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「じんー」
「ん?どうした名前」
「じんはろりこんなの?」
名前がそう尋ねると迅は浮かべていた笑みを凍らせた。そしてその状態のまま話を続ける。
「ろりこんはこわいってきいたよ」
「ちなみに誰に」
「じんのお姉ちゃん」
「あはは。あの人な、言ってること殆どが嘘だからな?ちなみにあいつは姉じゃないよ」
あんなのが姉であってたまるかと心の中で呟き、目を真ん丸にした小さい女の子に言い聞かせるように優しく言う迅。陽太郎の妹の名前。三歳。なんでも信じてしまうお年頃だった。
「ウソなのー?」
「そうだよ」
「………ウソだ」
「なんで!?」
「お姉ちゃん、名前にはウソつかないっていったもん」
膨れっ面でそう言う名前に癒されつつもそれ自体嘘だぞと突っ込みたい。しかし「お姉ちゃん悪くいうひときらい」とじっと見つめてくる(本人は睨んでいるつもり)名前にそんなこと言えるはずもなく、「ごめんな、おれが悪かった」となんの罪もない謝罪をした。あとで覚えてろと本部にいるだろうあの人物を思い浮かべながら。
「うむ。ゆるす!」
腕を組んで納得したようにそう言った名前。陽太郎のような言い回しをしているのは少し気になるが迅はその小さな頭に手を置き、優しく撫でる。気持ちよさそうに目を細める名前。ああ、和む。
「じん」
「なぁに?」
「ほんぶいきたい」
その言葉に嫌な予感がしつつ優しく「なんで?」と聞くと「お姉ちゃんにあいたいの」との返答。玉狛の天使はなぜかあの毒そのものの人物に懐いていた。小さい子供には甘かったような気がするがここまで懐く理由が分からない。分からないが名前の情緒教育のためには会わせたくないというのが本音だ。「今日はおれと玉狛で遊ぼうよ」「やだお姉ちゃんとあそぶの」「お、お姉ちゃんはお仕事だぞ?」「まつの!」名前は陽太郎に似て頑固な面もあった。
10分後、遂にぐずりだした名前を抱っこして本部へ向かう迅の姿があった。…会わせたくない。
*****
「あれ迅さんと名前じゃん」
「パンやさん!」
「間違ってねーけど米屋なー」
そう言ってガシガシと名前の頭を撫でる米屋。乱暴に扱うなと迅はハラハラしているが名前はキャーキャー言って喜んでいる。小さい子供の扱いは米屋のほうが数倍上だった。
「珍しい組み合わせっすね」
「いや…名前が、な」
「お姉ちゃんにあいにきたの!」
「なるほど」
迅の苦い顔に疑問符を浮かべていた米屋だったが名前の言葉に納得したように笑う。会わせたくない気持ちは分かる。痛いほどに。だって名前可愛いし。そう思いつつ米屋は口を開く。
「さっき城戸司令に呼び出し受けてたから時間かかると思うぞ」
「きどのおじちゃんに?」
「ぶっ!そ、そうきどのおじちゃんに」
おじちゃん呼ばわりか。いや名前からしたらおじちゃんだがあの見た目と眼力でよく呼べるものだ。やっぱり悪影響だな…と小さく漏らした迅の言葉に苦笑する米屋。
「むー、じゃあみわは?」
「秀次か?多分隊室にいるけど」
「じゃあみわとあそぶ!」
そう言って米屋に飛びつく名前。また変なチョイスだなと思いながら迅へ視線を向ける。迅は「じゃあおれはラウンジにいるから。名前あとでな」と手をふらふら振って去っていった。迅はともかく三輪が嫌がるという判断からだろう。あの人の時は苦い顔をして嫌がったのに秀次だとあっさりだな、と心で呟いて米屋は名前を抱っこして三輪隊の隊室に向かう。
「名前は秀次好きだなー」
「うん!あそんでくれるから!」
人前では名前と積極的に関わらないため米屋は三輪と名前が遊んでいるという光景に出くわしたことがないが、偶然見かけたことのある出水曰わく「あの三輪は傑作」らしい。どんな事してるんだ。
「俺は好きじゃねえの?」
「すき!やさしいから!」
小さい子供はやっぱり素直だ。理由が真っ直ぐすぎるくらい真っ直ぐしている。こういうのが三輪には合っているのかもしれない。きゃっきゃ言いながら喜ぶ小さな存在に頬を緩める米屋。
「みわとよねやはともだちで、たちかわはあいじんで、じんはうわきあいて!」
そして上記の言葉に固まった。
「………愛人なんて誰から聞いた?」
「たちかわ!」
しかも本人かよ!
顔を引きつらせる米屋に「たちかわがねーあそびならつきあってやるぞって」と笑顔で話す名前。当たり前だが愛人の意味なんて理解していない。本気じゃないだろうがなんてこと言いやがるあの人。あと浮気相手なんて単語を教える人間は一人しかいないので割愛する。ろくな大人がいない。
「でねーけっこんあいてはこーちゃん!」
「こーちゃん?」
ニコニコ話す名前にこーちゃんなんていたか?と首を捻る米屋。幼稚園の友だちか、と結論付けようとしたとき、「こーちゃんだ!」と声を弾ませる名前。米屋の肩にあごを乗せて後ろを見ていた名前に習い、米屋も後ろを振り返った。
「名前か。ここで見るのは珍しいな」
久しぶりだなと名前の頭に手を置くのは鈴鳴第一の村上だった。こーちゃんって…村上さんかよ。結婚相手だけはしっかりした相手を選んでいる名前に米屋は再び口元を引き吊らせた。その一方で下に降りた名前はねえねえと村上に話しかけていた。そして村上は膝をつき名前の話を聞く。
「こーちゃん!名前が大きくなったらけっこんしようね」
「それまで名前が俺のことを好きだったらな」
村上の言葉にきゃー!と喜ぶ名前。村上もその様子に微笑んでいる。太刀川、迅といった食えない人間の顔を思い浮かべ村上さんなら嫁にやってもいいかなぁと思う米屋だった。
「ん?どうした名前」
「じんはろりこんなの?」
名前がそう尋ねると迅は浮かべていた笑みを凍らせた。そしてその状態のまま話を続ける。
「ろりこんはこわいってきいたよ」
「ちなみに誰に」
「じんのお姉ちゃん」
「あはは。あの人な、言ってること殆どが嘘だからな?ちなみにあいつは姉じゃないよ」
あんなのが姉であってたまるかと心の中で呟き、目を真ん丸にした小さい女の子に言い聞かせるように優しく言う迅。陽太郎の妹の名前。三歳。なんでも信じてしまうお年頃だった。
「ウソなのー?」
「そうだよ」
「………ウソだ」
「なんで!?」
「お姉ちゃん、名前にはウソつかないっていったもん」
膨れっ面でそう言う名前に癒されつつもそれ自体嘘だぞと突っ込みたい。しかし「お姉ちゃん悪くいうひときらい」とじっと見つめてくる(本人は睨んでいるつもり)名前にそんなこと言えるはずもなく、「ごめんな、おれが悪かった」となんの罪もない謝罪をした。あとで覚えてろと本部にいるだろうあの人物を思い浮かべながら。
「うむ。ゆるす!」
腕を組んで納得したようにそう言った名前。陽太郎のような言い回しをしているのは少し気になるが迅はその小さな頭に手を置き、優しく撫でる。気持ちよさそうに目を細める名前。ああ、和む。
「じん」
「なぁに?」
「ほんぶいきたい」
その言葉に嫌な予感がしつつ優しく「なんで?」と聞くと「お姉ちゃんにあいたいの」との返答。玉狛の天使はなぜかあの毒そのものの人物に懐いていた。小さい子供には甘かったような気がするがここまで懐く理由が分からない。分からないが名前の情緒教育のためには会わせたくないというのが本音だ。「今日はおれと玉狛で遊ぼうよ」「やだお姉ちゃんとあそぶの」「お、お姉ちゃんはお仕事だぞ?」「まつの!」名前は陽太郎に似て頑固な面もあった。
10分後、遂にぐずりだした名前を抱っこして本部へ向かう迅の姿があった。…会わせたくない。
*****
「あれ迅さんと名前じゃん」
「パンやさん!」
「間違ってねーけど米屋なー」
そう言ってガシガシと名前の頭を撫でる米屋。乱暴に扱うなと迅はハラハラしているが名前はキャーキャー言って喜んでいる。小さい子供の扱いは米屋のほうが数倍上だった。
「珍しい組み合わせっすね」
「いや…名前が、な」
「お姉ちゃんにあいにきたの!」
「なるほど」
迅の苦い顔に疑問符を浮かべていた米屋だったが名前の言葉に納得したように笑う。会わせたくない気持ちは分かる。痛いほどに。だって名前可愛いし。そう思いつつ米屋は口を開く。
「さっき城戸司令に呼び出し受けてたから時間かかると思うぞ」
「きどのおじちゃんに?」
「ぶっ!そ、そうきどのおじちゃんに」
おじちゃん呼ばわりか。いや名前からしたらおじちゃんだがあの見た目と眼力でよく呼べるものだ。やっぱり悪影響だな…と小さく漏らした迅の言葉に苦笑する米屋。
「むー、じゃあみわは?」
「秀次か?多分隊室にいるけど」
「じゃあみわとあそぶ!」
そう言って米屋に飛びつく名前。また変なチョイスだなと思いながら迅へ視線を向ける。迅は「じゃあおれはラウンジにいるから。名前あとでな」と手をふらふら振って去っていった。迅はともかく三輪が嫌がるという判断からだろう。あの人の時は苦い顔をして嫌がったのに秀次だとあっさりだな、と心で呟いて米屋は名前を抱っこして三輪隊の隊室に向かう。
「名前は秀次好きだなー」
「うん!あそんでくれるから!」
人前では名前と積極的に関わらないため米屋は三輪と名前が遊んでいるという光景に出くわしたことがないが、偶然見かけたことのある出水曰わく「あの三輪は傑作」らしい。どんな事してるんだ。
「俺は好きじゃねえの?」
「すき!やさしいから!」
小さい子供はやっぱり素直だ。理由が真っ直ぐすぎるくらい真っ直ぐしている。こういうのが三輪には合っているのかもしれない。きゃっきゃ言いながら喜ぶ小さな存在に頬を緩める米屋。
「みわとよねやはともだちで、たちかわはあいじんで、じんはうわきあいて!」
そして上記の言葉に固まった。
「………愛人なんて誰から聞いた?」
「たちかわ!」
しかも本人かよ!
顔を引きつらせる米屋に「たちかわがねーあそびならつきあってやるぞって」と笑顔で話す名前。当たり前だが愛人の意味なんて理解していない。本気じゃないだろうがなんてこと言いやがるあの人。あと浮気相手なんて単語を教える人間は一人しかいないので割愛する。ろくな大人がいない。
「でねーけっこんあいてはこーちゃん!」
「こーちゃん?」
ニコニコ話す名前にこーちゃんなんていたか?と首を捻る米屋。幼稚園の友だちか、と結論付けようとしたとき、「こーちゃんだ!」と声を弾ませる名前。米屋の肩にあごを乗せて後ろを見ていた名前に習い、米屋も後ろを振り返った。
「名前か。ここで見るのは珍しいな」
久しぶりだなと名前の頭に手を置くのは鈴鳴第一の村上だった。こーちゃんって…村上さんかよ。結婚相手だけはしっかりした相手を選んでいる名前に米屋は再び口元を引き吊らせた。その一方で下に降りた名前はねえねえと村上に話しかけていた。そして村上は膝をつき名前の話を聞く。
「こーちゃん!名前が大きくなったらけっこんしようね」
「それまで名前が俺のことを好きだったらな」
村上の言葉にきゃー!と喜ぶ名前。村上もその様子に微笑んでいる。太刀川、迅といった食えない人間の顔を思い浮かべ村上さんなら嫁にやってもいいかなぁと思う米屋だった。