本編
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「あっち接近戦タイプ多いし距離とりながらの方がよくない? 迅いたら射線気にしなくてすむし」
「そうしたいけど分断させて来そうだしな」
誰かどう対応するか屋根の上で話し合う。「ナマエはどうしたい?」と聞いてくる辺り私がどっちについても未来に変わりはないんだなと思った。ぶっちゃけ私もどっちでもいい。
「風間さんがそっち行ってくれると嬉しいんだけど、こっち来るだろうな」
「風間さんがいない方でお願いします」
嵐山隊につくことが決定した。そうだった。風間さんいるんだよ。他はどうでもいいけど約束破ったからな。あのときのジブリの分! とか言われながら攻撃されたら抵抗できない。そんな少年漫画の主人公みたいなこと風間さんは絶対言わないけど。
即答した私に「何をしたんですか山原さん」とじっとり見てくる木虎。えへへと笑って誤魔化したら無視された。ひどい。
「うちの隊を足止めする役ならたぶん三輪隊ですね。三輪先輩の鉛弾がある」
「あっ、私エスクード持ってますよ時枝先輩!」
「じゃあナマエはこっちだな」
自分の有用性をアピールするとすんなりと採用が決まった。嫌そうな顔をした某天才少女とはこれから距離を詰めていきたいと思います。
迅にばいばーいと言って分かれるとそれほど待たずに出水、三輪、米屋がやってきた。「何やってんだ」と出水は呆れた顔をしている。ちなみに三輪は激怒り。その反応知ってた。
「裏切りは女の……? ……、……あっ。アクセサリーって言葉知らんのか」
「ぎりぎりで思い出した奴の言う台詞じゃないってことは知ってる」
「確かに」
「納得すんな! つーか殆どノリでそっち行ったろ!」
出水と軽く漫才してる横で三輪と嵐山は押し問答をしていた。温度差。米屋は私達と嵐山達のやりとりを見て口角を上げている。こいつが一番図太いんじゃないかなあ。
そんな事を思っていると、出水がさっき私がしたように両手にトリオンキューブを構えた。一気に空気が変わり、私もアステロイドを出す。
「戦るならさっさと始めようぜ。早く片づけて太刀川さんに加勢しなきゃなんないからな」
その瞬間、出水が狙撃された。だけどギィンという音を響かせて弾は届かず。ほぼ同時に撃った私のアステロイドは三輪に防がれた。くっそ、釣られろよ。撃ち返せよ。逆に釣られた。
「ほんっと性格わるいな!」
インカム越しの佐鳥も「相変わらずイヤらしいな!」と似たようなことを言っている。
「よし! 出来る限り粘って死ね佐鳥!」
《うそ!? ここで切られるんですか! フォローは!? 》
いやただの八つ当たり。さすがにそんなことしない。私はフォロー行かないけど。そう返すと「あんたらやっぱり似てるな!」と佐鳥は嘆くように言った。
佐鳥を取りにいった米屋を追う木虎。二人はマンションの部屋に流れ込むようにして入っていった。近距離格闘選手達がいないとなると、というかこのメンバーだったら弾の撃ち合いだ。撃って防いで相殺して。忙しい。こっちの方が一人多いし火力で押すかーと行かないのが腹が立つ。弾バカが凄く邪魔。ポンポンポンポン気軽に弾道変えやがって。集中狙いのバイパーをエスクードを固めて防ぐ。
「あっ間違えた!」
その瞬間、先に放たれていたハウンドが嵐山に向かう。時枝のフォローでハウンドは防ぎきれた。でも続く三輪の攻撃、鉛弾はシールドを通過して嵐山に刺さった。
「ミスった! ごめん!」
「大丈夫だ」
エスクード持ってますよ! と言いながらこの様だった。ここに木虎がいたら採用取り消しにされそう。そんなことを思ってたらガシャーン! と音をたてて、話題の木虎がダイナミックに登場した。米屋つきで。
「げっ」
弾バカ、細かいアステロイド。木虎のシールド、たぶん受けきれない。時枝、たぶんテレポーター使う。建物との距離が微妙。届かない。頭が狙われる
そこまで考えて右足を強く踏み込んだ。
米屋と木虎の間に割り込み、シールドを貼った時枝は出水のアステロイドを防ぐ。しかしほぼ同時に飛んできた銃弾に頭を狙撃された。ごめんよ時枝。でもナイス。
時枝が間に入ったおかげで木虎が“壁”に近づいた。ドッと音を出して木虎の真横にエスクードを出現させる。その勢いのまま木虎の身体を押し出した。
「!!」
「あっ当真このやろっ!」
しかし変態狙撃手の当真は時枝が手を引っ張った力と、私の出したエスクードの勢いで対象をずらしたというのに木虎の足を撃ち抜いた。あのリーゼント潰すの決定。
「当真までこっち来てるのきつくない?」
私の愚痴に片足だけになった木虎は凛とした顔で「きつくありません」と言い切った。かっこいい。
***
「嵐山さん 山原さん、ネイバーを庇ったことをいずれ後悔するときが来るぞ」
そう言った三輪の目は憎しみの色に染まっていた。
当真さんは木虎にやられてベイルアウト、おれと三輪は佐鳥に片腕を撃ち抜かれた。師匠はまだまだ元気。「フン、策に溺れたな小僧ども」とか言ってきたから絶対落とす。そう思ったときだった。柚宇さんから作戦終了の通信が入った。太刀川さんと風間さんもベイルアウトした。おれはその時点で気を緩めたが三輪はそうはいかないらしい。
「あんたたちは分かってないんだ。家族や友人を殺された人間でなければネイバーの本当の危険さは理解できない」
ネイバーを甘く見ている迅さんや師匠はいつか痛い目を見る、と三輪は続けた。それに対し嵐山さんは毅然とした態度で口を開く。
「甘く見てるってことはないだろう。迅だってネイバーに母親を殺されてるぞ?」
「………!?」
嵐山さんの言葉に三輪は息を呑んだ。おれも三輪ほど態度に出してないが内心驚いた。あの迅さんにそんな過去があるなんて全く知らなかった。
そして一度言葉を切った嵐山さんは師匠に目配せする。師匠は顔の前で手を二回ほど振った。それを確認した嵐山さんは再び口を開く。
「五年前には師匠の最上さん……ナマエにとっては育ての親も亡くなっている。親しい人を失うつらさはよく分かってるはずだ」
「…………!」
思わずばっ! と師匠の顔を見てしまった。それに気づいた師匠は「うざい」といっておれにデコピンをかました。
「ネイバーの危険さも大事な人を失うつらさも分かった上で迅には迅の、ナマエにはナマエの考えがあるんだと俺は思うぞ」
その言葉にそっと師匠を見る。師匠はめんどくさそうな顔で首の後ろを掻いたあと、トリオン体を解除した。そして踵を返してスタスタ歩き出した。
「ちょ、どこ行くの師匠」
「玉狛支部。トトロ見ないと」
「まだ言ってんのかよ!!」
今シリアスな雰囲気だっただろ!
おれの突っ込みにも「うるせーな高校生はさっさと帰りやがれ」と返し、本当にその場を去って行った。
「ひ、人がめずらしく心配してたのに……! デコピンして帰りやがった……っ!」
「ははっ、ナマエも出水に心配かけたくないんだろ」
嵐山さんはそう言ったがあの人ならトトロのために帰ったとしてもおかしくない。いや、あの師匠ならそうに違いない。
……や、でも本当にそうだったら、……でもあの師匠だぞ。味方も的だよ! と堂々と教える師匠だぞ。あー!! くそ! なんでおれがこんなに悩まないといけないんだ!
悩みすぎて頭をかきむしるおれに嵐山さんは笑い、佐鳥は引いていた。とりあえず佐鳥は今度ぼこる。
「そうしたいけど分断させて来そうだしな」
誰かどう対応するか屋根の上で話し合う。「ナマエはどうしたい?」と聞いてくる辺り私がどっちについても未来に変わりはないんだなと思った。ぶっちゃけ私もどっちでもいい。
「風間さんがそっち行ってくれると嬉しいんだけど、こっち来るだろうな」
「風間さんがいない方でお願いします」
嵐山隊につくことが決定した。そうだった。風間さんいるんだよ。他はどうでもいいけど約束破ったからな。あのときのジブリの分! とか言われながら攻撃されたら抵抗できない。そんな少年漫画の主人公みたいなこと風間さんは絶対言わないけど。
即答した私に「何をしたんですか山原さん」とじっとり見てくる木虎。えへへと笑って誤魔化したら無視された。ひどい。
「うちの隊を足止めする役ならたぶん三輪隊ですね。三輪先輩の鉛弾がある」
「あっ、私エスクード持ってますよ時枝先輩!」
「じゃあナマエはこっちだな」
自分の有用性をアピールするとすんなりと採用が決まった。嫌そうな顔をした某天才少女とはこれから距離を詰めていきたいと思います。
迅にばいばーいと言って分かれるとそれほど待たずに出水、三輪、米屋がやってきた。「何やってんだ」と出水は呆れた顔をしている。ちなみに三輪は激怒り。その反応知ってた。
「裏切りは女の……? ……、……あっ。アクセサリーって言葉知らんのか」
「ぎりぎりで思い出した奴の言う台詞じゃないってことは知ってる」
「確かに」
「納得すんな! つーか殆どノリでそっち行ったろ!」
出水と軽く漫才してる横で三輪と嵐山は押し問答をしていた。温度差。米屋は私達と嵐山達のやりとりを見て口角を上げている。こいつが一番図太いんじゃないかなあ。
そんな事を思っていると、出水がさっき私がしたように両手にトリオンキューブを構えた。一気に空気が変わり、私もアステロイドを出す。
「戦るならさっさと始めようぜ。早く片づけて太刀川さんに加勢しなきゃなんないからな」
その瞬間、出水が狙撃された。だけどギィンという音を響かせて弾は届かず。ほぼ同時に撃った私のアステロイドは三輪に防がれた。くっそ、釣られろよ。撃ち返せよ。逆に釣られた。
「ほんっと性格わるいな!」
インカム越しの佐鳥も「相変わらずイヤらしいな!」と似たようなことを言っている。
「よし! 出来る限り粘って死ね佐鳥!」
《うそ!? ここで切られるんですか! フォローは!? 》
いやただの八つ当たり。さすがにそんなことしない。私はフォロー行かないけど。そう返すと「あんたらやっぱり似てるな!」と佐鳥は嘆くように言った。
佐鳥を取りにいった米屋を追う木虎。二人はマンションの部屋に流れ込むようにして入っていった。近距離格闘選手達がいないとなると、というかこのメンバーだったら弾の撃ち合いだ。撃って防いで相殺して。忙しい。こっちの方が一人多いし火力で押すかーと行かないのが腹が立つ。弾バカが凄く邪魔。ポンポンポンポン気軽に弾道変えやがって。集中狙いのバイパーをエスクードを固めて防ぐ。
「あっ間違えた!」
その瞬間、先に放たれていたハウンドが嵐山に向かう。時枝のフォローでハウンドは防ぎきれた。でも続く三輪の攻撃、鉛弾はシールドを通過して嵐山に刺さった。
「ミスった! ごめん!」
「大丈夫だ」
エスクード持ってますよ! と言いながらこの様だった。ここに木虎がいたら採用取り消しにされそう。そんなことを思ってたらガシャーン! と音をたてて、話題の木虎がダイナミックに登場した。米屋つきで。
「げっ」
弾バカ、細かいアステロイド。木虎のシールド、たぶん受けきれない。時枝、たぶんテレポーター使う。建物との距離が微妙。届かない。頭が狙われる
そこまで考えて右足を強く踏み込んだ。
米屋と木虎の間に割り込み、シールドを貼った時枝は出水のアステロイドを防ぐ。しかしほぼ同時に飛んできた銃弾に頭を狙撃された。ごめんよ時枝。でもナイス。
時枝が間に入ったおかげで木虎が“壁”に近づいた。ドッと音を出して木虎の真横にエスクードを出現させる。その勢いのまま木虎の身体を押し出した。
「!!」
「あっ当真このやろっ!」
しかし変態狙撃手の当真は時枝が手を引っ張った力と、私の出したエスクードの勢いで対象をずらしたというのに木虎の足を撃ち抜いた。あのリーゼント潰すの決定。
「当真までこっち来てるのきつくない?」
私の愚痴に片足だけになった木虎は凛とした顔で「きつくありません」と言い切った。かっこいい。
***
「嵐山さん 山原さん、ネイバーを庇ったことをいずれ後悔するときが来るぞ」
そう言った三輪の目は憎しみの色に染まっていた。
当真さんは木虎にやられてベイルアウト、おれと三輪は佐鳥に片腕を撃ち抜かれた。師匠はまだまだ元気。「フン、策に溺れたな小僧ども」とか言ってきたから絶対落とす。そう思ったときだった。柚宇さんから作戦終了の通信が入った。太刀川さんと風間さんもベイルアウトした。おれはその時点で気を緩めたが三輪はそうはいかないらしい。
「あんたたちは分かってないんだ。家族や友人を殺された人間でなければネイバーの本当の危険さは理解できない」
ネイバーを甘く見ている迅さんや師匠はいつか痛い目を見る、と三輪は続けた。それに対し嵐山さんは毅然とした態度で口を開く。
「甘く見てるってことはないだろう。迅だってネイバーに母親を殺されてるぞ?」
「………!?」
嵐山さんの言葉に三輪は息を呑んだ。おれも三輪ほど態度に出してないが内心驚いた。あの迅さんにそんな過去があるなんて全く知らなかった。
そして一度言葉を切った嵐山さんは師匠に目配せする。師匠は顔の前で手を二回ほど振った。それを確認した嵐山さんは再び口を開く。
「五年前には師匠の最上さん……ナマエにとっては育ての親も亡くなっている。親しい人を失うつらさはよく分かってるはずだ」
「…………!」
思わずばっ! と師匠の顔を見てしまった。それに気づいた師匠は「うざい」といっておれにデコピンをかました。
「ネイバーの危険さも大事な人を失うつらさも分かった上で迅には迅の、ナマエにはナマエの考えがあるんだと俺は思うぞ」
その言葉にそっと師匠を見る。師匠はめんどくさそうな顔で首の後ろを掻いたあと、トリオン体を解除した。そして踵を返してスタスタ歩き出した。
「ちょ、どこ行くの師匠」
「玉狛支部。トトロ見ないと」
「まだ言ってんのかよ!!」
今シリアスな雰囲気だっただろ!
おれの突っ込みにも「うるせーな高校生はさっさと帰りやがれ」と返し、本当にその場を去って行った。
「ひ、人がめずらしく心配してたのに……! デコピンして帰りやがった……っ!」
「ははっ、ナマエも出水に心配かけたくないんだろ」
嵐山さんはそう言ったがあの人ならトトロのために帰ったとしてもおかしくない。いや、あの師匠ならそうに違いない。
……や、でも本当にそうだったら、……でもあの師匠だぞ。味方も的だよ! と堂々と教える師匠だぞ。あー!! くそ! なんでおれがこんなに悩まないといけないんだ!
悩みすぎて頭をかきむしるおれに嵐山さんは笑い、佐鳥は引いていた。とりあえず佐鳥は今度ぼこる。