番外編
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日用品の買い出しをするために街に向かっていると今日の晩ごはんは鍋ですよ、とそれだけ書かれたメールが“か”の付く男からきた。なんだろう、煽られてるのかな……。鍋なんて一人暮らしをはじめてから全く縁がなくなったというのになんて仕打ちだ。……あれ、気のせいかもしれない。そういえば先週くらいに美味しいキムチ鍋を東さんにごちそうになった。そこら辺にいた高校生と共に。そうだ、それで基地の出口に向かうにつれて高校生がピクミンみたいに増殖していって結局私も奢る側に回ったんだった。……あれ、ごちそうされてない。気のせいだった。
あの時の無念を晴らさねば。
すぐさまレイジさんに【ナベ、ワタシノブンモ、ツクッテ】とメッセージを送った。急いで打ったせいで電報みたいになった。イタズラメールと思われたらどうしよう。再びメールを作成しているとバチバチッという音が後方から届いた。聞いたことのある、というより聞き慣れ過ぎた音に眉を寄せて振り返る。いや違うよね、だってここ市街地……
「……仕事しろや鬼怒田さあああん!!」
門が市街地に発生しますとかいう警報が鳴り響き現れたモールモッド三体。なんでこんなところに生息してんの。生息域どうなってんの、とツッコミながらトリガーを起動させてアステロイドをぶっ放す。通信を本部に繋げるとなんだか向こう側が騒がしかった。
「こちら山原! なんか市街地にモールモッドが出やがりやがったんですけど! 門のメンテナンスちゃんとやってる!?」
《やかましい! 今こちらでもトリオン反応を確認した。幸い人目につかない場所だ。秘密裏に排除しろ》
「………山原、りょーかい」
《またんか!! 何だ今の間は! 》
やべ。もうアステロイドぶっ放しちゃったよ。コンクリートごりごりっと穴空いちゃったよ。………よし、もしここに人が来たら殴って何もなかったことにしよう。生きてれば記憶喪失になることくらいある。がっつり穴が空いてるが始めから空いてたことにしよう。水道管少し見えてるけど大丈夫。現代アートってことにしよう。そう心に言い聞かせながら残りのモールモッドを倒した。
「あれ? なにこのゴ○ブリ……」
モールモッドを経費削減したような小さなトリオン兵が破壊した塀に埋もれていた。なんか亀が裏返ったみたいになってる。うん気持ち悪い。動きが完全にアレだったのでメテオラを発射。弱かった。
何事もなく終わらせた気持ちのまま現場に到着した回収班を迎えると「秘密裏にって言われたでしょうが! ゴジラが通ったあとみたいになってるじゃないですか! ああ……また経理と広報に嫌味言われる……」と怒られた。ゴジラも侵略者みたいなモンだよなぁと内心思いつつ「ごめんね、思い切りが良すぎた」と謝ると「絶対別のこと考えてますよね、悪いなんて一欠片も思ってないですよね」と再び怒られた。付き合いが長いとこれだから。そもそもシューターに隠密性を求めるのは間違ってると思う。爆弾魔の集まりみたいなものだからシューターって。
今日は徹夜だと嘆く回収班には「今日、玉狛でお鍋するんだよ」とエールを送って別れた。技術者、回収班、調査班、あとは幹部辺りは徹夜だな。徹夜明けの城戸さんは日本を恐怖政治で制圧できそうなくらいに怖いから近づかないでおこう。五割増しで厳つくなるからなぁ。もはや兵器だよね。そう心でボヤいていると右ポケットに入れていた携帯がブルブル震えだした。ディスプレイには【エスパータイプ】の表示。このタイミングは……見えてたなあいつ。
「はい」
《こちら実力派エリート》
「自称エリートが転げ落ちていくのって見ものだよね」
《なんでしょっぱなから辛辣なの? 》
「今日何ナベなの?」
《普通にスルーしないで。ちゃんこ鍋だって》
「お腹が鳴りました」
《はいはい。明日、いや明後日かな。きっと忙しくなるから沢山食べな》
「……有給とろうかな」
忙しくなる。確実に今日のイレギュラー門のことだ。迅がわざわざ宣言するくらいだ。絶対めんどくさい且つ大変だ。……そういえば子供のときからボーダーにいるけど有給制度ってどうなってるんだ? 聞いたことないけど……やだ……これが噂のブラック企業……
《はは、まぁ大変だと思うけどナマエにとってもいいことが起きると思うよ》
「おれのサイドエフェクトがそういってんの?」
《そういうこと》
楽しそうに喉を鳴らす迅。これは本当にろくな事起きねーな、と確信した。結果、ゴ○ブリの形状に近いあのトリオン兵を見つけて叩き潰す作業を全隊員で昼夜問わず行われた。何かあのゴキが全ての元凶だったらしい。経費削減じゃなかった。
作業終盤になると疲労困憊状態な人間が続出し、ゴ○ブリは冷蔵庫の下に潜む理論でその場全てぶっ放そうとする人間が出るくらいには大変だった。何匹いんだよ! と諏訪さん辺りがキレていた。一匹いたら三十はいるのが定石だよねとか適当な事を言ってたらそんなものじゃなかった。もうやりたくない。
その一週間後、可愛い後輩が三人増えた。
あの時の無念を晴らさねば。
すぐさまレイジさんに【ナベ、ワタシノブンモ、ツクッテ】とメッセージを送った。急いで打ったせいで電報みたいになった。イタズラメールと思われたらどうしよう。再びメールを作成しているとバチバチッという音が後方から届いた。聞いたことのある、というより聞き慣れ過ぎた音に眉を寄せて振り返る。いや違うよね、だってここ市街地……
「……仕事しろや鬼怒田さあああん!!」
門が市街地に発生しますとかいう警報が鳴り響き現れたモールモッド三体。なんでこんなところに生息してんの。生息域どうなってんの、とツッコミながらトリガーを起動させてアステロイドをぶっ放す。通信を本部に繋げるとなんだか向こう側が騒がしかった。
「こちら山原! なんか市街地にモールモッドが出やがりやがったんですけど! 門のメンテナンスちゃんとやってる!?」
《やかましい! 今こちらでもトリオン反応を確認した。幸い人目につかない場所だ。秘密裏に排除しろ》
「………山原、りょーかい」
《またんか!! 何だ今の間は! 》
やべ。もうアステロイドぶっ放しちゃったよ。コンクリートごりごりっと穴空いちゃったよ。………よし、もしここに人が来たら殴って何もなかったことにしよう。生きてれば記憶喪失になることくらいある。がっつり穴が空いてるが始めから空いてたことにしよう。水道管少し見えてるけど大丈夫。現代アートってことにしよう。そう心に言い聞かせながら残りのモールモッドを倒した。
「あれ? なにこのゴ○ブリ……」
モールモッドを経費削減したような小さなトリオン兵が破壊した塀に埋もれていた。なんか亀が裏返ったみたいになってる。うん気持ち悪い。動きが完全にアレだったのでメテオラを発射。弱かった。
何事もなく終わらせた気持ちのまま現場に到着した回収班を迎えると「秘密裏にって言われたでしょうが! ゴジラが通ったあとみたいになってるじゃないですか! ああ……また経理と広報に嫌味言われる……」と怒られた。ゴジラも侵略者みたいなモンだよなぁと内心思いつつ「ごめんね、思い切りが良すぎた」と謝ると「絶対別のこと考えてますよね、悪いなんて一欠片も思ってないですよね」と再び怒られた。付き合いが長いとこれだから。そもそもシューターに隠密性を求めるのは間違ってると思う。爆弾魔の集まりみたいなものだからシューターって。
今日は徹夜だと嘆く回収班には「今日、玉狛でお鍋するんだよ」とエールを送って別れた。技術者、回収班、調査班、あとは幹部辺りは徹夜だな。徹夜明けの城戸さんは日本を恐怖政治で制圧できそうなくらいに怖いから近づかないでおこう。五割増しで厳つくなるからなぁ。もはや兵器だよね。そう心でボヤいていると右ポケットに入れていた携帯がブルブル震えだした。ディスプレイには【エスパータイプ】の表示。このタイミングは……見えてたなあいつ。
「はい」
《こちら実力派エリート》
「自称エリートが転げ落ちていくのって見ものだよね」
《なんでしょっぱなから辛辣なの? 》
「今日何ナベなの?」
《普通にスルーしないで。ちゃんこ鍋だって》
「お腹が鳴りました」
《はいはい。明日、いや明後日かな。きっと忙しくなるから沢山食べな》
「……有給とろうかな」
忙しくなる。確実に今日のイレギュラー門のことだ。迅がわざわざ宣言するくらいだ。絶対めんどくさい且つ大変だ。……そういえば子供のときからボーダーにいるけど有給制度ってどうなってるんだ? 聞いたことないけど……やだ……これが噂のブラック企業……
《はは、まぁ大変だと思うけどナマエにとってもいいことが起きると思うよ》
「おれのサイドエフェクトがそういってんの?」
《そういうこと》
楽しそうに喉を鳴らす迅。これは本当にろくな事起きねーな、と確信した。結果、ゴ○ブリの形状に近いあのトリオン兵を見つけて叩き潰す作業を全隊員で昼夜問わず行われた。何かあのゴキが全ての元凶だったらしい。経費削減じゃなかった。
作業終盤になると疲労困憊状態な人間が続出し、ゴ○ブリは冷蔵庫の下に潜む理論でその場全てぶっ放そうとする人間が出るくらいには大変だった。何匹いんだよ! と諏訪さん辺りがキレていた。一匹いたら三十はいるのが定石だよねとか適当な事を言ってたらそんなものじゃなかった。もうやりたくない。
その一週間後、可愛い後輩が三人増えた。