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宝の持ち腐れ。その言葉はこういうやつに使うのだと誰かが言っていた。俺が使うと「どうしたんですか太刀川さん」と出水に怪訝な顔をされた。意味が分からん。ついでに今の状況も意味が分からん。
「……げ、太刀川さんだ」
「ギャハハ! すげー格好!」
顔を歪める名字と腹を抱えて笑う米屋。てめぇら覚えてろ。
「これ、おまえか名字……」
「はい。トリオン量がある程度多い人に発動するよう作ったんですけど……なにも太刀川さんに発動しなくてもいいのに」
「おい今すぐこれ壊せ。一回殴ってやる」
俺の上にいるクマのようなファンシーな見た目のくせに背中に斧を装備しているヤツに指をさす。つーか全然動けねぇんだけど。俺今トリオン体なんだけど。
「えー……。まぁいいか、太刀川さん捕まえててもなんの価値もない」
「おいこら」
「解除パスワードは『幼女最高』です」
「それ言えってか!?」
はい、と真顔で返す名字の後ろで米屋が笑い転げている。ムービー撮っていいかなじゃねえよ、いいわけないだろ。
「早く言わないと戦闘モードに切り替わりますよ太刀川さん」
「なんつー機能つけてんだおまえは!!」
だからか、だから斧装備してたのか!
背筋に嫌な汗が流れるのが分かった。こいつは味方だろうが敵だろうがやるときは殺る。未来が見えるサイドエフェクトを持つ迅が名字にやられたという噂がたったことがある。S級隊員と技術者が? んなわけねーだろ、と噂は早々に流れたが一部の隊員はそれが事実だと知っている。また迅の犬である緑川がその一件で名字に噛みついたが次の日には名字の犬になっていた。酷く怯えきった緑川の姿は見ていられないほどだった。
つまりここで返答を誤るとアイツ等の二の舞になるということで。
「あと十秒です。太刀川さん」
「………………こう、」
「あと五秒」
「……じ……い、こう……」
「三秒」
「…………」
「………幼女最高!!!!!」
言い切った。言ってしまった。俺を押さえつけていたクマもどきは『パスワードロック解除シマス』といい解放した。斧を構える様子はない。
「……よし、名字てめぇ」
「顔怖いですよ太刀川さん」
「誰のせいだ。年上への礼儀ってもんを体に叩き込んでやる」
「やめといたほうがいいと思います」
「は! 逃がさねえぞ」
「………おまえは女子高校生に向かって何をやっている」
背後から心の底から冷え切った声がした。米屋が「お疲れ様っす風間さん」とか言っている。目の前の名字がにやりと笑うのが見えた。
「風間さん助けてください。この人急に『幼女最高』とか叫びだしました」
「おまっ!」
「ああ、廊下中響いていたから俺も知っている。早くこっちに来い名字」
「はい」
こいつ……ッ!
名字の腕を掴もうとするがそれより先に風間さんが俺の腕を掴んだ。ギリギリいってるよ風間さん!
「俺はこいつと忍田さんと三人で話すことがある。おまえらは暗くなる前に家に帰れ」
「「はーい」」
「はーい」じゃねえよ! それはいい子がする返事だ!
が、俺の主張も虚しく軽く三時間、風間さん、忍田さんによる説教が行われた。名字あいつ絶対許さない。
「……げ、太刀川さんだ」
「ギャハハ! すげー格好!」
顔を歪める名字と腹を抱えて笑う米屋。てめぇら覚えてろ。
「これ、おまえか名字……」
「はい。トリオン量がある程度多い人に発動するよう作ったんですけど……なにも太刀川さんに発動しなくてもいいのに」
「おい今すぐこれ壊せ。一回殴ってやる」
俺の上にいるクマのようなファンシーな見た目のくせに背中に斧を装備しているヤツに指をさす。つーか全然動けねぇんだけど。俺今トリオン体なんだけど。
「えー……。まぁいいか、太刀川さん捕まえててもなんの価値もない」
「おいこら」
「解除パスワードは『幼女最高』です」
「それ言えってか!?」
はい、と真顔で返す名字の後ろで米屋が笑い転げている。ムービー撮っていいかなじゃねえよ、いいわけないだろ。
「早く言わないと戦闘モードに切り替わりますよ太刀川さん」
「なんつー機能つけてんだおまえは!!」
だからか、だから斧装備してたのか!
背筋に嫌な汗が流れるのが分かった。こいつは味方だろうが敵だろうがやるときは殺る。未来が見えるサイドエフェクトを持つ迅が名字にやられたという噂がたったことがある。S級隊員と技術者が? んなわけねーだろ、と噂は早々に流れたが一部の隊員はそれが事実だと知っている。また迅の犬である緑川がその一件で名字に噛みついたが次の日には名字の犬になっていた。酷く怯えきった緑川の姿は見ていられないほどだった。
つまりここで返答を誤るとアイツ等の二の舞になるということで。
「あと十秒です。太刀川さん」
「………………こう、」
「あと五秒」
「……じ……い、こう……」
「三秒」
「…………」
「………幼女最高!!!!!」
言い切った。言ってしまった。俺を押さえつけていたクマもどきは『パスワードロック解除シマス』といい解放した。斧を構える様子はない。
「……よし、名字てめぇ」
「顔怖いですよ太刀川さん」
「誰のせいだ。年上への礼儀ってもんを体に叩き込んでやる」
「やめといたほうがいいと思います」
「は! 逃がさねえぞ」
「………おまえは女子高校生に向かって何をやっている」
背後から心の底から冷え切った声がした。米屋が「お疲れ様っす風間さん」とか言っている。目の前の名字がにやりと笑うのが見えた。
「風間さん助けてください。この人急に『幼女最高』とか叫びだしました」
「おまっ!」
「ああ、廊下中響いていたから俺も知っている。早くこっちに来い名字」
「はい」
こいつ……ッ!
名字の腕を掴もうとするがそれより先に風間さんが俺の腕を掴んだ。ギリギリいってるよ風間さん!
「俺はこいつと忍田さんと三人で話すことがある。おまえらは暗くなる前に家に帰れ」
「「はーい」」
「はーい」じゃねえよ! それはいい子がする返事だ!
が、俺の主張も虚しく軽く三時間、風間さん、忍田さんによる説教が行われた。名字あいつ絶対許さない。