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バカと天才は紙一重って言葉を作った人間は凄いと思う。
「で、くまたん21号を破壊しようとすると爆破装置が作動する仕掛けになってるの」
目をキラキラさせてそう説明する名字。表情と話の内容が合ってない。陽介は爆笑しながらその話を聞いている。俺は顔が引きつりそうだった。
「この間のくまたん13号はどうしたんだー?」
「……あれは荒船さんに壊された。なかなかの出来だったのに」
「すげーな荒船さん。くまたん13号ってたしかトリオン吸収するやつだろ?」
待てなんだその悪魔のような機能は。
「ガンナーとスナイパーの攻撃は吸収出来たんだけどアタッカーの攻撃はちょっと無理だった」
「あーなるほどー」
なるほどじゃない。しれっと凄い事をしているのに気づいてないのかこいつら。怪訝な顔をしている俺を見て何を勘違いしたのか名字は「三輪にも護身用くまたん作ってあげようか?」といらん気を回してきた。なんだ護身用くまたんって。速攻で首を横に振った。
「えーいいの? 最近物騒ですよ」
おまえの作るものに比べたら平和だ。名字の言葉に頑なに首を振る俺に陽介はぶっ! と吹き出した。
「そんな警戒すんなって。護身用くまたんは軽く電撃走るくらいだ」
「あったかくなったら不審者増えるからねぇ」
こいつらの基準が理解出来ない。いやしたくない。軽く走る電撃なんて全く軽くない。そして日々ネイバーと戦っている俺が不審者に負けると思っているのか。そう言おうとしたが口を閉ざす。こいつらに一般的な話をして通じるわけがない。
「あ、そう言えば今日出水が告白されるっていってた」
「……は!? オレ聞いてねーんだけど!」
「うん。絶対言うなよっていわれたから」
「ナイス! そういうとこ好きだぜ!」
親指を立てる陽介になんとなくといった感じでありがとーと返す名字。人選ミスだな出水。
肩を寄せ合って出水と連絡をとる陽介と名字。が、当たり前だが連絡がつかないらしい。
「携帯切ってやがる弾バカ」
「そんなとき護身用くまたんが役にたつのです」
「お、なになに新機能?」
「うん。まだ試作品だから出水にしかあげてないけど」
試作品という言葉に嫌な予感しかしない。ノートパソコンを開いて操作を始めた名字から少し距離をとる。
「もしものとき、居場所がわからないとき、不審者にあったときを考慮してGPS&盗聴機能をつけてみました」
「おおー」
「おおじゃない! 犯罪だろそれ!」
しまった、せっかく離れたのに突っ込んでしまった。そしてなんでおまえはそんなに不審者の心配をしているんだ。
「非常事態のときは仕方ないんだよ三輪」
「この状況のどこが非常事態だ」
「米屋を差し置いて出水に彼女ができること?」
「そりゃ非常事態だ」
完全に面白がってる陽介が止める様子はない。俺が止める義理もないしそもそも関わりたくない。ここに奈良坂がいたら止めただろうがあいにくあいつは学校が違う。運が悪かったな出水。
「お、音声とどいた」
《ーーー……あーっと、この手紙くれたの君? 》
「ちょうどじゃん!」
「場所は体育館裏」
なんて技術の無駄遣いだ。盗み聞きする話じゃないため教室に戻ろうとしたが意気揚々とした陽介に捕まり不可能となる。
《ーーー……えーっと、これに書いてあったの、……まじ? 》
「なんか様子変じゃね?」
「びっくりしてる」
「いいから早く終われ……」
《ーーーあ、まじなの……か。ちょ、泣くなよ! 》
「泣かした」
「なんて罪深いやつだ」
「早く終われ……」
《ーーーー俺はずっと出水くんが好きだったんだ! 》
《ーーーちょ、落ち着けって! 》
「…………ん?」
「…………俺?」
「……ちょっとまて」
流れがおかしい。
疑問符を浮かべる名字に同じく疑問符を浮かべた陽介が質問する。
「名前、差出人の名前知ってるか?」
「米屋と三輪のクラスの山田楓(カエデ)ちゃん」
「「…………」」
《ーーーお、男だからって男の事すきになるのは自由だろう!? 》
「………楓じゃなくて颯(ハヤテ)だ」
「…………あらー」
ーーープチ
俺の言葉に名字はパソコンの電源を切った。
名字曰わく、昼休みが終わると疲れきった顔の出水が帰ってきたらしい。何があったかは聞かなかったという。珍しく賢明な判断だ。
「で、くまたん21号を破壊しようとすると爆破装置が作動する仕掛けになってるの」
目をキラキラさせてそう説明する名字。表情と話の内容が合ってない。陽介は爆笑しながらその話を聞いている。俺は顔が引きつりそうだった。
「この間のくまたん13号はどうしたんだー?」
「……あれは荒船さんに壊された。なかなかの出来だったのに」
「すげーな荒船さん。くまたん13号ってたしかトリオン吸収するやつだろ?」
待てなんだその悪魔のような機能は。
「ガンナーとスナイパーの攻撃は吸収出来たんだけどアタッカーの攻撃はちょっと無理だった」
「あーなるほどー」
なるほどじゃない。しれっと凄い事をしているのに気づいてないのかこいつら。怪訝な顔をしている俺を見て何を勘違いしたのか名字は「三輪にも護身用くまたん作ってあげようか?」といらん気を回してきた。なんだ護身用くまたんって。速攻で首を横に振った。
「えーいいの? 最近物騒ですよ」
おまえの作るものに比べたら平和だ。名字の言葉に頑なに首を振る俺に陽介はぶっ! と吹き出した。
「そんな警戒すんなって。護身用くまたんは軽く電撃走るくらいだ」
「あったかくなったら不審者増えるからねぇ」
こいつらの基準が理解出来ない。いやしたくない。軽く走る電撃なんて全く軽くない。そして日々ネイバーと戦っている俺が不審者に負けると思っているのか。そう言おうとしたが口を閉ざす。こいつらに一般的な話をして通じるわけがない。
「あ、そう言えば今日出水が告白されるっていってた」
「……は!? オレ聞いてねーんだけど!」
「うん。絶対言うなよっていわれたから」
「ナイス! そういうとこ好きだぜ!」
親指を立てる陽介になんとなくといった感じでありがとーと返す名字。人選ミスだな出水。
肩を寄せ合って出水と連絡をとる陽介と名字。が、当たり前だが連絡がつかないらしい。
「携帯切ってやがる弾バカ」
「そんなとき護身用くまたんが役にたつのです」
「お、なになに新機能?」
「うん。まだ試作品だから出水にしかあげてないけど」
試作品という言葉に嫌な予感しかしない。ノートパソコンを開いて操作を始めた名字から少し距離をとる。
「もしものとき、居場所がわからないとき、不審者にあったときを考慮してGPS&盗聴機能をつけてみました」
「おおー」
「おおじゃない! 犯罪だろそれ!」
しまった、せっかく離れたのに突っ込んでしまった。そしてなんでおまえはそんなに不審者の心配をしているんだ。
「非常事態のときは仕方ないんだよ三輪」
「この状況のどこが非常事態だ」
「米屋を差し置いて出水に彼女ができること?」
「そりゃ非常事態だ」
完全に面白がってる陽介が止める様子はない。俺が止める義理もないしそもそも関わりたくない。ここに奈良坂がいたら止めただろうがあいにくあいつは学校が違う。運が悪かったな出水。
「お、音声とどいた」
《ーーー……あーっと、この手紙くれたの君? 》
「ちょうどじゃん!」
「場所は体育館裏」
なんて技術の無駄遣いだ。盗み聞きする話じゃないため教室に戻ろうとしたが意気揚々とした陽介に捕まり不可能となる。
《ーーー……えーっと、これに書いてあったの、……まじ? 》
「なんか様子変じゃね?」
「びっくりしてる」
「いいから早く終われ……」
《ーーーあ、まじなの……か。ちょ、泣くなよ! 》
「泣かした」
「なんて罪深いやつだ」
「早く終われ……」
《ーーーー俺はずっと出水くんが好きだったんだ! 》
《ーーーちょ、落ち着けって! 》
「…………ん?」
「…………俺?」
「……ちょっとまて」
流れがおかしい。
疑問符を浮かべる名字に同じく疑問符を浮かべた陽介が質問する。
「名前、差出人の名前知ってるか?」
「米屋と三輪のクラスの山田楓(カエデ)ちゃん」
「「…………」」
《ーーーお、男だからって男の事すきになるのは自由だろう!? 》
「………楓じゃなくて颯(ハヤテ)だ」
「…………あらー」
ーーープチ
俺の言葉に名字はパソコンの電源を切った。
名字曰わく、昼休みが終わると疲れきった顔の出水が帰ってきたらしい。何があったかは聞かなかったという。珍しく賢明な判断だ。