本編
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香取隊、柿崎隊、玉狛第二の夜の試合があと30分ほどで始まるのに現在作戦室で待機中だ。今日はみれないかもなぁ。「あ、揃った。一抜け」「ああっ!」「おまえトランプはつえーよな」「昔トランプのプロに弟子入りしたからね」「えっ!? 本当に!?」「あ、ごめん嘘です」「ナマエー!!」怒られた。
「………!?」
すると手札を置いた迅が突然立ち上がった。
「どうしたの?」
「トイレ?」
「………敵が来る」
一瞬がくっと肩を落としておまえね、って顔を私に向けた迅。しかしすぐに切り替えてパターンAで! と指示を出す。いや今のタイミングだったらトイレかと思うわ。そう思いつつ太刀川さんに続いて立ち上がる。パターンAなら私は外の警備だ。今回はぼっちじゃないからね。心強い。
「ナマエは外で加古隊、二宮隊と共に基地の警備にあたってくれ」
「……………山原りょーかい」
最悪だ。
***
「「ギムレット」」
同じ合成弾を同じタイミングで同じ表情で撃ち込むナマエと二宮。でも狙うトリオン兵はキレイに分断されていて。トリオン兵のシールドを一気に破壊したところで犬飼、加古、黒江がノーガードとなったトリオン兵を一掃した。それを見届けたナマエと二宮は舌打ちを漏らしながら銃撃部隊と合流するために足を進める。気のせいかお互い早足だ。「頭だけ吹っ飛んでベイルアウトがおすすめ」「身体ごと吹き飛べ。何も残さずベイルアウトしろ」と罵り合いもばっちり忘れていない。戦闘中の仲間におすすめベイルアウト方法を投げつけるように話す二人。言葉のドッジボールがすぎる。平常運転だなぁと犬飼には一周回っての安心感があった。
「相変わらず仲良しねぇ」
「それ言うの加古さんくらいですよ」
「…………」
何やってるんですかあの二人といった眼差しの黒江に気にしちゃダメだよと手を振り返す。いつものことだから。
ネイバー襲撃。外での応戦を命じられた二宮隊と加古隊。そしてナマエ。上層部からの命令に「身内でやり合えって事ですかね?」と口角を上げながらそう訊ねた犬飼に返ってきたのは三人ほど射殺せそうな睨みと舌打ち、辻のため息だった。辻は屋上の狙撃部隊のフォロー、その他は外の銃撃部隊に参加。つまりナマエと二宮が同じ部隊だということで。通信機で「………二宮了解、チッ」「………山原了解、ちっ」が重なったときは謎の感動すら覚えた。もちろん犬飼だけだが。
合流した二部隊とナマエに先に応戦していた人間は「………あっ」といった視線を向けた。皆思うことは同じである。狙撃部隊に指示をする二宮に加古が微笑みつつも口を挟んだ。
「あら、二宮くんが指揮するの?」
「なにか不服か?」
「不服じゃないけど面白くないわ」
「八割同意」
「まあまあ、加古ちゃんにナマエ」
少し冷や汗をかきつつ仲介に入る堤。加古は楽しそうに言っているが
ナマエはしかめっ面である。
「普通だとリーダーはランク順か年齢順だよね」
「じゃあ諏訪さんにお願いします」
「よしおめーら、俺が指揮るぞ。二宮ァなんか案出せ」
諏訪の適当な言葉に息を吐く二宮。
「……ほら見ろ結局こうなる」
「でもさっきよりむかつかないわ」
「十割同意」
「……来馬、」
堤の訴えるような視線に「えっ」とたじろぎながらも来馬はナマエの肩に手を置いてなだめた。
「あの……ナマエちゃん、今は、ね? 終わったらデザートでも食べよう、ね?」
「……小鹿先輩がいうなら」
膨れっ面で渋々といった風に了承したナマエに「だったらおまえだけ一人で突っ込んでさっさとベイルアウトしろ」と反論しようとした二宮。全てを言い切る前に堤に止められたが。そうこうしてるうちに狙撃手たちが屋上から降りてきた。
「とりまるイェーイ! ナマエさんもイェーイ!」
「吹き飛べ佐鳥」
「何で不機嫌!?」
「ナマエさんさすがにそれは八つ当たりです」
二宮の指示で攻撃手、狙撃手、銃撃手と半分に分かれる。ほぼ部隊同士で分かれたのだがこの作戦の要の銃撃手は一人余るのだ。頭数は二宮側が一人多いがあちらはA級で固まっている。二宮は渋い顔をしながらナマエへ視線を向けた。
「おい……エスクードは入れているのかそこの阿呆」
「入れてますが何か有能ぼっち」
「チッならばおまえはこちらに入れ。盾がある方が便利だ」
「ちっ仕方ないな」
この二人は舌打ちを挟まないと会話が進まないらしい。こんな状態で大丈夫かと息を吐く荒船。それに気がついた穂刈は口を開く。
「大丈夫だろ。普通に」
「……心読むんじゃねえよ」
「じゃあ顔に出すな」
穂刈の言葉に次は荒船が舌打ちを漏らした。そして穂刈曰わく大丈夫な二人へ視線をやる。「前へ出過ぎるな、興味が惹かれるものがあっても勝手に動くな、周りをちゃんと見ろ」「はじめてのおつかいかよ馬鹿にすんな」とお互いに道を挟んで建物の上に立っているにも関わらず砲撃しながらも言い合っている。それに気づいた堤と来馬は冷や汗をかき、犬飼はニヤニヤ顔。辻と笹森は不安そうに見ている。諏訪はめんどくさいのか話関せず。……どこが大丈夫なんだこれ。視線でそう訴える荒船に穂刈は悠然と答える。
「問題ないな。だってあの二人……」
「おい」
「分かってる」
ナマエの方向へ飛び出してきた一匹のトリオン兵。砲撃に集中しているナマエにとっさに笹森がフォローに入ろうと体勢を整える。……前に二宮が放ったハウンドがトリオン兵を貫いた。その間もナマエは一切動揺することなくそのまま砲撃を続けていた。
「……………」
「息ピッタリだからな」
何だこの違和感しかない光景、と戦闘中にも関わらず二度見した。いや三度見した。気持ち悪い。それが荒船の感想だった。仲間同士の連携でこんな感想が出るあたり普段の二人の仲の悪さを如実に語っていた。どうなってるんだと不可解な光景に首を捻る。
「嫌いな相手の動きってよく見えるから何となくする事が分かるんだとよ。苦々しい顔で言っていた、ナマエさんが」
ああ、納得した。
「………!?」
すると手札を置いた迅が突然立ち上がった。
「どうしたの?」
「トイレ?」
「………敵が来る」
一瞬がくっと肩を落としておまえね、って顔を私に向けた迅。しかしすぐに切り替えてパターンAで! と指示を出す。いや今のタイミングだったらトイレかと思うわ。そう思いつつ太刀川さんに続いて立ち上がる。パターンAなら私は外の警備だ。今回はぼっちじゃないからね。心強い。
「ナマエは外で加古隊、二宮隊と共に基地の警備にあたってくれ」
「……………山原りょーかい」
最悪だ。
***
「「ギムレット」」
同じ合成弾を同じタイミングで同じ表情で撃ち込むナマエと二宮。でも狙うトリオン兵はキレイに分断されていて。トリオン兵のシールドを一気に破壊したところで犬飼、加古、黒江がノーガードとなったトリオン兵を一掃した。それを見届けたナマエと二宮は舌打ちを漏らしながら銃撃部隊と合流するために足を進める。気のせいかお互い早足だ。「頭だけ吹っ飛んでベイルアウトがおすすめ」「身体ごと吹き飛べ。何も残さずベイルアウトしろ」と罵り合いもばっちり忘れていない。戦闘中の仲間におすすめベイルアウト方法を投げつけるように話す二人。言葉のドッジボールがすぎる。平常運転だなぁと犬飼には一周回っての安心感があった。
「相変わらず仲良しねぇ」
「それ言うの加古さんくらいですよ」
「…………」
何やってるんですかあの二人といった眼差しの黒江に気にしちゃダメだよと手を振り返す。いつものことだから。
ネイバー襲撃。外での応戦を命じられた二宮隊と加古隊。そしてナマエ。上層部からの命令に「身内でやり合えって事ですかね?」と口角を上げながらそう訊ねた犬飼に返ってきたのは三人ほど射殺せそうな睨みと舌打ち、辻のため息だった。辻は屋上の狙撃部隊のフォロー、その他は外の銃撃部隊に参加。つまりナマエと二宮が同じ部隊だということで。通信機で「………二宮了解、チッ」「………山原了解、ちっ」が重なったときは謎の感動すら覚えた。もちろん犬飼だけだが。
合流した二部隊とナマエに先に応戦していた人間は「………あっ」といった視線を向けた。皆思うことは同じである。狙撃部隊に指示をする二宮に加古が微笑みつつも口を挟んだ。
「あら、二宮くんが指揮するの?」
「なにか不服か?」
「不服じゃないけど面白くないわ」
「八割同意」
「まあまあ、加古ちゃんにナマエ」
少し冷や汗をかきつつ仲介に入る堤。加古は楽しそうに言っているが
ナマエはしかめっ面である。
「普通だとリーダーはランク順か年齢順だよね」
「じゃあ諏訪さんにお願いします」
「よしおめーら、俺が指揮るぞ。二宮ァなんか案出せ」
諏訪の適当な言葉に息を吐く二宮。
「……ほら見ろ結局こうなる」
「でもさっきよりむかつかないわ」
「十割同意」
「……来馬、」
堤の訴えるような視線に「えっ」とたじろぎながらも来馬はナマエの肩に手を置いてなだめた。
「あの……ナマエちゃん、今は、ね? 終わったらデザートでも食べよう、ね?」
「……小鹿先輩がいうなら」
膨れっ面で渋々といった風に了承したナマエに「だったらおまえだけ一人で突っ込んでさっさとベイルアウトしろ」と反論しようとした二宮。全てを言い切る前に堤に止められたが。そうこうしてるうちに狙撃手たちが屋上から降りてきた。
「とりまるイェーイ! ナマエさんもイェーイ!」
「吹き飛べ佐鳥」
「何で不機嫌!?」
「ナマエさんさすがにそれは八つ当たりです」
二宮の指示で攻撃手、狙撃手、銃撃手と半分に分かれる。ほぼ部隊同士で分かれたのだがこの作戦の要の銃撃手は一人余るのだ。頭数は二宮側が一人多いがあちらはA級で固まっている。二宮は渋い顔をしながらナマエへ視線を向けた。
「おい……エスクードは入れているのかそこの阿呆」
「入れてますが何か有能ぼっち」
「チッならばおまえはこちらに入れ。盾がある方が便利だ」
「ちっ仕方ないな」
この二人は舌打ちを挟まないと会話が進まないらしい。こんな状態で大丈夫かと息を吐く荒船。それに気がついた穂刈は口を開く。
「大丈夫だろ。普通に」
「……心読むんじゃねえよ」
「じゃあ顔に出すな」
穂刈の言葉に次は荒船が舌打ちを漏らした。そして穂刈曰わく大丈夫な二人へ視線をやる。「前へ出過ぎるな、興味が惹かれるものがあっても勝手に動くな、周りをちゃんと見ろ」「はじめてのおつかいかよ馬鹿にすんな」とお互いに道を挟んで建物の上に立っているにも関わらず砲撃しながらも言い合っている。それに気づいた堤と来馬は冷や汗をかき、犬飼はニヤニヤ顔。辻と笹森は不安そうに見ている。諏訪はめんどくさいのか話関せず。……どこが大丈夫なんだこれ。視線でそう訴える荒船に穂刈は悠然と答える。
「問題ないな。だってあの二人……」
「おい」
「分かってる」
ナマエの方向へ飛び出してきた一匹のトリオン兵。砲撃に集中しているナマエにとっさに笹森がフォローに入ろうと体勢を整える。……前に二宮が放ったハウンドがトリオン兵を貫いた。その間もナマエは一切動揺することなくそのまま砲撃を続けていた。
「……………」
「息ピッタリだからな」
何だこの違和感しかない光景、と戦闘中にも関わらず二度見した。いや三度見した。気持ち悪い。それが荒船の感想だった。仲間同士の連携でこんな感想が出るあたり普段の二人の仲の悪さを如実に語っていた。どうなってるんだと不可解な光景に首を捻る。
「嫌いな相手の動きってよく見えるから何となくする事が分かるんだとよ。苦々しい顔で言っていた、ナマエさんが」
ああ、納得した。