本編
名前変換
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「佐鳥と時枝の同級生の……、鴨山くん」
「烏丸です」
「おしい」
どこがだ。思わずそう突っ込みそうなのを飲み込んでナマエの腕の中のものを凝視する。ナマエは烏丸の視線は気づいたのかその者の背中を軽く叩いて声をかける。
「ほら自己紹介」
「ぉ、おれっおれ゛は、ううぅああ゛あ」
「名前くらいちゃんと言え」
鬼かこの人。そう思わずにはいられなかった。顔を真っ赤にして泣く子どもはナマエの言葉に「り゛んど、ようだろ」と濁音混じりに名前を言った。泣き顔も声も痛々しい。
「おーえらいえらい」
「おれ、えらい゛か?」
「えらいねぇ」
「じゃあ゛ナマエはずっどいっしょだ!」
「名前言えたくらいで図に乗るなよ」
鬼だなこの人。更に大きくなった泣き声に烏丸はそう確信した。
帰宅途中の河原の土手で子どもを膝に乗せて座っていたナマエと会った。佐鳥や時枝と共にいるときに少し話をしたくらいの間柄だったためにどうするか一瞬迷った。しかし泣き叫ぶ子どもを目にして放っておけるわけがない。
「ぅうああああナマエのあ゛ほお゛!!」
「泣き声すごいな超音波みたい」
マイペースな感想を述べるナマエに声をかけて正確だったと思いつつ、肩にかけていた鞄からタオルを取り出した。
「これ使ってください」
「あ、ごめんありがとう。でもティッシュ箱ごと持ってきたから大丈夫だよ」
そういって烏丸の位置から見えなかった場所からティッシュ箱をとって見せるナマエ。なんで箱ごと持ってるんすか。そう訊ねると「基地から持って来てた。そのときから号泣だったから」とティッシュを取り出して陽太郎に当てる。
「陽太郎、泣くのはいいけど鼻はかんどけ。息するのつらいでしょ、あー吸い込むな」
「はな、かめ゛ない」
「まじか困ったな」
「お゛れもごまる」
「だろうねぇ」
あやす気があるのかないのか分からない。仕方なしにティッシュを手に取り烏丸が鼻をかむ手伝いをした。弟妹がいるので楽なものだ。
「おお、慣れてるね。ありがとう」
「うちにもいますから」
「…………何歳のときのお子さん?」
「弟と妹です」
どちらかと言うとこの人との会話の方が大変かもしれない。中学生に何を言っているんだ。そんな非難の目をすると「最近の子は進んでるって迅が言ってたもん」と責任転嫁し始めた。
「迅って分かる? S級隊員の」
「はい分かりま、」
「女のお尻触りまくる変態」
「……」
「ね、説得力あるでしょ」
ね、じゃないです。そう返したかったが確かに謎の説得力があった。
「……その子どうしたんですか?」
反応に困ったのでそう質問をすると「ナマエの゛せいだっ!」と本人から返答が返ってきた。
「人聞きの悪いこというな」
「だっで、ナマエがいな゛くなるって」
「あと一年くらい先だって」
「でもいな゛くなる」
そう言ってナマエにすがりつくように抱きつく。
「おれいやだぞ」
その一言が目を真っ赤に晴らした理由だと分かった。烏丸には分からないが、この子どもとナマエの間には絆があるらしい。枯れそうなほど声を張り上げても離れがたく想う絆が。
「…………あの、鴨山くん。すごい深刻そうな顔してもらって悪いんだけど、これって私が一人暮らしはじめるの止めろ! ってだだ捏ねてるだけだから」
「え」
「烏丸です」
「おしい」
どこがだ。思わずそう突っ込みそうなのを飲み込んでナマエの腕の中のものを凝視する。ナマエは烏丸の視線は気づいたのかその者の背中を軽く叩いて声をかける。
「ほら自己紹介」
「ぉ、おれっおれ゛は、ううぅああ゛あ」
「名前くらいちゃんと言え」
鬼かこの人。そう思わずにはいられなかった。顔を真っ赤にして泣く子どもはナマエの言葉に「り゛んど、ようだろ」と濁音混じりに名前を言った。泣き顔も声も痛々しい。
「おーえらいえらい」
「おれ、えらい゛か?」
「えらいねぇ」
「じゃあ゛ナマエはずっどいっしょだ!」
「名前言えたくらいで図に乗るなよ」
鬼だなこの人。更に大きくなった泣き声に烏丸はそう確信した。
帰宅途中の河原の土手で子どもを膝に乗せて座っていたナマエと会った。佐鳥や時枝と共にいるときに少し話をしたくらいの間柄だったためにどうするか一瞬迷った。しかし泣き叫ぶ子どもを目にして放っておけるわけがない。
「ぅうああああナマエのあ゛ほお゛!!」
「泣き声すごいな超音波みたい」
マイペースな感想を述べるナマエに声をかけて正確だったと思いつつ、肩にかけていた鞄からタオルを取り出した。
「これ使ってください」
「あ、ごめんありがとう。でもティッシュ箱ごと持ってきたから大丈夫だよ」
そういって烏丸の位置から見えなかった場所からティッシュ箱をとって見せるナマエ。なんで箱ごと持ってるんすか。そう訊ねると「基地から持って来てた。そのときから号泣だったから」とティッシュを取り出して陽太郎に当てる。
「陽太郎、泣くのはいいけど鼻はかんどけ。息するのつらいでしょ、あー吸い込むな」
「はな、かめ゛ない」
「まじか困ったな」
「お゛れもごまる」
「だろうねぇ」
あやす気があるのかないのか分からない。仕方なしにティッシュを手に取り烏丸が鼻をかむ手伝いをした。弟妹がいるので楽なものだ。
「おお、慣れてるね。ありがとう」
「うちにもいますから」
「…………何歳のときのお子さん?」
「弟と妹です」
どちらかと言うとこの人との会話の方が大変かもしれない。中学生に何を言っているんだ。そんな非難の目をすると「最近の子は進んでるって迅が言ってたもん」と責任転嫁し始めた。
「迅って分かる? S級隊員の」
「はい分かりま、」
「女のお尻触りまくる変態」
「……」
「ね、説得力あるでしょ」
ね、じゃないです。そう返したかったが確かに謎の説得力があった。
「……その子どうしたんですか?」
反応に困ったのでそう質問をすると「ナマエの゛せいだっ!」と本人から返答が返ってきた。
「人聞きの悪いこというな」
「だっで、ナマエがいな゛くなるって」
「あと一年くらい先だって」
「でもいな゛くなる」
そう言ってナマエにすがりつくように抱きつく。
「おれいやだぞ」
その一言が目を真っ赤に晴らした理由だと分かった。烏丸には分からないが、この子どもとナマエの間には絆があるらしい。枯れそうなほど声を張り上げても離れがたく想う絆が。
「…………あの、鴨山くん。すごい深刻そうな顔してもらって悪いんだけど、これって私が一人暮らしはじめるの止めろ! ってだだ捏ねてるだけだから」
「え」