本編
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「あ、ナマエさん」
「よう人間離れ」
「その呼び方やめてほしい」
無表情で淡々とそう言う天羽。対するナマエは「だってほんとのことじゃん」と気にしていなかった。
基地内の自販機の横のベンチに座ってお汁粉を飲んでいたナマエ。そこに背中を丸めながら歩いてきたのが天羽だった。天羽は一言二言話すとナマエをじーっと見つめ、トコトコとナマエの隣に腰を降ろした。
「それおいしいの?」
「最近の缶ジュースはレベルが高いはずなのに近年稀にみるくらいの出来だね」
「? つまりなに」
「くっそマズい」
舌を出して顔を歪めたナマエ。天羽はふーんと一言だけ返した。
「おまえ相変わらずだな。友だちいないだろ」
「ふつう」
「ほら諏訪さんだったらここでキレてるよ」
「諏訪さんじゃないから」
その返答につまらんとボヤくナマエだが天羽に対し落胆や呆れといった表情はなかった。浮き世離れしている天羽。戦闘や日常生活でもそれは顕著である。そして(色んな意味で)浮いているナマエ。そのためかこの二人の相性は意外にも悪くはなかった。
「最近さ、刺激が足りないよね。ボーダー内で中だるみしてる感じ。だからさ、ちょっと城戸さんの隠し撮り写真でも撮ってきてよ。見つかったら負けね。お互いのベストショットを食堂に貼って一位決めよう」
「それちょっとじゃ済まないと思う」
軽い口調でとんでもないことを提案するナマエに天羽は馴れた様子で冷静に返す。だからの接続先が可笑しい。黒トリガーの性能のせいか過激、もしくは危険人物だと思われがちだが、横の人物の思考回路よりマシなのではないかと天羽は偶に思う。この間出くわしたときには「ポッキーあげるからメディア対策室つぶそーぜ」と血走った目で誘われた。対価と報酬が見合ってないにもほどがある。何があったの? と聞くと「私への理不尽な扱いに対してそろそろ声を上げるべきだと思って」と返ってきた。声だけですまなさそうとぼんやり思う天羽。大正解だった。
「ナマエさん前に根付さん殴り飛ばしてポイント没収されたって言わなかったっけ」
「それ影浦ね。私は後ろで応援してただけ。なぜかポイントは減った」
理由は明白だが天羽がそれを口にすることはなかった。
「ナマエさんって強くはないけど独特な色してるよね」
「ええ……また得意のオーラ占いかよ……」
スピリチュアル感じたの? と胡散臭さそうな顔のナマエに天羽はまばたきを二回返し、とりあえず頷いた。他の人間のサイドエフェクトは信頼しているのになぜか天羽のサイドエフェクトはオーラ占いと断言するナマエ。「占いなんか絶対信じない」といつも憎々しげに言われるのだ。天羽自身は特に気にしてはいないが周りの人間は「あいつの言うことは気にするな」となぜか慰めてくる。
「なんで占い嫌いなの?」
「逆に聞くけど誕生日で一日の運勢決められるの嫌じゃない? この世に何人同じ人間がいるんだっつの。あと知らない人間に運勢決められるのもむかつく」
「でもナマエさん血液型は信じてるよね」
「A型は説教長い人が多いから信じてる。伊達に同じ血液流れてないわ。みんな似たようなこと言うんだもん」
ナマエのガバカバ理論に「そうなんだすごいね」とのんびり返す天羽。ナマエの日頃の行動を見て似たようなことを言うのは仕方のないことなのだが、天羽はそこまで考えることをしなかった。そもそも天羽はナマエ曰く説教の長いA型だ。こうやってのんびり会話をしている時点で全く当てはまっていないのだが、両者とも全く気にしていなかった。
「でも本当にナマエさんは変な色してるよ。ナマエさんみたいな色、見たことない」
「おまえちゃっかり独特から変な色にかえたな」
「だって変だから」
表しようのない独特な色。特に強いわけじゃないのに目立つ色。こんな色を出す人はこの人くらいだな、と天羽はナマエと顔を合わせる度にいつも思う。その度にスピリチュアル野郎だの何だの言われるのだが、やっぱり口出して伝えてしまうのだ。
「へー……見たことないってどのくらいレアなの私」
「うーん、よく分からないけど河童くらい?」
「一気に胡散臭さ増したんですけど」
やっぱり占いは信じない! と眉をひそめるナマエに天羽は口の端を僅かに上げて「うん、それでもいいと思うよ」と返した。
「よう人間離れ」
「その呼び方やめてほしい」
無表情で淡々とそう言う天羽。対するナマエは「だってほんとのことじゃん」と気にしていなかった。
基地内の自販機の横のベンチに座ってお汁粉を飲んでいたナマエ。そこに背中を丸めながら歩いてきたのが天羽だった。天羽は一言二言話すとナマエをじーっと見つめ、トコトコとナマエの隣に腰を降ろした。
「それおいしいの?」
「最近の缶ジュースはレベルが高いはずなのに近年稀にみるくらいの出来だね」
「? つまりなに」
「くっそマズい」
舌を出して顔を歪めたナマエ。天羽はふーんと一言だけ返した。
「おまえ相変わらずだな。友だちいないだろ」
「ふつう」
「ほら諏訪さんだったらここでキレてるよ」
「諏訪さんじゃないから」
その返答につまらんとボヤくナマエだが天羽に対し落胆や呆れといった表情はなかった。浮き世離れしている天羽。戦闘や日常生活でもそれは顕著である。そして(色んな意味で)浮いているナマエ。そのためかこの二人の相性は意外にも悪くはなかった。
「最近さ、刺激が足りないよね。ボーダー内で中だるみしてる感じ。だからさ、ちょっと城戸さんの隠し撮り写真でも撮ってきてよ。見つかったら負けね。お互いのベストショットを食堂に貼って一位決めよう」
「それちょっとじゃ済まないと思う」
軽い口調でとんでもないことを提案するナマエに天羽は馴れた様子で冷静に返す。だからの接続先が可笑しい。黒トリガーの性能のせいか過激、もしくは危険人物だと思われがちだが、横の人物の思考回路よりマシなのではないかと天羽は偶に思う。この間出くわしたときには「ポッキーあげるからメディア対策室つぶそーぜ」と血走った目で誘われた。対価と報酬が見合ってないにもほどがある。何があったの? と聞くと「私への理不尽な扱いに対してそろそろ声を上げるべきだと思って」と返ってきた。声だけですまなさそうとぼんやり思う天羽。大正解だった。
「ナマエさん前に根付さん殴り飛ばしてポイント没収されたって言わなかったっけ」
「それ影浦ね。私は後ろで応援してただけ。なぜかポイントは減った」
理由は明白だが天羽がそれを口にすることはなかった。
「ナマエさんって強くはないけど独特な色してるよね」
「ええ……また得意のオーラ占いかよ……」
スピリチュアル感じたの? と胡散臭さそうな顔のナマエに天羽はまばたきを二回返し、とりあえず頷いた。他の人間のサイドエフェクトは信頼しているのになぜか天羽のサイドエフェクトはオーラ占いと断言するナマエ。「占いなんか絶対信じない」といつも憎々しげに言われるのだ。天羽自身は特に気にしてはいないが周りの人間は「あいつの言うことは気にするな」となぜか慰めてくる。
「なんで占い嫌いなの?」
「逆に聞くけど誕生日で一日の運勢決められるの嫌じゃない? この世に何人同じ人間がいるんだっつの。あと知らない人間に運勢決められるのもむかつく」
「でもナマエさん血液型は信じてるよね」
「A型は説教長い人が多いから信じてる。伊達に同じ血液流れてないわ。みんな似たようなこと言うんだもん」
ナマエのガバカバ理論に「そうなんだすごいね」とのんびり返す天羽。ナマエの日頃の行動を見て似たようなことを言うのは仕方のないことなのだが、天羽はそこまで考えることをしなかった。そもそも天羽はナマエ曰く説教の長いA型だ。こうやってのんびり会話をしている時点で全く当てはまっていないのだが、両者とも全く気にしていなかった。
「でも本当にナマエさんは変な色してるよ。ナマエさんみたいな色、見たことない」
「おまえちゃっかり独特から変な色にかえたな」
「だって変だから」
表しようのない独特な色。特に強いわけじゃないのに目立つ色。こんな色を出す人はこの人くらいだな、と天羽はナマエと顔を合わせる度にいつも思う。その度にスピリチュアル野郎だの何だの言われるのだが、やっぱり口出して伝えてしまうのだ。
「へー……見たことないってどのくらいレアなの私」
「うーん、よく分からないけど河童くらい?」
「一気に胡散臭さ増したんですけど」
やっぱり占いは信じない! と眉をひそめるナマエに天羽は口の端を僅かに上げて「うん、それでもいいと思うよ」と返した。