少年漫画系
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「で、今日はどうだったわけ?」
「玲王くん!」
「しーっ。ここ図書室」
「ごめんね。話せるの嬉しくて」
「自習室いくか?」
「うん」
使っていた参考書をしまって自習室に行く。行く前からそわそわしてしまう。だって今日の話は一段と違っているのだ。
「で? 今日はどうだったわけ?」
「今日はね、調理実習で作ったマフィンを渡そうとしたの!」
「……ふーん、それで反応は?」
「いらないって!」
「駄目じゃねーか」
「会話になってるよ! いつもだったら「あー……」とか「ふーん」とか「で?」とかで終わってる!」
「それで喜んでるおまえが健気でかわいいよ」
「えへへ」
「褒めてねーからな? ……で、マフィンどうすんの」
「今ダイエット中だから家族にあげようかなって」
「それなら俺にくれよ」
「玲王くんいっぱいもらったんじゃないの?」
玲王様に渡す! って騒いでた子達いっぱいいたらそれを全部貰ってたらすごい量になっているはずだ。
「もらってない。平等にしなきゃダメだろ? そういうのは」
「私のはいいの?」
「相談料としてもらっとく」
「なるほど! 確かに!」
中等部からの仲の玲王くん。面倒見のいい彼にはいつもお世話になっている。勉強とか日常生活のこととかなんてない悩みまで。玲王くん様々だ。高校生になって別のクラスになったのは残念だったけど私はそこであの人と出会ったのだ。
「凪くん今日もかっこよかったなあ」
「寝てたんだろ? 今日も」
「お日様に当たって神々しかった!」
「どういう感想だよ」
高校からの編入組の凪誠士郎くん。はじめて見たときからこの人だ! となってしまったのだ。俗に言う一目惚れだ。万年寝太郎とか言われてるけど関係ない。寝ているときのフォームでさえ愛おしくなっちゃう。ドキドキしちゃう。これを玲王くんにいったら特殊性癖って言われたけど。
「まあいいか。で、マフィンは?」
「こちらになります!」
「おー綺麗に出来てるじゃん」
「がんばったの」
「えらいえらい」
ぽんぽん頭を撫でてくれる玲王くんに頬が緩んでしまう。褒められちゃった。嬉しい。
玲王くんは包装をといてマフィンにかぶりついた。ん、と口の端についたかけらを親指で拭う。なんかえっちだ……とバカなことを考えてたら「うまいよ」と言ってくれた。
「やった!」
「名前も食べてみな?」
「ダイエット中なのです」
「一口だけ。ほらあーん」
一口に割ったマフィンを口許にもってこられる。うむむ、バターの香りが食欲をそそる。欲に従ってパクリと食べてしまった。でもおいしい。最近甘いもの絶ってたから特においしい。にこにこしちゃう。
「ニコニコしちゃって。ほらついてる」
玲王くんの指でとられたマフィンのかけらは玲王くんの口の中に入っていった。えっちだ。玲王くんは仕草が一々かっこいいしえっちなのだ。モテるのも当然だ。
「んじゃ帰るか」
「今日もお世話になります」
「いーよ。通り道だし」
放課後の今日の凪くん会のあとは毎回送ってもらっている。最初は遠慮してたのだけど「だったら歩いて送ってやるよ」と脅されて? それからは車で一緒に帰っている。広い車の中で隣同士に座って色々話す。授業のことだったり体育がんばった話だったり弟がちょっぴり反抗期な話だったり。玲王くんは嫌な顔ひとつせず聞いてくれる。聞き上手なのだ。もちろん話し上手でもある。玲王くんの話は面白い。いつもにこにこになってしまう。話してるときもそうだろうけど。
家につくとちょうどよく帰ってきてたお母さんとばったり出会った。
「まあ、また送ってもらったのね。ごめんなさいね玲王くん」
「いいえ。ひとりで帰すほうが心配してしまうので気にしないでください」
「この子ったら玲王くんに甘えっぱなしで」
「甘えられて俺は嬉しいですよ?」
玲王くんがそう言うとお母さんはテンションが上がったようで私の背中をパシパシ叩いた。なんで。
「じゃあまた明日な名前」
「うん。また明日玲王くん」
玲王くんの大きい車は静かな音を立てて走り去っていった。
「はーっ。名前に玲王くんはもったいないわ」
「なにそれ失礼」
ずっと仲良しなのに。
そんな会話をしながら家に入っていった。
***
「うう、凪くんがパン食べてる……!」
「そら生きてるんだからパンくらい食べるでしょ。まだ二限目だけど」
「あのパンがうらやましい」
「それは気持ち悪い」
授業の合間の休憩時間。珍しく起きてる凪くんはもそもそパンを食べていた。可愛い。悶えてる私に対して友達の目は冷ややかだ。大丈夫なれてる。
「名前」
「玲王くん」
廊下側の窓際が私の席だ。そこからひょこりと顔を出すのは玲王くん。いつもの光景だ。
「名前口あーんてして」
「? あーん」
「ほら」
何か入れられてびっくりしたけど玲王くんが私に怪しいものを渡すはずがない。というかおいしい。なにこれ。甘い。濃厚。
「いちごミルクの飴。旨いだろ? おまえいちご好きだし」
こくこくいっぱい頷くと玲王くんは嬉しそうに笑う。
「ダイエット中でもたまにはな? あと昨日のマフィンのお礼」
玲王くんがそういうとなぜかクラスがざわめいた。なんだなんだ? 何かあったのかな。そう思いつつおいしい飴を舐める。これ中毒になりそうなくらい美味しい。それが伝わったのか玲王くんは悪戯っこのように笑った。
「いいことしたらご褒美でやるよ。ダイエット中なんだろ?」
「むむむ」
「なに言ってるか分からねえ」
そう言って頬をぷにぷにされる。嘘だ。玲王くんなら分かってるはずだ。不服ですって顔もしてるし。でもダイエット中なのは確かだ。飴だからといってたかをくくってはならない。
「じゃあな名前」
ぽんぽん頭を叩いて玲王くんは去っていった。別のクラスなの寂しいな。飴をコロコロしながらそう思った。
「はー……玲王様相変わらずだわ」
「?」
「あっまあま。あと無駄な牽制にも余念がない」
「???」
「あんた本当に寝太郎のことすきなの?」
頷く。
「寝太郎あんたのこと眼中にもないのに?」
「ううう」
「あと予言するけど絶対につき合ったりできないから」
そんなにいうほど!? とびっくりして飴落としそうになった。そこまで私に魅力がないのか……としょんぼりしていると「そうじゃなくて」と言葉が挟まる。
「外堀が完成してるのに逃げられるわけないでしょ」
よく分からなくて意味を聞こうとしたら先生がちょうどよく入ってきた。
どういう意味だろう。
***
「! 凪くんそのアプリゲーム私もやってるよ!」
「…………そうなの?」
チャンスは唐突に訪れた。放課後凪くんと話せる機会はないか伺っていたところ、凪くんのスマホから聞き慣れたメロディーが流れたのだ。
「うん! リリースしたときからやってるの!」
「へえ、俺も」
気が合ってる!
「フレンドになろうよ!」
このチャンスを逃してたまるかとぐいぐい迫っていると凪くんはうーん、と悩んでいる様子。
「うーん……むり」
「無理!?」
「うん。めんどくさそうだから」
「フレンドになるだけで!?」
「そうじゃなくて。あんたの彼氏が怒りそうだから」
そう言って凪くんはスマホをしまって帰ってしまった。……彼氏?
疑問符をいっぱい飛ばしてるところで後ろから「名前」と声をかけられた。
「玲王くん」
「どうした? ハテナマーク飛びまくってんぞ」
「玲王くん、私に彼氏っていたっけ……?」
現実逃避の言葉だった。凪くんに断られたショックからの。だから「いないだろ、何言ってんだ」と返ってくると思っていた。でも返ってこなかった。玲王くんは笑ったのだ。愉しげに。
「やっと気づいたか」
「やっとって……なにが?」
「おまえ以外の人間は俺と名前が付き合ってるって思ってること」
「えっ!?」
「当たり前だろ。ずっと一緒にいるんだしあんなにベタベタ触ってるんだから」
昨日も好きな子からマフィンもらうからって断ったしな、と玲王くんは言った。好きな子……?
「玲王くん、私以外からもらったりは……」
「してねーよ。名前だけ。俺にはずっと名前だけ」
「!」
「好きだよ名前」
ぶわわと顔に熱がたまってくる。なんで、いつからと頭を回転させているうちに玲王くんはこっちに近づいてきて、私の両頬を包んだ。
「そもそもあの寝太郎のこと好きって言ってるけど」
「う、うん」
「おまえ俺から離れられると思ってるの?」
「え」
「中等部からずーっと俺といるのに。俺以外と付き合うなら俺との付き合いはもう終わりっておまえ分かってないよな」
心臓がずん、と一気に重くなった。
玲王くんと離れる……? 想像もしてなかったことに思考が真っ暗になる。寒気がした。足が震える。動けなくなる。
そんな私に玲王くんは嬉しそうな表情を作った。
「な? 無理だろ?」
玲王くんはそう言って私のおでこにちゅ、と唇を寄せた。
「名前は俺のだし俺は名前のもの。これでいいよな?」
玲王くんの紫色の目がどんどん近づいてくる。瞳の中には唖然とした顔をした私がいて、それは途中で見えなくなった。玲王くんの長いまつげと唇に伝わる熱だけがそこにはあった。
「玲王くん!」
「しーっ。ここ図書室」
「ごめんね。話せるの嬉しくて」
「自習室いくか?」
「うん」
使っていた参考書をしまって自習室に行く。行く前からそわそわしてしまう。だって今日の話は一段と違っているのだ。
「で? 今日はどうだったわけ?」
「今日はね、調理実習で作ったマフィンを渡そうとしたの!」
「……ふーん、それで反応は?」
「いらないって!」
「駄目じゃねーか」
「会話になってるよ! いつもだったら「あー……」とか「ふーん」とか「で?」とかで終わってる!」
「それで喜んでるおまえが健気でかわいいよ」
「えへへ」
「褒めてねーからな? ……で、マフィンどうすんの」
「今ダイエット中だから家族にあげようかなって」
「それなら俺にくれよ」
「玲王くんいっぱいもらったんじゃないの?」
玲王様に渡す! って騒いでた子達いっぱいいたらそれを全部貰ってたらすごい量になっているはずだ。
「もらってない。平等にしなきゃダメだろ? そういうのは」
「私のはいいの?」
「相談料としてもらっとく」
「なるほど! 確かに!」
中等部からの仲の玲王くん。面倒見のいい彼にはいつもお世話になっている。勉強とか日常生活のこととかなんてない悩みまで。玲王くん様々だ。高校生になって別のクラスになったのは残念だったけど私はそこであの人と出会ったのだ。
「凪くん今日もかっこよかったなあ」
「寝てたんだろ? 今日も」
「お日様に当たって神々しかった!」
「どういう感想だよ」
高校からの編入組の凪誠士郎くん。はじめて見たときからこの人だ! となってしまったのだ。俗に言う一目惚れだ。万年寝太郎とか言われてるけど関係ない。寝ているときのフォームでさえ愛おしくなっちゃう。ドキドキしちゃう。これを玲王くんにいったら特殊性癖って言われたけど。
「まあいいか。で、マフィンは?」
「こちらになります!」
「おー綺麗に出来てるじゃん」
「がんばったの」
「えらいえらい」
ぽんぽん頭を撫でてくれる玲王くんに頬が緩んでしまう。褒められちゃった。嬉しい。
玲王くんは包装をといてマフィンにかぶりついた。ん、と口の端についたかけらを親指で拭う。なんかえっちだ……とバカなことを考えてたら「うまいよ」と言ってくれた。
「やった!」
「名前も食べてみな?」
「ダイエット中なのです」
「一口だけ。ほらあーん」
一口に割ったマフィンを口許にもってこられる。うむむ、バターの香りが食欲をそそる。欲に従ってパクリと食べてしまった。でもおいしい。最近甘いもの絶ってたから特においしい。にこにこしちゃう。
「ニコニコしちゃって。ほらついてる」
玲王くんの指でとられたマフィンのかけらは玲王くんの口の中に入っていった。えっちだ。玲王くんは仕草が一々かっこいいしえっちなのだ。モテるのも当然だ。
「んじゃ帰るか」
「今日もお世話になります」
「いーよ。通り道だし」
放課後の今日の凪くん会のあとは毎回送ってもらっている。最初は遠慮してたのだけど「だったら歩いて送ってやるよ」と脅されて? それからは車で一緒に帰っている。広い車の中で隣同士に座って色々話す。授業のことだったり体育がんばった話だったり弟がちょっぴり反抗期な話だったり。玲王くんは嫌な顔ひとつせず聞いてくれる。聞き上手なのだ。もちろん話し上手でもある。玲王くんの話は面白い。いつもにこにこになってしまう。話してるときもそうだろうけど。
家につくとちょうどよく帰ってきてたお母さんとばったり出会った。
「まあ、また送ってもらったのね。ごめんなさいね玲王くん」
「いいえ。ひとりで帰すほうが心配してしまうので気にしないでください」
「この子ったら玲王くんに甘えっぱなしで」
「甘えられて俺は嬉しいですよ?」
玲王くんがそう言うとお母さんはテンションが上がったようで私の背中をパシパシ叩いた。なんで。
「じゃあまた明日な名前」
「うん。また明日玲王くん」
玲王くんの大きい車は静かな音を立てて走り去っていった。
「はーっ。名前に玲王くんはもったいないわ」
「なにそれ失礼」
ずっと仲良しなのに。
そんな会話をしながら家に入っていった。
***
「うう、凪くんがパン食べてる……!」
「そら生きてるんだからパンくらい食べるでしょ。まだ二限目だけど」
「あのパンがうらやましい」
「それは気持ち悪い」
授業の合間の休憩時間。珍しく起きてる凪くんはもそもそパンを食べていた。可愛い。悶えてる私に対して友達の目は冷ややかだ。大丈夫なれてる。
「名前」
「玲王くん」
廊下側の窓際が私の席だ。そこからひょこりと顔を出すのは玲王くん。いつもの光景だ。
「名前口あーんてして」
「? あーん」
「ほら」
何か入れられてびっくりしたけど玲王くんが私に怪しいものを渡すはずがない。というかおいしい。なにこれ。甘い。濃厚。
「いちごミルクの飴。旨いだろ? おまえいちご好きだし」
こくこくいっぱい頷くと玲王くんは嬉しそうに笑う。
「ダイエット中でもたまにはな? あと昨日のマフィンのお礼」
玲王くんがそういうとなぜかクラスがざわめいた。なんだなんだ? 何かあったのかな。そう思いつつおいしい飴を舐める。これ中毒になりそうなくらい美味しい。それが伝わったのか玲王くんは悪戯っこのように笑った。
「いいことしたらご褒美でやるよ。ダイエット中なんだろ?」
「むむむ」
「なに言ってるか分からねえ」
そう言って頬をぷにぷにされる。嘘だ。玲王くんなら分かってるはずだ。不服ですって顔もしてるし。でもダイエット中なのは確かだ。飴だからといってたかをくくってはならない。
「じゃあな名前」
ぽんぽん頭を叩いて玲王くんは去っていった。別のクラスなの寂しいな。飴をコロコロしながらそう思った。
「はー……玲王様相変わらずだわ」
「?」
「あっまあま。あと無駄な牽制にも余念がない」
「???」
「あんた本当に寝太郎のことすきなの?」
頷く。
「寝太郎あんたのこと眼中にもないのに?」
「ううう」
「あと予言するけど絶対につき合ったりできないから」
そんなにいうほど!? とびっくりして飴落としそうになった。そこまで私に魅力がないのか……としょんぼりしていると「そうじゃなくて」と言葉が挟まる。
「外堀が完成してるのに逃げられるわけないでしょ」
よく分からなくて意味を聞こうとしたら先生がちょうどよく入ってきた。
どういう意味だろう。
***
「! 凪くんそのアプリゲーム私もやってるよ!」
「…………そうなの?」
チャンスは唐突に訪れた。放課後凪くんと話せる機会はないか伺っていたところ、凪くんのスマホから聞き慣れたメロディーが流れたのだ。
「うん! リリースしたときからやってるの!」
「へえ、俺も」
気が合ってる!
「フレンドになろうよ!」
このチャンスを逃してたまるかとぐいぐい迫っていると凪くんはうーん、と悩んでいる様子。
「うーん……むり」
「無理!?」
「うん。めんどくさそうだから」
「フレンドになるだけで!?」
「そうじゃなくて。あんたの彼氏が怒りそうだから」
そう言って凪くんはスマホをしまって帰ってしまった。……彼氏?
疑問符をいっぱい飛ばしてるところで後ろから「名前」と声をかけられた。
「玲王くん」
「どうした? ハテナマーク飛びまくってんぞ」
「玲王くん、私に彼氏っていたっけ……?」
現実逃避の言葉だった。凪くんに断られたショックからの。だから「いないだろ、何言ってんだ」と返ってくると思っていた。でも返ってこなかった。玲王くんは笑ったのだ。愉しげに。
「やっと気づいたか」
「やっとって……なにが?」
「おまえ以外の人間は俺と名前が付き合ってるって思ってること」
「えっ!?」
「当たり前だろ。ずっと一緒にいるんだしあんなにベタベタ触ってるんだから」
昨日も好きな子からマフィンもらうからって断ったしな、と玲王くんは言った。好きな子……?
「玲王くん、私以外からもらったりは……」
「してねーよ。名前だけ。俺にはずっと名前だけ」
「!」
「好きだよ名前」
ぶわわと顔に熱がたまってくる。なんで、いつからと頭を回転させているうちに玲王くんはこっちに近づいてきて、私の両頬を包んだ。
「そもそもあの寝太郎のこと好きって言ってるけど」
「う、うん」
「おまえ俺から離れられると思ってるの?」
「え」
「中等部からずーっと俺といるのに。俺以外と付き合うなら俺との付き合いはもう終わりっておまえ分かってないよな」
心臓がずん、と一気に重くなった。
玲王くんと離れる……? 想像もしてなかったことに思考が真っ暗になる。寒気がした。足が震える。動けなくなる。
そんな私に玲王くんは嬉しそうな表情を作った。
「な? 無理だろ?」
玲王くんはそう言って私のおでこにちゅ、と唇を寄せた。
「名前は俺のだし俺は名前のもの。これでいいよな?」
玲王くんの紫色の目がどんどん近づいてくる。瞳の中には唖然とした顔をした私がいて、それは途中で見えなくなった。玲王くんの長いまつげと唇に伝わる熱だけがそこにはあった。