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この間街中で二人で歩いている風間さんと名前さんを見つけた。最上級ににやつきながら風間の腕に引っ付いて歩く名前さんと最上級に顔を不機嫌にして歩く風間さんの姿は大分シュールだった。基地では名前さんが引っ付いてもチョップしてはたき落とす風間さんが嫌そうな顔をしながらも拒否しないのは面白かった。
「萌袖! 萌袖しようよ風間!」
そしてすれ違い様に(俺には全く気づかなかった)聞こえてきた言葉に吹き出しかけた。想像したら失礼ながらもなかなか面白い光景だった。供にいた学校の友人が怪訝な顔をしていたが「写真とって家宝にするから!」「孫あたりに捨てられろ」という会話に押さえきれなくなって笑った。振りかえると相変わらずくっついて歩いている二人に別の意味で笑う。なんだかんだ言って仲がいいらしい。
そして次の日、本部に足を運ぶと食堂でご満悦そうな顔で遊真を抱っこしている名前さんの姿があった。
「遊真くんなにか食べたいのある? お姉さんなんでも買ってあげるよ!」
「うーん……このお汁粉っていうのが気になるな」
「お汁粉ね!」
意気揚々と財布と遊真を片手に券売機へ向かう名前さん。鍛えているからこそ出来ることだが努力の方向が残念過ぎる。様子をそのまま伺っていると券売機まで着き、片手で財布を扱うのは難しいと気づいた名前さんが遊真を降ろすのに葛藤していた。「ショタを自分から離すなんて……!」と大きな声で騒いだせいで食堂がざわざわし始めた。当の二人は全く気づいていない。俺の近くにいたC級隊員が「誘拐……?」と怯えたように呟いていた。その感想はある意味間違っていないな。
「名前さん貸して。この硬貨いれたらいいんでしょ?」
「首傾げるとか激かわッ!!」
「いれるから」
財布を持ち、硬貨を券売機に入れる遊真を両手で抱きしめて悶える名前さん。「ありがとう! ありがとう!!」とお礼を言い出した。幸せそうだ。
しかしそろそろ遊真を回収したほうがいいのだろうかと悩み始める。遊真自身は動じてないがレイジさんがいたら「悪影響だ」と言って連れて帰ろうとするだろう。でも後から名前さんに文句を言われるのは……と考えていると途端にざわついていた食堂が静かになる。振りかえると食堂の入口には殺意を纏った風間さんの姿が。顔を歪め早足で名前さんの元へ向かう。
「公共の場で性癖を披露するなと言っているだろう」
そして名前さんの後頭部に素早く手刀を入れた。痛みに悲鳴をあげた名前さんは遊真を丁寧に降ろし(痛みで落とさなかった執念とショタを大事にする心意気が少し恐ろしかった)涙目で風間さんに身体を向ける。
「危ないでしょ! 遊真くん落としそうになったじゃない!」
「そこか」
「そこだよ!」
頭を叩かれたことを怒らない名前さんに対して風間さんは心から侮蔑したような目を向ける。「反抗的な目もいいけど危ないことしちゃ駄目だよ風間!」と逆に名前さんは喜んでいたが。
言い合いを始めた二人に息を吐いてどうしたらいいかとぼんやりしている遊真を手招きして呼ぶ。
「とりまる先輩も来てたんだな」
「少し用があってな。名前さんに何もされてないか?」
「お汁粉買ってもらった」
お汁粉片手に少し高揚した様子だ。名前さんの奇行に動じてないらしい。あの菊地原でさえ振り回されていたのにすごいなと少し感心した。「髪の毛サラサラだねぇお姉さんにアレンジさせてよー!!」「歌川風間さん呼んできて! ちょ、どこ触ってんのさ!」と中学時代大変そうだった。約一年前の出来事を思い出していると遊真が風間さんと名前さんに口を開いた。
「風間先輩と名前さんは仲良しだな」
「仲良し……」
一方が罵り、一方がそれに喜ぶ光景を見てそう言った遊真。昨日の二人を見たならそう言えるだろうがあれを見てその感想か……と困惑していると楽しげに笑いながら話し出す。
「おまえの世話をする身にもなれ。心から迷惑だ……って言ってるけどウソだし」
「…………」
「あんな両想いもあるんだな」
うんうんと納得したように頷く遊真は風間さんたちを見て愉しそうに笑う。あれはなかなか珍しいパターンだと言おうとしてやめた。突っ込まれでもしたら流石に風間さんが黙ってない。結局二人で仲良く食堂から出て行った名前さんと風間さんにそっと息を吐いた。
「萌袖! 萌袖しようよ風間!」
そしてすれ違い様に(俺には全く気づかなかった)聞こえてきた言葉に吹き出しかけた。想像したら失礼ながらもなかなか面白い光景だった。供にいた学校の友人が怪訝な顔をしていたが「写真とって家宝にするから!」「孫あたりに捨てられろ」という会話に押さえきれなくなって笑った。振りかえると相変わらずくっついて歩いている二人に別の意味で笑う。なんだかんだ言って仲がいいらしい。
そして次の日、本部に足を運ぶと食堂でご満悦そうな顔で遊真を抱っこしている名前さんの姿があった。
「遊真くんなにか食べたいのある? お姉さんなんでも買ってあげるよ!」
「うーん……このお汁粉っていうのが気になるな」
「お汁粉ね!」
意気揚々と財布と遊真を片手に券売機へ向かう名前さん。鍛えているからこそ出来ることだが努力の方向が残念過ぎる。様子をそのまま伺っていると券売機まで着き、片手で財布を扱うのは難しいと気づいた名前さんが遊真を降ろすのに葛藤していた。「ショタを自分から離すなんて……!」と大きな声で騒いだせいで食堂がざわざわし始めた。当の二人は全く気づいていない。俺の近くにいたC級隊員が「誘拐……?」と怯えたように呟いていた。その感想はある意味間違っていないな。
「名前さん貸して。この硬貨いれたらいいんでしょ?」
「首傾げるとか激かわッ!!」
「いれるから」
財布を持ち、硬貨を券売機に入れる遊真を両手で抱きしめて悶える名前さん。「ありがとう! ありがとう!!」とお礼を言い出した。幸せそうだ。
しかしそろそろ遊真を回収したほうがいいのだろうかと悩み始める。遊真自身は動じてないがレイジさんがいたら「悪影響だ」と言って連れて帰ろうとするだろう。でも後から名前さんに文句を言われるのは……と考えていると途端にざわついていた食堂が静かになる。振りかえると食堂の入口には殺意を纏った風間さんの姿が。顔を歪め早足で名前さんの元へ向かう。
「公共の場で性癖を披露するなと言っているだろう」
そして名前さんの後頭部に素早く手刀を入れた。痛みに悲鳴をあげた名前さんは遊真を丁寧に降ろし(痛みで落とさなかった執念とショタを大事にする心意気が少し恐ろしかった)涙目で風間さんに身体を向ける。
「危ないでしょ! 遊真くん落としそうになったじゃない!」
「そこか」
「そこだよ!」
頭を叩かれたことを怒らない名前さんに対して風間さんは心から侮蔑したような目を向ける。「反抗的な目もいいけど危ないことしちゃ駄目だよ風間!」と逆に名前さんは喜んでいたが。
言い合いを始めた二人に息を吐いてどうしたらいいかとぼんやりしている遊真を手招きして呼ぶ。
「とりまる先輩も来てたんだな」
「少し用があってな。名前さんに何もされてないか?」
「お汁粉買ってもらった」
お汁粉片手に少し高揚した様子だ。名前さんの奇行に動じてないらしい。あの菊地原でさえ振り回されていたのにすごいなと少し感心した。「髪の毛サラサラだねぇお姉さんにアレンジさせてよー!!」「歌川風間さん呼んできて! ちょ、どこ触ってんのさ!」と中学時代大変そうだった。約一年前の出来事を思い出していると遊真が風間さんと名前さんに口を開いた。
「風間先輩と名前さんは仲良しだな」
「仲良し……」
一方が罵り、一方がそれに喜ぶ光景を見てそう言った遊真。昨日の二人を見たならそう言えるだろうがあれを見てその感想か……と困惑していると楽しげに笑いながら話し出す。
「おまえの世話をする身にもなれ。心から迷惑だ……って言ってるけどウソだし」
「…………」
「あんな両想いもあるんだな」
うんうんと納得したように頷く遊真は風間さんたちを見て愉しそうに笑う。あれはなかなか珍しいパターンだと言おうとしてやめた。突っ込まれでもしたら流石に風間さんが黙ってない。結局二人で仲良く食堂から出て行った名前さんと風間さんにそっと息を吐いた。