少年漫画系
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「誠士郎ぉおお!!」
昼休み。凪と昼飯を食べ終わってダラダラとしていたときだった。びゅん! と目の前を通過した何かが凪に突っ込んだ。凪はぐふっと鈍い声を上げていた。
「名前……いたい」
「私の心もいたい……ハグしてぎゅってして」
「もーはいはい」
突っ込んできた生き物、名字に長い腕を回す凪。そしてそのままスマホゲームを再開しだした。
「いやおまえら距離感」
いつも通りにツッコむ。ツッコむがこれは日常だ。俺が凪と会う前、なんなら生後数ヶ月から一緒らしいこいつらの距離感はこれで合ってるらしい。現に教室にいる人間も気にしてはいない。名字が奇声を上げたときはギョッとしていたが、ああ……いつものか、とすぐに日常に戻っていた。いいのかそれで思わないわけでもないが、これが普通なんだ。こいつらにとっては。
「で、なんで凪に泣きついてんだ名前ちゃんはよ」
「先生にひどいこと言われた。PTAにちくってやる」
「なんて言われたんだ?」
「進路は真面目に考えなさいって」
「進路なんて書いたんだよ」
「誠士郎とずっと一緒」
「そこは怒られとけ」
「玲王くんも敵だった」
頭をぐりぐり凪の肩に押し付けて嘆く名字。気まぐれにぽんぽん頭を撫でる凪。きっと凪は話を聞いていない。
名字はこんな感じの結構くだらない理由で凪に泣きつく。面倒くさいの権化にだ。一度聞いたことがある。名字のこと面倒くさくないのかと。
『ほうっておいたほうが面倒くさい』
返ってきたのはこの言葉だった。これ以上、上があるのか言わんばかりのセリフ。想像したらげんなりした。面倒くせえなこの女。俺はそう思うのだが不思議と凪は名字を疎んじたりしない。
だか一方的に名字が凪に寄っかかってるのかと思うとそれも違う。ほうっておけばゼリー飲料ばかりの凪の為に朝、昼、夜と食事の世話をしてるのは名字だ。大手を振って面倒をみている。登校中、移動教室なんかで凪を引っ張るのも名字がやっている。四六時中常に一緒だ。おまえ疲れねーのと聞いたことがある。
『? なんでやりたいことやってて疲れるの?』
不思議そうな顔で「玲王くんも凪とサッカーやるまでの過程で疲れたりするの?」と聞かれてしまった。これで納得してしまったのである意味名字とは同類ということに気づいてしまったのだけど。
「あー名前寝ちゃった」
「嘘だろどんなタイミングだよ」
「この体勢じゃゲームやりにくい……」
そういって凪は机にスマホを置いて名字を抱えて膝の上に横向きに置いた。肩に頭を乗せる体勢になっている。名字は呑気な顔で寝ていた。
「うーんまだビミョーにやりにくい」
「俺が持つか?」
この台詞は100%下心抜きでの言葉だった。名字なんて凪にくっついてるマスコットみたいなものだったからだ。マスコットに欲情するやつはいない。
「 は ?」
それなのに凪は凍らせるような声色で俺を威嚇した。
「は? って……え? なんでだよ」
「なんではこっちの台詞。なんで玲王に名前を預けないといけないの」
「いやマスコットみたいなもんだし」
「名前がマスコット? ……まあ可愛いからそれは分かるけど玲王は男なんだから触れさせる訳ないでしょ」
男だから。
……いや、ちょっと待ておまえら。
「お前そういう意味で触れてたのか……?」
「男女の幼なじみでこんなにべったりなの普通だと思ってたの?」
「いや、だっておまえらだし……」
「俺と名前はこれからもずっと一緒にいるんだからこれが普通」
ずっと一緒。先ほど名字からも聞いた言葉だ。
「……名字、進路調査でおまえとずっと一緒って書いて怒られたんだとよ」
「? なんでそれで怒られるの? おかしくない?」
「……おまえらがお似合いなのは分かったわ」
「当たり前」
うんうんと頷く凪はいつもの凪に戻っていた。
割れ鍋に綴じ蓋。この言葉が頭に浮かび、なんだかどっと疲れた。というか「ほうっておいたほうが面倒くさい」の意味合いが違ってくるのでは……と考えたところで玲王は思考放棄した。
昼休み。凪と昼飯を食べ終わってダラダラとしていたときだった。びゅん! と目の前を通過した何かが凪に突っ込んだ。凪はぐふっと鈍い声を上げていた。
「名前……いたい」
「私の心もいたい……ハグしてぎゅってして」
「もーはいはい」
突っ込んできた生き物、名字に長い腕を回す凪。そしてそのままスマホゲームを再開しだした。
「いやおまえら距離感」
いつも通りにツッコむ。ツッコむがこれは日常だ。俺が凪と会う前、なんなら生後数ヶ月から一緒らしいこいつらの距離感はこれで合ってるらしい。現に教室にいる人間も気にしてはいない。名字が奇声を上げたときはギョッとしていたが、ああ……いつものか、とすぐに日常に戻っていた。いいのかそれで思わないわけでもないが、これが普通なんだ。こいつらにとっては。
「で、なんで凪に泣きついてんだ名前ちゃんはよ」
「先生にひどいこと言われた。PTAにちくってやる」
「なんて言われたんだ?」
「進路は真面目に考えなさいって」
「進路なんて書いたんだよ」
「誠士郎とずっと一緒」
「そこは怒られとけ」
「玲王くんも敵だった」
頭をぐりぐり凪の肩に押し付けて嘆く名字。気まぐれにぽんぽん頭を撫でる凪。きっと凪は話を聞いていない。
名字はこんな感じの結構くだらない理由で凪に泣きつく。面倒くさいの権化にだ。一度聞いたことがある。名字のこと面倒くさくないのかと。
『ほうっておいたほうが面倒くさい』
返ってきたのはこの言葉だった。これ以上、上があるのか言わんばかりのセリフ。想像したらげんなりした。面倒くせえなこの女。俺はそう思うのだが不思議と凪は名字を疎んじたりしない。
だか一方的に名字が凪に寄っかかってるのかと思うとそれも違う。ほうっておけばゼリー飲料ばかりの凪の為に朝、昼、夜と食事の世話をしてるのは名字だ。大手を振って面倒をみている。登校中、移動教室なんかで凪を引っ張るのも名字がやっている。四六時中常に一緒だ。おまえ疲れねーのと聞いたことがある。
『? なんでやりたいことやってて疲れるの?』
不思議そうな顔で「玲王くんも凪とサッカーやるまでの過程で疲れたりするの?」と聞かれてしまった。これで納得してしまったのである意味名字とは同類ということに気づいてしまったのだけど。
「あー名前寝ちゃった」
「嘘だろどんなタイミングだよ」
「この体勢じゃゲームやりにくい……」
そういって凪は机にスマホを置いて名字を抱えて膝の上に横向きに置いた。肩に頭を乗せる体勢になっている。名字は呑気な顔で寝ていた。
「うーんまだビミョーにやりにくい」
「俺が持つか?」
この台詞は100%下心抜きでの言葉だった。名字なんて凪にくっついてるマスコットみたいなものだったからだ。マスコットに欲情するやつはいない。
「 は ?」
それなのに凪は凍らせるような声色で俺を威嚇した。
「は? って……え? なんでだよ」
「なんではこっちの台詞。なんで玲王に名前を預けないといけないの」
「いやマスコットみたいなもんだし」
「名前がマスコット? ……まあ可愛いからそれは分かるけど玲王は男なんだから触れさせる訳ないでしょ」
男だから。
……いや、ちょっと待ておまえら。
「お前そういう意味で触れてたのか……?」
「男女の幼なじみでこんなにべったりなの普通だと思ってたの?」
「いや、だっておまえらだし……」
「俺と名前はこれからもずっと一緒にいるんだからこれが普通」
ずっと一緒。先ほど名字からも聞いた言葉だ。
「……名字、進路調査でおまえとずっと一緒って書いて怒られたんだとよ」
「? なんでそれで怒られるの? おかしくない?」
「……おまえらがお似合いなのは分かったわ」
「当たり前」
うんうんと頷く凪はいつもの凪に戻っていた。
割れ鍋に綴じ蓋。この言葉が頭に浮かび、なんだかどっと疲れた。というか「ほうっておいたほうが面倒くさい」の意味合いが違ってくるのでは……と考えたところで玲王は思考放棄した。