本編
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
いい加減にランク戦をしないとポイントを全部取り上げると脅され、渋々ブースに向かう。忍田さんに脅されるとは……。そもそも私何ポイントあるんだろう。最後にランク戦したのは………あれ思い出せない。
それは怒られるわーとひとりでぼやきながら進んでいるとやけにブース内が賑わっていた。なにごと?
「あのメガネ手も足もでねえじゃねーか」
「A級と引き分けたなんてやっぱりデマだろ」
……A級と引き分けたメガネ。うんすごく聞き覚えがあるぞ。モニターを見るとそこにはA級と引き分けた眼鏡こと修くんと緑川の姿があった。あいつなにB級に絡んでんだ。私にもケンカ売ってくるし、なにB級に絡むの趣味なの?
緑川をしらけた目で見ていると「あれナマエさん」と声がかけられる。振り返ると遊真、米屋、陽太郎と雷神丸の姿があった。どういう組み合わせ。
「子守り? 似合わないね」
「失礼だな。ナマエさんこそ珍しいっすねランク戦?」
「忍田さんにC級にすんぞって脅された」
「どんだけだよ」
じゃあ後でオレとやろーぜと言ってきた米屋を無視して遊真と陽太郎の頭を撫でる。W癒やし効果だぜ。これから大乱闘しないといけないからね。補給せねば。ついでに雷神丸も撫でてアニマルセラピー。……家帰りたくなってきた。
《十本勝負終了10対0 勝者 緑川》
「あ、負けちゃった修くん」
今回は試合あんまり見れなかったなと思ってると修くんが出てきた。「負けてしまうとはなにごとか!」と怒る陽太郎。前から思ってたけど陽太郎のしゃべり方は誰の影響だ。五歳でしょあの子。
すると上のブースから緑川が出てきた。私と目が合うと一瞬顔を歪めたがすぐさま切り換えて修くんを見下ろす。とりあえずあいつ降りてきたら殴っとこ。
「おつかれ メガネくん。実力は分かったからもういいや 帰っていいよ」
「修くんあいつ君より年下だからね怒っていいよ」
「え、! えっと……」
「ナマエさんだって陰で風間さんのことベビーフェイス風間って呼んでんだろ? 人のこと言えなくね?」
「風間さんはマブダチだからいいの。こないだ風間さんのお粥食べたし」
「風間さんのお、おかゆっ!!」
どこにツボったのか腹を抱える米屋。おまえこそ風間さんバカにしてんだろ。お粥くらい作るよあの人も。お粥名人風間だぞ。そんな米屋を置いて遊真は緑川を見上げながら口を開いた。
「なぁ、この見物人集めたのおまえか?」
「………違うよ。風間さんと引き分けたっていう噂に寄ってきたんだろ? オレはなにもしてないよ」
「へぇ………
おまえつまらないウソつくね」
その瞬間、遊真の瞳孔が緑川を射抜くように細くなる。その目はどこか迅に似ていた。
「おやまぁ……」
「どーしたんだ? ナマエ」
「うんにゃーただやっぱ似てるなぁと思っただけ」
首を傾げる陽太郎の頭に手を置く。なんとなく、迅が遊真を庇った理由が分かった気がした。
****
「あんだけ大口叩いて負けるなんて黒歴史だな緑川」
「うるさいよっ!」
迅が来て遊真たちを連れて行った後、ぶすくれる緑川の頬をにやにやしながらつつく私と米屋。中学生の頬のハリはすごかった。
やめてよ! と手をはらわれた。そして先ほど殴ろうと決意したのを思い出し実行に移す。頭を押さえながら緑川は私を涙目で睨んだ。
「年下イジメて楽しいの」
「いっとくけどおまえ以外の中学生には優しいから私」
「そういやそうだなー」
「なんでオレには優しくないの」
「可愛くないから」
即答で答えると「山原さんなんかに可愛がられたくないし!」とそっぽを向かれた。なんかってなんだ。
「気にすんなー緑川。どうせ高校生なったら全員に厳しいからこの人」
「全員じゃないもんね。今のお気に入りは茶野と藤沢だから」
「えーなんでだよ」
「あいつらは可愛いから。この間クッキーあげたら目キラキラさせてんの」
「オレにもくれたら目キラキラさせるぜ?」
「うるせえ。見た目と中身入れ換えてから言え」
「ナマエさんそれ全部なんだけど」
全部入れ換えろって意味だよ。
「んーまぁどうでもいいや。緑川かナマエさんバトろーぜ」
「おまえバトル狂だからやだ」
「オレ今ボロ負けしたとこでそんな気分じゃないよ」
「ウソつけ。テンション上がりまくってたじゃねーか」
米屋の言葉にうんうんと頷く。迅にじゃれつく緑川は犬そのものだった。なぜあいつにそんなに懐いているか理解できん。
「負けたのは気にすんな。いい勝負だったぜ」
「……8ー2だったんだけど」
「動き自体にはそこまでの差はねーよ。年季の差だろ」
「年季……?」
米屋曰わく遊真は一戦一戦使って緑川をコントロールしていた。最初の二本を派手に勝たせて調子に乗らせる。単調になった動きを読んでサクッと逆転。そして負けを取り返そうと力んだとこをさらに叩く。
「最初の二本で『勝てる』って思わせるのがキモだな」
「米屋、おまえ……」
「なんだよナマエさん」
「ただの槍バカじゃなかったんだね」
「どーも」
意外にも考えていた米屋に口元を押さえる。こいつ本当のバカだと思ってた。ごめん。
その後も三人でだらだら話していると「いい加減帰らんかッ!」とやってきた鬼怒田さんに怒られた。気づけば夜。ランク戦やってない。
それは怒られるわーとひとりでぼやきながら進んでいるとやけにブース内が賑わっていた。なにごと?
「あのメガネ手も足もでねえじゃねーか」
「A級と引き分けたなんてやっぱりデマだろ」
……A級と引き分けたメガネ。うんすごく聞き覚えがあるぞ。モニターを見るとそこにはA級と引き分けた眼鏡こと修くんと緑川の姿があった。あいつなにB級に絡んでんだ。私にもケンカ売ってくるし、なにB級に絡むの趣味なの?
緑川をしらけた目で見ていると「あれナマエさん」と声がかけられる。振り返ると遊真、米屋、陽太郎と雷神丸の姿があった。どういう組み合わせ。
「子守り? 似合わないね」
「失礼だな。ナマエさんこそ珍しいっすねランク戦?」
「忍田さんにC級にすんぞって脅された」
「どんだけだよ」
じゃあ後でオレとやろーぜと言ってきた米屋を無視して遊真と陽太郎の頭を撫でる。W癒やし効果だぜ。これから大乱闘しないといけないからね。補給せねば。ついでに雷神丸も撫でてアニマルセラピー。……家帰りたくなってきた。
《十本勝負終了10対0 勝者 緑川》
「あ、負けちゃった修くん」
今回は試合あんまり見れなかったなと思ってると修くんが出てきた。「負けてしまうとはなにごとか!」と怒る陽太郎。前から思ってたけど陽太郎のしゃべり方は誰の影響だ。五歳でしょあの子。
すると上のブースから緑川が出てきた。私と目が合うと一瞬顔を歪めたがすぐさま切り換えて修くんを見下ろす。とりあえずあいつ降りてきたら殴っとこ。
「おつかれ メガネくん。実力は分かったからもういいや 帰っていいよ」
「修くんあいつ君より年下だからね怒っていいよ」
「え、! えっと……」
「ナマエさんだって陰で風間さんのことベビーフェイス風間って呼んでんだろ? 人のこと言えなくね?」
「風間さんはマブダチだからいいの。こないだ風間さんのお粥食べたし」
「風間さんのお、おかゆっ!!」
どこにツボったのか腹を抱える米屋。おまえこそ風間さんバカにしてんだろ。お粥くらい作るよあの人も。お粥名人風間だぞ。そんな米屋を置いて遊真は緑川を見上げながら口を開いた。
「なぁ、この見物人集めたのおまえか?」
「………違うよ。風間さんと引き分けたっていう噂に寄ってきたんだろ? オレはなにもしてないよ」
「へぇ………
おまえつまらないウソつくね」
その瞬間、遊真の瞳孔が緑川を射抜くように細くなる。その目はどこか迅に似ていた。
「おやまぁ……」
「どーしたんだ? ナマエ」
「うんにゃーただやっぱ似てるなぁと思っただけ」
首を傾げる陽太郎の頭に手を置く。なんとなく、迅が遊真を庇った理由が分かった気がした。
****
「あんだけ大口叩いて負けるなんて黒歴史だな緑川」
「うるさいよっ!」
迅が来て遊真たちを連れて行った後、ぶすくれる緑川の頬をにやにやしながらつつく私と米屋。中学生の頬のハリはすごかった。
やめてよ! と手をはらわれた。そして先ほど殴ろうと決意したのを思い出し実行に移す。頭を押さえながら緑川は私を涙目で睨んだ。
「年下イジメて楽しいの」
「いっとくけどおまえ以外の中学生には優しいから私」
「そういやそうだなー」
「なんでオレには優しくないの」
「可愛くないから」
即答で答えると「山原さんなんかに可愛がられたくないし!」とそっぽを向かれた。なんかってなんだ。
「気にすんなー緑川。どうせ高校生なったら全員に厳しいからこの人」
「全員じゃないもんね。今のお気に入りは茶野と藤沢だから」
「えーなんでだよ」
「あいつらは可愛いから。この間クッキーあげたら目キラキラさせてんの」
「オレにもくれたら目キラキラさせるぜ?」
「うるせえ。見た目と中身入れ換えてから言え」
「ナマエさんそれ全部なんだけど」
全部入れ換えろって意味だよ。
「んーまぁどうでもいいや。緑川かナマエさんバトろーぜ」
「おまえバトル狂だからやだ」
「オレ今ボロ負けしたとこでそんな気分じゃないよ」
「ウソつけ。テンション上がりまくってたじゃねーか」
米屋の言葉にうんうんと頷く。迅にじゃれつく緑川は犬そのものだった。なぜあいつにそんなに懐いているか理解できん。
「負けたのは気にすんな。いい勝負だったぜ」
「……8ー2だったんだけど」
「動き自体にはそこまでの差はねーよ。年季の差だろ」
「年季……?」
米屋曰わく遊真は一戦一戦使って緑川をコントロールしていた。最初の二本を派手に勝たせて調子に乗らせる。単調になった動きを読んでサクッと逆転。そして負けを取り返そうと力んだとこをさらに叩く。
「最初の二本で『勝てる』って思わせるのがキモだな」
「米屋、おまえ……」
「なんだよナマエさん」
「ただの槍バカじゃなかったんだね」
「どーも」
意外にも考えていた米屋に口元を押さえる。こいつ本当のバカだと思ってた。ごめん。
その後も三人でだらだら話していると「いい加減帰らんかッ!」とやってきた鬼怒田さんに怒られた。気づけば夜。ランク戦やってない。