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名字隊の隊長名字名前と風間隊の隊長風間蒼也は同期である。これはボーダー内では周知の事実だった。そして二人の微妙な関係も周知の事実だった。
「ひっ! かざ、風間くん……、えっと、な何でしょうか……?」
「……………」
かたや腰を低く脅えた様子で、かたや眉を吊り上げいつも以上に冷たい表情で。その光景は捕食者と被捕食者のようだった。身長は若干だが名前の方が高いはずなのに心なしか風間の方が大きく見える。錯覚だろうか、と目を擦るが気のせいではなかった。どれだけ腰が引けてるのだろうか、と溜め息をつくのは名前の弟子でもある奈良坂だった。
「……この間、おまえの隊が倒した近界民のデータがほしい」
「で、データですか……それなら花ちゃんに連絡を、」
「花島さんは今日は非番なんだろう。だからおまえの所に来たんだ。そのくらい察しろ」
「も、申し訳ありません! 少々お待ちを!!」
そう言ってダッシュで名字隊のオペレータールームへ向かう名前。心なしかいつもより足が早い。というよりもあの人たち本当に同期か? 名前は風間の部下か何かにしか見えない。ちなみに花島とは名字隊のオペレーターの名前だ。
奈良坂が怪訝な表情で二名のやりとり見てると、名前がいなくなった途端に「……はぁ」と風間が重々しく溜め息をついた。使えない奴だなとか思っているのだろうか。奈良坂の表情が歪む。名前は確かに頼りないがやるときはやる人間だ。この間も当真にランク戦を挑まれて半泣きになりながらも勝ったし、その後荒船に詰め寄られて逃げ回っていた、……が、迅に面白がられて追いかけられてたが…………自分の師匠ながら情けない。実力はあるのだからもっと堂々としてほしい。特に年下相手にはもっと毅然とした態度で接することはできないか。せめて中学生にはどもらないで話すくらいになれないか。
今度は奈良坂が溜め息をつくと、ドドドドドと音を鳴らしながら必死の形相の名前が帰って来た。ちょっと泣いてる。
「お待たせしました!! お納めください!」
名前さん、それは違う。
腰を90度に曲げ、データの入ったディスクを風間に掲げる名前。手が若干どころか大分震えている。余程風間が怖いらしい。同期のやりとりに首突っこむのもな……と思っていたが流石に名前が可哀想になってきた奈良坂。二人のいる所へ向かおうとするとぐっと肩を掴まれ阻止された。振り返るとにやにや笑っている迅の姿があった。
「迅さん、名前さんが……」
「いいから少し見てなって」
なぜか楽しそうな迅に疑問符を飛ばしながら足を止める。どうする気だこの人……?
すると口を引き締めて一言も言葉を発しなかった風間が組んでいた手をほどき、右手を名前の肩に置いた。名前は「ひぃ!?」と小さく悲鳴をあげた。
「……………ご、ご苦労」
無理やり口を引き上げようとしているが全く笑えていない。逆に引きつり切っていて恐ろしい。顔をあげてしまった名前はその場で腰を抜かした。あ、泣いてる。
「い、命だけは……!!」
「……………」
泣きながら命乞いする名前と表情を再び無にした風間、そして腹を抱えて爆笑する迅。俺はどうしたらいいんだ。奈良坂は痛む頭を抑えた。
「ひっ! かざ、風間くん……、えっと、な何でしょうか……?」
「……………」
かたや腰を低く脅えた様子で、かたや眉を吊り上げいつも以上に冷たい表情で。その光景は捕食者と被捕食者のようだった。身長は若干だが名前の方が高いはずなのに心なしか風間の方が大きく見える。錯覚だろうか、と目を擦るが気のせいではなかった。どれだけ腰が引けてるのだろうか、と溜め息をつくのは名前の弟子でもある奈良坂だった。
「……この間、おまえの隊が倒した近界民のデータがほしい」
「で、データですか……それなら花ちゃんに連絡を、」
「花島さんは今日は非番なんだろう。だからおまえの所に来たんだ。そのくらい察しろ」
「も、申し訳ありません! 少々お待ちを!!」
そう言ってダッシュで名字隊のオペレータールームへ向かう名前。心なしかいつもより足が早い。というよりもあの人たち本当に同期か? 名前は風間の部下か何かにしか見えない。ちなみに花島とは名字隊のオペレーターの名前だ。
奈良坂が怪訝な表情で二名のやりとり見てると、名前がいなくなった途端に「……はぁ」と風間が重々しく溜め息をついた。使えない奴だなとか思っているのだろうか。奈良坂の表情が歪む。名前は確かに頼りないがやるときはやる人間だ。この間も当真にランク戦を挑まれて半泣きになりながらも勝ったし、その後荒船に詰め寄られて逃げ回っていた、……が、迅に面白がられて追いかけられてたが…………自分の師匠ながら情けない。実力はあるのだからもっと堂々としてほしい。特に年下相手にはもっと毅然とした態度で接することはできないか。せめて中学生にはどもらないで話すくらいになれないか。
今度は奈良坂が溜め息をつくと、ドドドドドと音を鳴らしながら必死の形相の名前が帰って来た。ちょっと泣いてる。
「お待たせしました!! お納めください!」
名前さん、それは違う。
腰を90度に曲げ、データの入ったディスクを風間に掲げる名前。手が若干どころか大分震えている。余程風間が怖いらしい。同期のやりとりに首突っこむのもな……と思っていたが流石に名前が可哀想になってきた奈良坂。二人のいる所へ向かおうとするとぐっと肩を掴まれ阻止された。振り返るとにやにや笑っている迅の姿があった。
「迅さん、名前さんが……」
「いいから少し見てなって」
なぜか楽しそうな迅に疑問符を飛ばしながら足を止める。どうする気だこの人……?
すると口を引き締めて一言も言葉を発しなかった風間が組んでいた手をほどき、右手を名前の肩に置いた。名前は「ひぃ!?」と小さく悲鳴をあげた。
「……………ご、ご苦労」
無理やり口を引き上げようとしているが全く笑えていない。逆に引きつり切っていて恐ろしい。顔をあげてしまった名前はその場で腰を抜かした。あ、泣いてる。
「い、命だけは……!!」
「……………」
泣きながら命乞いする名前と表情を再び無にした風間、そして腹を抱えて爆笑する迅。俺はどうしたらいいんだ。奈良坂は痛む頭を抑えた。