この世界の端っこで
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「ううう……」
「まだ一日目だ。落ち込むな」
一日目の収穫。
タカナリはオタマロを見事ゲットした。ちょうど雨が降ってたのがよかったらしい。でも雨はガーディの炎技が半減になるらしく、ロゼリアというポケモンで戦っていた。花を両手に持っててかわいかった。オタマロを圧倒してたのは怖かったけど。
そして私の目的のポケモンはオンバットかネイティとなった。どちらも進化したら人を乗せられるくらいに大きくなるらしく、十分に空を飛ぶことが出来るだろうとキバナが言った。キバナはオンバット推しだった。ドラゴンタイプが入ってるからって。そう言えばドラゴンストームとか言われてたな。
でもオンバットは捕まえられなかった。空に飛んでいるのを何度か見かけたけど全部逃げてしまったのだ。キバナ曰わくオンバットは臆病な生態のものが多いらしい。口笛を吹いたら来るときがあると聞いて吹いてみたけど全然だった。
そしてネイティは霧の日だけに現れるらしく、今日は曇りのち雨のち曇りで霧が現れることはなかった。
私の収穫はゼロ。落ち込みながらの夕飯のカレー作りとなった。
「ナマエはポケモンの上に乗って空を飛んでくれた方がオレ様としても安心するからなぁ。やっぱりある程度大きいポケモンがいい」
「おれもそう思う。ねーちゃん、ポケモンにつけた専用の鞍を掴んでずっとブラブラと空中飛行とかできねーだろ」
「無理。無理」
なんだその筋トレもどき。
「ココガラが初心者にもオススメなんだがワイルドエリアには出ないからな」
「ココガラ?」
「アーマーガアに進化するポケモン」
「タクシーのカチカチ鳥かぁ」
あのデッカいのか。ちょっとびびるけど、自分のポケモンなら多分大丈夫だ。キバナのスマホロトムでココガラ見させてもらったけど小さかったし。小さいときから育てるなら感覚も違うだろう。
「まあ霧は運だからな。オンバットを目的に明日は頑張ろうぜ」
励ますように背中を優しく叩かれる。……そうだよね。落ち込むのはまだ早いよね。頑張ろう。ふん、と気合いを入れてカレーを作ることにした。まずは野菜の皮むきから頑張ろう。水をくんできて野菜を洗う。
「ギャルルルル」
「うん?」
ふんふん鼻歌を歌っていたら何か音がした。ふと隣をみたら濃いオレンジ色が視界に入った。そのまま上を向くと非常に尖ったクチバシがあってその奥にある鋭い目とぱちりと目が合った。デカい。最初の感想はそれだった。そして洗ってた人参をポタリと落とした。
「…………」
「ンギャア」
「んぎゃあ!!」
デカいオレンジ色が鳴いて腰が抜けた。なにコレ。なにコレ。ダチョウみたいに大きくて立派な二足の足を持つ鳥。鋭い爪もある。蹴られたら一発でお陀仏だ。それくらい足が大きかった。
「ナマエ!!」
「き、キバナ……」
キバナがやってきてくれた。それだけで少し泣きそうになる。目の前のオレンジ色の機嫌を損ねたくないからジッとしてたけど。
「なんだコイツ……!」
キバナはボールを構えたけどポケモンを出さなかった。オレンジ色を刺激しないようにしているのが分かる。オレンジ色のダチョウみたいな足の奴はふんふん私の匂いを嗅いで「ギャ?」と鳴いている。そのギャ? はなんですか? 食えるかこいつ? みたいなのだったら答えはノーです。
「キバナ……私どうしたらいい?」
「そのままジッとしてろ。攻撃体勢じゃないからそのうち離れるはず……」
「ギャルルル」
「え?」
「は?」
オレンジ色は私の後ろに周り、地面につけたお尻の下に顔を突っ込んでクチバシで私を空中に飛びあげた。そして背中でキャッチする。オレンジ色は一回羽ばたいてから、走り出した。
「!? き、キバナ~ッ!!」
「なんだアイツ! フライゴン!」
振り落とされないように反射的にオレンジ色の首に手を回した。回して「あっ」ってなったけどオレンジ色は気にした様子はなくドカドカ大きな足で走り回っている。後ろを振り返るとフライゴンに乗ったキバナが追いかけてきてくれていた。
「ああああ゛~! もっと美味しいもの食べたかったなぁ!!!」
「自暴自棄になるな! その速度で落ちたらケガするから絶対に手を離すんじゃねーぞ!」
「キバナぁぁあ!! 言わないようにしてたけど実は私さあ!!!」
「落ちるフラグを立てるな!!!」
キバナとこんなに大声で言い合うの初めてだなぁと現実逃避しながらオレンジ色の首をギュッとする。オレンジ色はダダダダタッ! と土を蹴り上げながらものん気に「ンギャア?」とこっちを見た。そして羽を私に被せるように覆った。
「え……?」
心なしかオレンジ色の走る速度が弱まった気がする。飛び降りれるかと聞かれたら無理と答えるけど。そしてオレンジ色は林の中に入っていった。木々があるにも関わらずスイスイ避けながら進んでいくオレンジ色。そして徐々に速度を落として止まった。
「ぶべっ!」
ひょいと地面に下ろされて汚い悲鳴が出る。盛り上がった草の上だったから痛くなかったのが幸いだった。
「ナマエ!」
「キバナぁ……」
オレンジ色との距離は30センチくらい。だからキバナとフライゴンはぐっと我慢している。真横で草むらの中に首突っ込んでるから逃げたいけど腰抜けた。するとオレンジ色は草むらから顔を出して私の方を向いた。
「ギャ」
「ん? モンスターボール?」
大きなクチバシに挟んでいたのはモンスターボール。それを私に向けて落としたので反射的に掴んでキャッチする。
「グルルルル」
ぽちっ
オレンジ色がニッコリ笑ったかと思うとモンスターボールのボタンを押して中に入っていった。モンスターボールは私の両手の上で揺れて止まった。
「………………ゲットだぜ?」
「………………」
私のボケにキバナはツッコんでくれず、無言でこっちに早足でやってきた。そしてガバッと私を抱きしめた。
「ケガは」
「な、ないです」
「………はあああ」
なんだアイツはよぉと言いながらキバナはぎゅうう、と私を抱きしめてしばらく離さなかった。
「まだ一日目だ。落ち込むな」
一日目の収穫。
タカナリはオタマロを見事ゲットした。ちょうど雨が降ってたのがよかったらしい。でも雨はガーディの炎技が半減になるらしく、ロゼリアというポケモンで戦っていた。花を両手に持っててかわいかった。オタマロを圧倒してたのは怖かったけど。
そして私の目的のポケモンはオンバットかネイティとなった。どちらも進化したら人を乗せられるくらいに大きくなるらしく、十分に空を飛ぶことが出来るだろうとキバナが言った。キバナはオンバット推しだった。ドラゴンタイプが入ってるからって。そう言えばドラゴンストームとか言われてたな。
でもオンバットは捕まえられなかった。空に飛んでいるのを何度か見かけたけど全部逃げてしまったのだ。キバナ曰わくオンバットは臆病な生態のものが多いらしい。口笛を吹いたら来るときがあると聞いて吹いてみたけど全然だった。
そしてネイティは霧の日だけに現れるらしく、今日は曇りのち雨のち曇りで霧が現れることはなかった。
私の収穫はゼロ。落ち込みながらの夕飯のカレー作りとなった。
「ナマエはポケモンの上に乗って空を飛んでくれた方がオレ様としても安心するからなぁ。やっぱりある程度大きいポケモンがいい」
「おれもそう思う。ねーちゃん、ポケモンにつけた専用の鞍を掴んでずっとブラブラと空中飛行とかできねーだろ」
「無理。無理」
なんだその筋トレもどき。
「ココガラが初心者にもオススメなんだがワイルドエリアには出ないからな」
「ココガラ?」
「アーマーガアに進化するポケモン」
「タクシーのカチカチ鳥かぁ」
あのデッカいのか。ちょっとびびるけど、自分のポケモンなら多分大丈夫だ。キバナのスマホロトムでココガラ見させてもらったけど小さかったし。小さいときから育てるなら感覚も違うだろう。
「まあ霧は運だからな。オンバットを目的に明日は頑張ろうぜ」
励ますように背中を優しく叩かれる。……そうだよね。落ち込むのはまだ早いよね。頑張ろう。ふん、と気合いを入れてカレーを作ることにした。まずは野菜の皮むきから頑張ろう。水をくんできて野菜を洗う。
「ギャルルルル」
「うん?」
ふんふん鼻歌を歌っていたら何か音がした。ふと隣をみたら濃いオレンジ色が視界に入った。そのまま上を向くと非常に尖ったクチバシがあってその奥にある鋭い目とぱちりと目が合った。デカい。最初の感想はそれだった。そして洗ってた人参をポタリと落とした。
「…………」
「ンギャア」
「んぎゃあ!!」
デカいオレンジ色が鳴いて腰が抜けた。なにコレ。なにコレ。ダチョウみたいに大きくて立派な二足の足を持つ鳥。鋭い爪もある。蹴られたら一発でお陀仏だ。それくらい足が大きかった。
「ナマエ!!」
「き、キバナ……」
キバナがやってきてくれた。それだけで少し泣きそうになる。目の前のオレンジ色の機嫌を損ねたくないからジッとしてたけど。
「なんだコイツ……!」
キバナはボールを構えたけどポケモンを出さなかった。オレンジ色を刺激しないようにしているのが分かる。オレンジ色のダチョウみたいな足の奴はふんふん私の匂いを嗅いで「ギャ?」と鳴いている。そのギャ? はなんですか? 食えるかこいつ? みたいなのだったら答えはノーです。
「キバナ……私どうしたらいい?」
「そのままジッとしてろ。攻撃体勢じゃないからそのうち離れるはず……」
「ギャルルル」
「え?」
「は?」
オレンジ色は私の後ろに周り、地面につけたお尻の下に顔を突っ込んでクチバシで私を空中に飛びあげた。そして背中でキャッチする。オレンジ色は一回羽ばたいてから、走り出した。
「!? き、キバナ~ッ!!」
「なんだアイツ! フライゴン!」
振り落とされないように反射的にオレンジ色の首に手を回した。回して「あっ」ってなったけどオレンジ色は気にした様子はなくドカドカ大きな足で走り回っている。後ろを振り返るとフライゴンに乗ったキバナが追いかけてきてくれていた。
「ああああ゛~! もっと美味しいもの食べたかったなぁ!!!」
「自暴自棄になるな! その速度で落ちたらケガするから絶対に手を離すんじゃねーぞ!」
「キバナぁぁあ!! 言わないようにしてたけど実は私さあ!!!」
「落ちるフラグを立てるな!!!」
キバナとこんなに大声で言い合うの初めてだなぁと現実逃避しながらオレンジ色の首をギュッとする。オレンジ色はダダダダタッ! と土を蹴り上げながらものん気に「ンギャア?」とこっちを見た。そして羽を私に被せるように覆った。
「え……?」
心なしかオレンジ色の走る速度が弱まった気がする。飛び降りれるかと聞かれたら無理と答えるけど。そしてオレンジ色は林の中に入っていった。木々があるにも関わらずスイスイ避けながら進んでいくオレンジ色。そして徐々に速度を落として止まった。
「ぶべっ!」
ひょいと地面に下ろされて汚い悲鳴が出る。盛り上がった草の上だったから痛くなかったのが幸いだった。
「ナマエ!」
「キバナぁ……」
オレンジ色との距離は30センチくらい。だからキバナとフライゴンはぐっと我慢している。真横で草むらの中に首突っ込んでるから逃げたいけど腰抜けた。するとオレンジ色は草むらから顔を出して私の方を向いた。
「ギャ」
「ん? モンスターボール?」
大きなクチバシに挟んでいたのはモンスターボール。それを私に向けて落としたので反射的に掴んでキャッチする。
「グルルルル」
ぽちっ
オレンジ色がニッコリ笑ったかと思うとモンスターボールのボタンを押して中に入っていった。モンスターボールは私の両手の上で揺れて止まった。
「………………ゲットだぜ?」
「………………」
私のボケにキバナはツッコんでくれず、無言でこっちに早足でやってきた。そしてガバッと私を抱きしめた。
「ケガは」
「な、ないです」
「………はあああ」
なんだアイツはよぉと言いながらキバナはぎゅうう、と私を抱きしめてしばらく離さなかった。
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