「鏡夜先輩のお知り合いだったんですか…」
「あの…残念なことに幼なじみというやつでして、」
「それは…………お気の毒に」
「おまえ達日本にいたくないようだな」
鏡夜くんの言葉に震えながら首を横に振るハルちゃん。ね、鏡夜くん怖いよね。本当にそれが出来ちゃうんだから洒落にもなってないもんね。権力っていやだよね。うんうん頷いていると「慣れてる…これが幼なじみ…」と少し引かれた。なんでハルちゃん。
「あ~名前ちゃんだー!」
「…久しぶりだな」
「あ、埴之塚さんと銛之塚さん。この間のパーティー以来ですね」
「………ハニー先輩とモリ先輩とは?」
「お二人の家にうちの新事業のお手伝いをしてもらったの」
「……………あなたもお金持ちでしたか」
だから何で引くのハルちゃん。
「それよりも名前。おまえハルヒの性別に関して何か言うことはないのか」
「とっても可愛い女の子です、ね?………はっ!まさか工事済みのッ!?」
「違います!!」
「藤岡ハルヒはホスト部の新部員だと言わなかったか?」
鏡夜くんの言葉に目を瞬かせて思案する。そういえば鏡夜くんとそんな話をしたような……
「…………え、ハルちゃんやっぱり男の子?でも女の子……?工事済みでもない……うん?」
混乱してきた。するとずっと頭を押さえて倒れていたキング先輩がバッ!と立ち上がり私の後ろへ回った。相変わらず動きが早い。
「名前君!!ハルヒは男の子なのだよ!少し女装を好んでいるが立派な男の子だ!」
「なるほど!ハルちゃんばっちり女装似合ってるよ!」
「話がややこしくなるから引っ込んでいろ」
ボードのようなものの角っこでキング先輩にトドメを刺した鏡夜くんは眼鏡をくいっとして私と向き合った。その背後では埴之塚さんがキング先輩の死体をツンツンしている。流れるような犯行を見てしまった…。
「名前、ハルヒはある理由で学校では男の姿をしている。どうしようもなく阿呆で単純思考のおまえでも女がわざわざ男の恰好をしているなんてのっぴきならぬ事情だと分かるよな?」
「うん。あまり突っ込んだこと聞くと地中に埋めるぞってことね。わかったよ鏡夜くん」
「それって脅しでは……いえ、何でもありません…」
鏡夜くんの笑顔の圧力に負けたハルちゃんは「ごめんなさい…名字さん…」と弱い声で呟いた。いいんだよハルちゃん。ラスボスには勝てないよ。弱ったハルちゃんにはTくんのフルーツをプレゼントした。押し付けではない。
そして私が来てから一切会話に加わることなく端っこで話している二人組にちらっと視線をやる。……私服だ。初めてみた。格好いい。ちょこっと腕まくりしてる。二の腕がたくましくて格好いい。馨くん格好いい。セットしてない髪型も格好いい。いや可愛い。ふにゃんってなってて可愛い。可愛いと格好いいを両立するなんて馨くんってすごい。
両手で顔を押さえて静かに悶える。声が出ないように必死だ。何だか隣でキング先輩とハルちゃんがケンカし出したけど声を抑える方が先決だ。仲がいいほどケンカする。何も問題ない。
………猫ちゃん先輩、ホスト部のみなさんをお誘いしてくれてありがとう。今度お礼します。人体模型とかがいいかな?そんなことを考えているとキング先輩が「おまえなんか知らん!」と激怒してダイニングルームから出て行こうと扉へズンズン向かった。そして暗がりの廊下を見て涙目で鏡夜くんに視線を向ける。
「………鏡夜…まだねない?」
「ハイハイ…じゃ俺もお先に」
ため息をついて立ち上がった鏡夜の手を掴む。置いていかないで…!馨くんと同じ空間なんて酸欠になりそう。寿命が足りない。
私の無言の訴えに鏡夜くんは再びため息をついて「おまえもさっさと寝ろ」と一緒にいるのを許してくれた。今日の鏡夜くんは般若じゃなくて仏様だった。ありがとう仏の鏡夜くん。ハルちゃん達にばいばいをして出口に早足で向かう。酸素、酸素をください。
「あっ…」
「え、」
ぱしりと手首を掴まれた。思わず振り返るとそこにいたのはふにゃんってなった髪型の馨くんで。少し向こうに同じ顔の男の子がいるけど、私の手首を眉を寄せて掴んでいるのは紛れもなく馨くんで。馨くんが、私の手を、さわってる。頭で理解した瞬間、酸素不足だったのも相まって私は無言で意識を飛ばした。
「どこへ行く」
「分からないけど地の果てあたり」
「後が面倒だからやめろ」
そう言ってズルズル私を引っ張ってハルちゃんの隣に置かれた。座らせたんじゃなくて置かれた。
「鏡夜先輩のお知り合いだったんですか…」
「あの…残念なことに幼なじみというやつでして、」
「それは…………お気の毒に」
「おまえ達日本にいたくないようだな」
鏡夜くんの言葉に震えながら首を横に振るハルちゃん。ね、鏡夜くん怖いよね。本当にそれが出来ちゃうんだから洒落にもなってないもんね。権力っていやだよね。うんうん頷いていると「慣れてる…これが幼なじみ…」と少し引かれた。なんでハルちゃん。
「あ~名前ちゃんだー!」
「…久しぶりだな」
「あ、埴之塚さんと銛之塚さん。この間のパーティー以来ですね」
「………ハニー先輩とモリ先輩とは?」
「お二人の家にうちの新事業のお手伝いをしてもらったの」
「……………あなたもお金持ちでしたか」
だから何で引くのハルちゃん。
「それよりも名前。おまえハルヒの性別に関して何か言うことはないのか」
「とっても可愛い女の子です、ね?………はっ!まさか工事済みのッ!?」
「違います!!」
「藤岡ハルヒはホスト部の新部員だと言わなかったか?」
鏡夜くんの言葉に目を瞬かせて思案する。そういえば鏡夜くんとそんな話をしたような……
「…………え、ハルちゃんやっぱり男の子?でも女の子……?工事済みでもない……うん?」
混乱してきた。するとずっと頭を押さえて倒れていたキング先輩がバッ!と立ち上がり私の後ろへ回った。相変わらず動きが早い。
「名前君!!ハルヒは男の子なのだよ!少し女装を好んでいるが立派な男の子だ!」
「なるほど!ハルちゃんばっちり女装似合ってるよ!」
「話がややこしくなるから引っ込んでいろ」
ボードのようなものの角っこでキング先輩にトドメを刺した鏡夜くんは眼鏡をくいっとして私と向き合った。その背後では埴之塚さんがキング先輩の死体をツンツンしている。流れるような犯行を見てしまった…。
「名前、ハルヒはある理由で学校では男の姿をしている。どうしようもなく阿呆で単純思考のおまえでも女がわざわざ男の恰好をしているなんてのっぴきならぬ事情だと分かるよな?」
「うん。あまり突っ込んだこと聞くと地中に埋めるぞってことね。わかったよ鏡夜くん」
「それって脅しでは……いえ、何でもありません…」
鏡夜くんの笑顔の圧力に負けたハルちゃんは「ごめんなさい…名字さん…」と弱い声で呟いた。いいんだよハルちゃん。ラスボスには勝てないよ。弱ったハルちゃんにはTくんのフルーツをプレゼントした。押し付けではない。
そして私が来てから一切会話に加わることなく端っこで話している二人組にちらっと視線をやる。……私服だ。初めてみた。格好いい。ちょこっと腕まくりしてる。二の腕がたくましくて格好いい。馨くん格好いい。セットしてない髪型も格好いい。いや可愛い。ふにゃんってなってて可愛い。可愛いと格好いいを両立するなんて馨くんってすごい。
両手で顔を押さえて静かに悶える。声が出ないように必死だ。何だか隣でキング先輩とハルちゃんがケンカし出したけど声を抑える方が先決だ。仲がいいほどケンカする。何も問題ない。
………猫ちゃん先輩、ホスト部のみなさんをお誘いしてくれてありがとう。今度お礼します。人体模型とかがいいかな?そんなことを考えているとキング先輩が「おまえなんか知らん!」と激怒してダイニングルームから出て行こうと扉へズンズン向かった。そして暗がりの廊下を見て涙目で鏡夜くんに視線を向ける。
「………鏡夜…まだねない?」
「ハイハイ…じゃ俺もお先に」
ため息をついて立ち上がった鏡夜の手を掴む。置いていかないで…!馨くんと同じ空間なんて酸欠になりそう。寿命が足りない。
私の無言の訴えに鏡夜くんは再びため息をついて「おまえもさっさと寝ろ」と一緒にいるのを許してくれた。今日の鏡夜くんは般若じゃなくて仏様だった。ありがとう仏の鏡夜くん。ハルちゃん達にばいばいをして出口に早足で向かう。酸素、酸素をください。
「あっ…」
「え、」
ぱしりと手首を掴まれた。思わず振り返るとそこにいたのはふにゃんってなった髪型の馨くんで。少し向こうに同じ顔の男の子がいるけど、私の手首を眉を寄せて掴んでいるのは紛れもなく馨くんで。馨くんが、私の手を、さわってる。頭で理解した瞬間、酸素不足だったのも相まって私は無言で意識を飛ばした。