少年漫画系
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・コナンSS再録
・本庁の刑事(だけど一切)恋(愛しない)物語
・クールビズな千葉刑事
1.
捜査一課強行班係。刑事の花形部署。そこにいる人間は大なり小なりあるが立派な志を持った警察官ばかりだ。そんな中で「何でおまえ刑事やってんだ」という視線を送られるのが私だった。
「銀行強盗なんてよくやるよねぇ…」
「ほら、聞き込みいきますよ、先輩」
千葉くんの運転で例の強盗事件が起きた銀行まで向かう。目暮警部の奥さんのみどりさんが人質になったからと警部はすごく張り切っているわけだが…。銀行強盗何日前の話だよ…野次馬さんたちは大体話を盛るからあんまり参考にならないんだよ…。銀行に閉じ込められた人たちは拳銃向けられてそれどころじゃなかっただろうし…。
「被害に合った支店長はつかえねーし」
「怒られますよ!」
横で千葉くんがぷんすかしているが窓の外を見ながら「あ、お空きれい」と呟くとそれ以上なにも言ってこなかった。千葉くんが強行班係に配属されてそこそこの日が経つが、配属されたばかりの初々しい反応がなくなっていっている気がする。
「そういえば捜査会議に高木くんいなかったけどサボリ?」
いいなぁ私もサボリたい…と力なく呟くと「違います。例の古城の事件の事情聴取です」と返ってきた。ああ、なんか老人に整形したっていうとんでも犯人の事件ね。城の財宝目当てだったらしい。金は人をダメにするね…そこそこ稼いでせこせこ生きるのが一番だ。
「私はね、千葉くん。小さな離島で住民の人たちと将棋でもさしてのんびり駐在さんライフが警察官の理想的なあり方だと思うんだよねぇ」
「先輩ならきっとなれますよ」
些か棒読みな気がしたが千葉くんに応援されたのでそれを目標に今日も一日がんばろうと思う。途中白鳥警部補…警部になったんだっけ?まぁ白鳥さんから「銀行強盗の犯人は外国人だ!」「すぐに捜査本部に連絡を!」と佐藤刑事の携帯越しに指示があったが「それは違うんじゃなーい?」という子どもの声に諭されていた。あの人何で子どもと遊んでいるんだ。働けよ。
2.高木逃走中
護送中の被疑者を高木くんが逃がしてしまったと本庁では大賑わいだった。高木くんそんなサプライズいらないから。そう思いつつ千葉くんの運転で応援に向かっていたときだった。
「………あれ」
「どうしました?先輩」
「いやね、子ども連れのお父さん?が高木くんにクリソツだった」
店から出てきたスーツに帽子の男と5人の子ども。車だったのでちらっとしか見えなかったがなかなか高木くんに似ていた。でも高木くんは佐藤刑事に片思い中のロンリーウルフだから違うだろう。5人の子持ちなんてアットホームさは持ち合わせていない。
「似てる人は世界にご、ご、五十万人?くらいいるって言うしね。きっと人違いだ」
「そんなにいたら同じ顔の人間だらけになります」
東京の人口なめるなよ。一千万だぞ。……五十万もいたら同じ顔ばっかりになるか。そんな会話をしていたら「高木、佐藤が容疑者に拉致監禁!」という物騒な無線が流れた。どこ情報なのそれ。佐藤刑事がそう簡単に捕まるかね。あのアクロバティック刑事が。高木くんは捕まりそうだけど。サプライズ刑事だから。
「高木拉致了解ー」
「適当な返事返さないでください!」
***
トロピカルレインボーというおもしろアトラクションのような名前の爆弾。詐欺だろ、と文句を言いたくなるその爆弾に佐藤刑事と元被疑者の東田さんが吹き飛びかけた。それを阻止したのは白鳥さんの覆面パトカーに乗っていた小学生で。後ろから白鳥さんの車を追っていた私は全てみた。車の上に乗ってサイレンを蹴り飛ばし、爆弾を作った博士にぶち当てたのを。堂々たる犯行だった。あれはきっと蹴り慣れている。手錠から解放された佐藤刑事に恐る恐る話しかける。
「あのメガネの子すごいですね…」
「コナンくんの事?」
「彼は滋賀の出身なんですか」
「えっ、それは聞いたことないわね…」
よほど地元愛に溢れるご両親につけてもらったに違いない。メガネの子は滋賀出身。湖南くん。いい名前だ。
160820
・本庁の刑事(だけど一切)恋(愛しない)物語
・クールビズな千葉刑事
1.
捜査一課強行班係。刑事の花形部署。そこにいる人間は大なり小なりあるが立派な志を持った警察官ばかりだ。そんな中で「何でおまえ刑事やってんだ」という視線を送られるのが私だった。
「銀行強盗なんてよくやるよねぇ…」
「ほら、聞き込みいきますよ、先輩」
千葉くんの運転で例の強盗事件が起きた銀行まで向かう。目暮警部の奥さんのみどりさんが人質になったからと警部はすごく張り切っているわけだが…。銀行強盗何日前の話だよ…野次馬さんたちは大体話を盛るからあんまり参考にならないんだよ…。銀行に閉じ込められた人たちは拳銃向けられてそれどころじゃなかっただろうし…。
「被害に合った支店長はつかえねーし」
「怒られますよ!」
横で千葉くんがぷんすかしているが窓の外を見ながら「あ、お空きれい」と呟くとそれ以上なにも言ってこなかった。千葉くんが強行班係に配属されてそこそこの日が経つが、配属されたばかりの初々しい反応がなくなっていっている気がする。
「そういえば捜査会議に高木くんいなかったけどサボリ?」
いいなぁ私もサボリたい…と力なく呟くと「違います。例の古城の事件の事情聴取です」と返ってきた。ああ、なんか老人に整形したっていうとんでも犯人の事件ね。城の財宝目当てだったらしい。金は人をダメにするね…そこそこ稼いでせこせこ生きるのが一番だ。
「私はね、千葉くん。小さな離島で住民の人たちと将棋でもさしてのんびり駐在さんライフが警察官の理想的なあり方だと思うんだよねぇ」
「先輩ならきっとなれますよ」
些か棒読みな気がしたが千葉くんに応援されたのでそれを目標に今日も一日がんばろうと思う。途中白鳥警部補…警部になったんだっけ?まぁ白鳥さんから「銀行強盗の犯人は外国人だ!」「すぐに捜査本部に連絡を!」と佐藤刑事の携帯越しに指示があったが「それは違うんじゃなーい?」という子どもの声に諭されていた。あの人何で子どもと遊んでいるんだ。働けよ。
2.高木逃走中
護送中の被疑者を高木くんが逃がしてしまったと本庁では大賑わいだった。高木くんそんなサプライズいらないから。そう思いつつ千葉くんの運転で応援に向かっていたときだった。
「………あれ」
「どうしました?先輩」
「いやね、子ども連れのお父さん?が高木くんにクリソツだった」
店から出てきたスーツに帽子の男と5人の子ども。車だったのでちらっとしか見えなかったがなかなか高木くんに似ていた。でも高木くんは佐藤刑事に片思い中のロンリーウルフだから違うだろう。5人の子持ちなんてアットホームさは持ち合わせていない。
「似てる人は世界にご、ご、五十万人?くらいいるって言うしね。きっと人違いだ」
「そんなにいたら同じ顔の人間だらけになります」
東京の人口なめるなよ。一千万だぞ。……五十万もいたら同じ顔ばっかりになるか。そんな会話をしていたら「高木、佐藤が容疑者に拉致監禁!」という物騒な無線が流れた。どこ情報なのそれ。佐藤刑事がそう簡単に捕まるかね。あのアクロバティック刑事が。高木くんは捕まりそうだけど。サプライズ刑事だから。
「高木拉致了解ー」
「適当な返事返さないでください!」
***
トロピカルレインボーというおもしろアトラクションのような名前の爆弾。詐欺だろ、と文句を言いたくなるその爆弾に佐藤刑事と元被疑者の東田さんが吹き飛びかけた。それを阻止したのは白鳥さんの覆面パトカーに乗っていた小学生で。後ろから白鳥さんの車を追っていた私は全てみた。車の上に乗ってサイレンを蹴り飛ばし、爆弾を作った博士にぶち当てたのを。堂々たる犯行だった。あれはきっと蹴り慣れている。手錠から解放された佐藤刑事に恐る恐る話しかける。
「あのメガネの子すごいですね…」
「コナンくんの事?」
「彼は滋賀の出身なんですか」
「えっ、それは聞いたことないわね…」
よほど地元愛に溢れるご両親につけてもらったに違いない。メガネの子は滋賀出身。湖南くん。いい名前だ。
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