少年漫画系
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「全く……いい大人が恋愛事で騒ぐんじゃない」
「それ悟に言ってください! そもそもまだ付き合ってないです! でもいいんですか。このままほっておくと仲人にされちゃいますよ」
「あー……ごほん。まあ教え子の頼みなら吝かではない」
「駄目だノリノリだ……」
サングラスの奥の瞳が光るのが分かった。私と悟の元先生、現在は学長の夜峨さんの所へ仕事の話をしているときだった。「そういえば悟といい仲になったんだってな」吹き出した。もうやだこの世界狭すぎて情報が回るのが早い。「いつ頃にするんだ名前。繁忙期は避けてくれたら助かる」学長は私の訴えは訊かなかったことにしたらしい。いい大人なんだから自分の問題は自分でつけろってことなの……?
「多分そういうことなんじゃないの?」
「心読まないで……」
「名前のことなら大体分かるよ」
「ドキッとするから甘い言葉言わないで……」
「それは僥倖」
学長の部屋から出て少し先の場所で待っていた悟はするりと私の腰に手を回した。「昼時だしご飯いこうか」耳元で囁く内容じゃない。思わず耳を隠すと楽しそうに喉を鳴らしていた。
「っ、手! ここ職場!」
「職場じゃなかったらオーケーなんだ」
「違っいや、~~~ッ」
「はは、丸くなった」
その場にしゃがみこむ。もうなにがなにやら……
「そんなに照れ屋なのによく婚活がんばろうってなったね」
私の前に来て同じようにしゃがみ込んだ悟。ご機嫌オーラが隠し切れてない……今の悟なら特級100くらい消し去りそう……。そんなことを思いつつ
尊敬する父と母の顔が頭に浮かぶ。
「……因果な職業だからこそ、家庭はちゃんと作りなさいって両親が言ってたから」
「名前は名前のご両親のこと大好きだからね」
過去形じゃない言葉に悟の優しさが感じられて胸がくすぐったくなった。「じゃあ今度挨拶がてら一緒に墓参りに行こうか」気のせいかもしれない。
「“じゃあ”の意味が分からない……」
「挨拶はしとかなきゃ駄目でしょ」
「そういうことじゃなくてね」
常識人っぽいこと言ってるけどこれまでの過程を心から振り返ってほしい。私自身も悟が私のことをす、好きだって気づかなかったのは悪かったと思ってるけど。目を逸らしつつそう伝える。……悟と顔を合わせるのが恥ずかしいなんて初めてだ。
「ふっ」
「なんで笑うの……し、真剣に言ってるのに」
「ごめんごめん。嬉しいなって思って。名前に意識してもらえて」
いつもの軽薄な笑い方じゃなくて、なんというか綺麗な笑い方というか……いつもとは違う悟の笑い方に息を呑む。言葉が出ずに動揺していると悟はそのまま言葉を続けた。
「同時に名前が異性に対してこんなに照れ屋になるなんて知らなかったのは腹立たしいけど」
「ひえっ」
「まあ可愛いからいいかなってなってる」
「あ、頭の処理が追いつかない……」
ここまで来て悟の気持ちを疑うなんてことをするわけがない。嘘つきだけどこんな嘘をつくような人間じゃないのは分かっている。だから、今まで言われた言葉は全部悟の本心だ。……顔があつい。どうしようドキドキする。
「……ごめん。悟」
「え、それは振られるかんじ?」
「…………」
「ちょっと無言やめて」
少し声が焦ってる気がした。……なんだか今日は悟のめずらしい顔ばかり見る。
「私は悟のこと異性として全然見てなかった」
「……うんそうだね」
「それなのにあの、えっと……キスされてから、すごくドキドキして、悟の顔がみれない」
「…………」
「そういうのなんて言うかすごく調子いいなって罪悪感が……悟きいてる?」
「……きいてる」
「本当に?」
「ほんとほんと」
何故か下に顔を向けた悟。もともと目を隠しているせいでどんな顔色をしているかが分からない。というかすごく棒読みなんだけど……
「……こんなに青臭いと思わなかった」
「? 今なんて言ったの」
「なんでもない」
なんでもないよ。悟はそう小さく呟いた。……やっぱり調子狂うなぁ。ドキドキする。どうしたらいいんだろう。
190318
「それ悟に言ってください! そもそもまだ付き合ってないです! でもいいんですか。このままほっておくと仲人にされちゃいますよ」
「あー……ごほん。まあ教え子の頼みなら吝かではない」
「駄目だノリノリだ……」
サングラスの奥の瞳が光るのが分かった。私と悟の元先生、現在は学長の夜峨さんの所へ仕事の話をしているときだった。「そういえば悟といい仲になったんだってな」吹き出した。もうやだこの世界狭すぎて情報が回るのが早い。「いつ頃にするんだ名前。繁忙期は避けてくれたら助かる」学長は私の訴えは訊かなかったことにしたらしい。いい大人なんだから自分の問題は自分でつけろってことなの……?
「多分そういうことなんじゃないの?」
「心読まないで……」
「名前のことなら大体分かるよ」
「ドキッとするから甘い言葉言わないで……」
「それは僥倖」
学長の部屋から出て少し先の場所で待っていた悟はするりと私の腰に手を回した。「昼時だしご飯いこうか」耳元で囁く内容じゃない。思わず耳を隠すと楽しそうに喉を鳴らしていた。
「っ、手! ここ職場!」
「職場じゃなかったらオーケーなんだ」
「違っいや、~~~ッ」
「はは、丸くなった」
その場にしゃがみこむ。もうなにがなにやら……
「そんなに照れ屋なのによく婚活がんばろうってなったね」
私の前に来て同じようにしゃがみ込んだ悟。ご機嫌オーラが隠し切れてない……今の悟なら特級100くらい消し去りそう……。そんなことを思いつつ
尊敬する父と母の顔が頭に浮かぶ。
「……因果な職業だからこそ、家庭はちゃんと作りなさいって両親が言ってたから」
「名前は名前のご両親のこと大好きだからね」
過去形じゃない言葉に悟の優しさが感じられて胸がくすぐったくなった。「じゃあ今度挨拶がてら一緒に墓参りに行こうか」気のせいかもしれない。
「“じゃあ”の意味が分からない……」
「挨拶はしとかなきゃ駄目でしょ」
「そういうことじゃなくてね」
常識人っぽいこと言ってるけどこれまでの過程を心から振り返ってほしい。私自身も悟が私のことをす、好きだって気づかなかったのは悪かったと思ってるけど。目を逸らしつつそう伝える。……悟と顔を合わせるのが恥ずかしいなんて初めてだ。
「ふっ」
「なんで笑うの……し、真剣に言ってるのに」
「ごめんごめん。嬉しいなって思って。名前に意識してもらえて」
いつもの軽薄な笑い方じゃなくて、なんというか綺麗な笑い方というか……いつもとは違う悟の笑い方に息を呑む。言葉が出ずに動揺していると悟はそのまま言葉を続けた。
「同時に名前が異性に対してこんなに照れ屋になるなんて知らなかったのは腹立たしいけど」
「ひえっ」
「まあ可愛いからいいかなってなってる」
「あ、頭の処理が追いつかない……」
ここまで来て悟の気持ちを疑うなんてことをするわけがない。嘘つきだけどこんな嘘をつくような人間じゃないのは分かっている。だから、今まで言われた言葉は全部悟の本心だ。……顔があつい。どうしようドキドキする。
「……ごめん。悟」
「え、それは振られるかんじ?」
「…………」
「ちょっと無言やめて」
少し声が焦ってる気がした。……なんだか今日は悟のめずらしい顔ばかり見る。
「私は悟のこと異性として全然見てなかった」
「……うんそうだね」
「それなのにあの、えっと……キスされてから、すごくドキドキして、悟の顔がみれない」
「…………」
「そういうのなんて言うかすごく調子いいなって罪悪感が……悟きいてる?」
「……きいてる」
「本当に?」
「ほんとほんと」
何故か下に顔を向けた悟。もともと目を隠しているせいでどんな顔色をしているかが分からない。というかすごく棒読みなんだけど……
「……こんなに青臭いと思わなかった」
「? 今なんて言ったの」
「なんでもない」
なんでもないよ。悟はそう小さく呟いた。……やっぱり調子狂うなぁ。ドキドキする。どうしたらいいんだろう。
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