完結済み
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香南ちゃんにお尻に鼓舞を入れてもらい、さあがんばるぞ!と決意した瞬間に夏休みになった。つらい。夏休みって嫌い。ただでさえ馨くんに会えないのに夏休みなんて更に会えなくなる。Tくんが夏のフルーツを毎日送ってくるようになるし、鏡夜くんに遊ぼうと誘いに行ったらたまに昼間でも寝ていて般若被害にあうし、香南ちゃんはTくんとデートしてるし……つらい。とりあえずTくんの毎日お中元は早くやめて。
「だから毎年の猫ちゃん先輩の別荘訪問が心の癒しなんです…!」
「フフフ…それは光栄ですねぇ」
怪しげな笑いを上げて紅茶を煎れてくれる猫ちゃん先輩。心なしかマイナスイオンを感じる。さすが猫ちゃん先輩。それとも周りのインテリア(ホラーチック)がそうさせるのか。
初等部のお遊戯クラブ時代からの仲の猫澤梅人こと猫ちゃん先輩。怪しげな風貌と趣味のせいで生きる呪いだの300年生きてるだの好き勝手言われているが、実際は素直で優しい妹さん想いの人だ。何で伝わらないかなぁと首を傾げていると「なぜ久瀬先輩には一向に懐かないのに猫澤先輩には懐いているんだ」と鏡夜くんからため息をつかれた。なんで猫ちゃん先輩とTくんを一緒にしているのかよく分からない。フルーツ地獄知らないの?毎日お中元だよ?いやでしょ?
「そういえば今年は名前さん以外にもお客様をお招きする予定です…」
「わあ、よかったですね!盛大におもてなししないと!」
「何をすれば喜んでいただけますかねぇ…」
「うーん…猫ちゃん先輩らしいものでアピールするのはどうですか。夏だし。思い出にもなりますよ!」
そうすれば夏を感じられる猫澤家の別荘に毎年訪問したくなるだろう。私みたいに。
私の言葉にフフフ…といつもの笑みを浮かべた猫ちゃん先輩はウキウキしながら私の客室から出て行った。今から別荘をおもてなしモードに飾ってくるらしい。「名前さんにも内緒ですよ…」とサプライズを期待してね視線をいただいたので部屋で待機することになった。楽しみだなぁ。そして猫ちゃん先輩の別荘にいるのに贈られてきたこのフルーツをどうしてくれようか。もう本当にTくんやめて…まつげ全部ぬけちゃえ…。
****
猫澤家のメイドさん(ホラーテイスト)から晩ご飯の連絡をもらったのでTくんから贈られたフルーツを持ってダイニングルームまで向かう。屋敷全体が薄暗くて何だかいい感じ。そう思いながら歩いていると黒髪の女の子とばったり遭遇した。この子がお客様かな?
「こんばんは」
「こんばんは。猫澤先輩の親族の方ですか?」
「ううん、私は猫ちゃん先輩の……後輩?友だち?同盟?…まあそのあたりです」
そう言うと「何だかよく分からないけど分かりました」という返答が返ってきた。興味なさそう。クールビューティな女の子だ。
女の子の行き先もダイニングルームだったので一緒に行くことにした。なぜか裸足だったのでメイドさんにスリッパを持ってきてもらった。ドッキリ系の仕掛けがあったら危ないもんね。
「ありがとうございます」
「いいえー。そういえばお名前まだ聞いてなかったね。私は名字名前です」
「藤岡ハルヒです」
「………藤岡?」
どこかで聞いたような…?と首を傾げていると藤岡さんが不思議そうな顔をしていたので一度考えるのを止めた。きっといつか思い出せるよ。
「藤岡さんは誰とこの別荘に来たの?そもそも猫ちゃん先輩とどんな関係なの?」
「関係と言いますか、猫澤先輩のご好意で招待していただいたんです。部活のみなさんと」
「部活かぁいいな、青春だね」
「………………………はい」
すごく間を置いて返事が返ってきたんだけどどうしたんだろう。そしてものすごく哀愁が漂っている。……ん?部活ということは同じ学校ということかな。つまり、同年代?
「藤岡さん歳はいくつ?」
「十六の高校一年生です」
「…………友だちになろう!!!」
「!?」
ガッと手を握った私に藤岡さんは驚きの顔をしていたけどそんなのどうでもいい。
「なっ夏休み、いっつも一人でつまらなくて、猫ちゃん先輩が遊んでくれるけどっ幼なじみはみんなフルーツと般若とデートで!しかも学校じゃないから会えなくてさびしいのぉ…ともだちなろうぅ…どもだちなっでぇ~…っ」
「分かりました!分かりましたから泣かないでください!」
「ありがとう!じゃあハルちゃんって呼ぶ!ありがとうハルちゃん!」
ぎゅっと抱きつくとグエッと蛙が潰れたような音がした。香南ちゃん!友だちが増えたよ!
新しい友だちのハルちゃんとウキウキしながらダイニングルームの扉を開ける。その途端に猫ちゃん先輩の悲鳴やらゴッ!と何かにぶつかるような音がしたが、私の視界にはある人しか見えなかった。
「………………」
なんで馨くんがここにいるんですか香南ちゃん。
「だから毎年の猫ちゃん先輩の別荘訪問が心の癒しなんです…!」
「フフフ…それは光栄ですねぇ」
怪しげな笑いを上げて紅茶を煎れてくれる猫ちゃん先輩。心なしかマイナスイオンを感じる。さすが猫ちゃん先輩。それとも周りのインテリア(ホラーチック)がそうさせるのか。
初等部のお遊戯クラブ時代からの仲の猫澤梅人こと猫ちゃん先輩。怪しげな風貌と趣味のせいで生きる呪いだの300年生きてるだの好き勝手言われているが、実際は素直で優しい妹さん想いの人だ。何で伝わらないかなぁと首を傾げていると「なぜ久瀬先輩には一向に懐かないのに猫澤先輩には懐いているんだ」と鏡夜くんからため息をつかれた。なんで猫ちゃん先輩とTくんを一緒にしているのかよく分からない。フルーツ地獄知らないの?毎日お中元だよ?いやでしょ?
「そういえば今年は名前さん以外にもお客様をお招きする予定です…」
「わあ、よかったですね!盛大におもてなししないと!」
「何をすれば喜んでいただけますかねぇ…」
「うーん…猫ちゃん先輩らしいものでアピールするのはどうですか。夏だし。思い出にもなりますよ!」
そうすれば夏を感じられる猫澤家の別荘に毎年訪問したくなるだろう。私みたいに。
私の言葉にフフフ…といつもの笑みを浮かべた猫ちゃん先輩はウキウキしながら私の客室から出て行った。今から別荘をおもてなしモードに飾ってくるらしい。「名前さんにも内緒ですよ…」とサプライズを期待してね視線をいただいたので部屋で待機することになった。楽しみだなぁ。そして猫ちゃん先輩の別荘にいるのに贈られてきたこのフルーツをどうしてくれようか。もう本当にTくんやめて…まつげ全部ぬけちゃえ…。
****
猫澤家のメイドさん(ホラーテイスト)から晩ご飯の連絡をもらったのでTくんから贈られたフルーツを持ってダイニングルームまで向かう。屋敷全体が薄暗くて何だかいい感じ。そう思いながら歩いていると黒髪の女の子とばったり遭遇した。この子がお客様かな?
「こんばんは」
「こんばんは。猫澤先輩の親族の方ですか?」
「ううん、私は猫ちゃん先輩の……後輩?友だち?同盟?…まあそのあたりです」
そう言うと「何だかよく分からないけど分かりました」という返答が返ってきた。興味なさそう。クールビューティな女の子だ。
女の子の行き先もダイニングルームだったので一緒に行くことにした。なぜか裸足だったのでメイドさんにスリッパを持ってきてもらった。ドッキリ系の仕掛けがあったら危ないもんね。
「ありがとうございます」
「いいえー。そういえばお名前まだ聞いてなかったね。私は名字名前です」
「藤岡ハルヒです」
「………藤岡?」
どこかで聞いたような…?と首を傾げていると藤岡さんが不思議そうな顔をしていたので一度考えるのを止めた。きっといつか思い出せるよ。
「藤岡さんは誰とこの別荘に来たの?そもそも猫ちゃん先輩とどんな関係なの?」
「関係と言いますか、猫澤先輩のご好意で招待していただいたんです。部活のみなさんと」
「部活かぁいいな、青春だね」
「………………………はい」
すごく間を置いて返事が返ってきたんだけどどうしたんだろう。そしてものすごく哀愁が漂っている。……ん?部活ということは同じ学校ということかな。つまり、同年代?
「藤岡さん歳はいくつ?」
「十六の高校一年生です」
「…………友だちになろう!!!」
「!?」
ガッと手を握った私に藤岡さんは驚きの顔をしていたけどそんなのどうでもいい。
「なっ夏休み、いっつも一人でつまらなくて、猫ちゃん先輩が遊んでくれるけどっ幼なじみはみんなフルーツと般若とデートで!しかも学校じゃないから会えなくてさびしいのぉ…ともだちなろうぅ…どもだちなっでぇ~…っ」
「分かりました!分かりましたから泣かないでください!」
「ありがとう!じゃあハルちゃんって呼ぶ!ありがとうハルちゃん!」
ぎゅっと抱きつくとグエッと蛙が潰れたような音がした。香南ちゃん!友だちが増えたよ!
新しい友だちのハルちゃんとウキウキしながらダイニングルームの扉を開ける。その途端に猫ちゃん先輩の悲鳴やらゴッ!と何かにぶつかるような音がしたが、私の視界にはある人しか見えなかった。
「………………」
なんで馨くんがここにいるんですか香南ちゃん。